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Micoworks株式会社 主催 「Conversational Marketer Summit Vol.2」イベントレポート

時計2023.08.31

更新2023.08.31

編集者 SYNCAD編集部

Micoworks株式会社 主催 「Conversational Marketer Summit Vol.2」

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SYNCAD(シンクアド)編集部

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SYNCAD(シンクアド)編集部。Web広告やデジタルマーケティング、セミナー情報などマーケティング業界の最新情報からマーケを学びたい人に向けに業界情報をお届けしています。

2023年8月4日(金)、グローバルマーケティングの新潮流に焦点をテーマに、オフラインネットワーキングイベント「Conversational Marketer Summit vol2」のイベントレポートをお届けいたします。会場はMicoworks株式会社の大阪本社オフィスがあるWeWork御堂筋フロンティアにて開催されました。
ゼロワングロース株式会社のグローバルマーケティングにおける最新トレンド「MOps(マーケティングオペレーション)、Micoworks株式会社のCコマース(会話型コマース)」から、グローバル事業を展開する「LINE、Criteo社が描くマーケティングの未来」。Cコマースの実践事例として、メンズクリアを展開する株式会社クリアのセッションが行われました。

大阪に各業界のマーケターが集結

Micoworks株式会社 主催 「Conversational Marketer Summit Vol.2」

前回の「Conversational Marketer Summit vol.1」は、都内で開催でしたが、今回は大阪開催となり約100名のマーケターが集結。実際に来場されたマーケターに聞くと「大阪でこんな大規模のマーケティングイベントは初めて」とのこと。来場された方々の熱量も高く、各セッションでは最新のグローバルマーケティングやトレンドを学び、ネットワーキングの場では参加者のカンバセーショナルな交流が行われました。

ゼロワングロース 廣崎 依久氏による「MOps」とは

オープニングセッションは、「マーケティングオペレーション(MOps)の教科書の著者、ゼロワングロースの廣崎氏による「グローバルの新潮流「MOps」とは?」MOps(マーケティングオペレーション)は、日本国内では専門チームはまだ少なく、欧米では専門チームを設置しマーケティングのDX化として注目されています。

MOps(マーケティングオペレーション)とは?
マーケティングオペレーションとは企業のマーケティングプロセスをシステムで統合・最適化する概念、役割のことです。MOpsは、「マーケティングとITの架け橋」とも呼ばれ、欧米では6割を超える大手企業がこの専門チームを持つほど普及している概念です。

海外でマーケティングを行っていた廣崎氏は、グローバルと日本ではマーケティングの違いがあり、日本ではマーケティング戦略を考える際に「戦略から実行まで行ってしまう」ことが多く、グローバルでは「戦術」の設計に時間をかけている違いがあると語ります。
特に「欧米ではマーケティングオペレーションは当たり前になっていて8割くらいの企業は実際に行っています。」という状況である一方、マーケティングオペレーションのリサーチを行った際には日本では10%しか行われていない現状です。

マーケティングオペレーションの上位概念であるBig Ops(ビッグオプス)は2022年のグローバルマーケティングトレンドの一つですが、Big Ops(ビッグオプス)に関しては、まだまだ認知が低いといいます。

ゼロワングロース 廣崎 依久氏による「MOps」

ビッグデータの43%は未使用であるという調査結果もあり、その理由としては集めたデータを効果的に運用するマネジメントプロセスがないうちにデータを収集し始めてしまい、集めたデータを活用できていない状態が背景にあります。

ビッグデータの43%は未使用のままだといいます。その理由は集めたデータを組織として効果的に運用するマネジメントプロセスがないうちに始めてしまったので、集めたデータを活用できていないことが背景にあります。

ゼロワングロース 廣崎 依久氏
ゼロワングロース 廣崎 依久氏

そのため、まずはデータ活用するためのオペレーションを構築し、運用する流れがビジネス全体に浸透してきています。これをBig Opsと呼び、MOpsの他にもDevOpsやSalesOpsなど様々な部門でオペレーションを構築していく流れが広がっています。

Cコマース(会話型コマース)とは?

続いてのセッションは、Micoworks株式会社ビジネスマーケティング部Director大里氏による「Cコマースによる今後の購買行動の変化」です。 近年、消費者の購買行動が変化してきており、現在の消費者はマスメディアからネットやSNSを中心に情報収集をしています。Cコマース(会話型コマース)はリアルタイムでチャットを行い1to1で購買に繋げる新しいコマースです。日本ではまだ聞き慣れないワードですが、グローバルでは「カンバセーショナルコマース」と呼ばれ、日常生活に広く浸透しています。

たとえば、銀行手続きがチャットで全て完結するサービスも提供されています。

Micoworks株式会社 Cコマース(会話型コマース)とは?
Micoworks株式会社ビジネスマーケティング部Director 大里氏

小売大手のウォルマートでは「Text to Shop」というサービスがあり、アプリ内でチャットで会話しながら商品を入れてそのまま購入できます。グローバルでは既にCコマース専門の役職も普及しているといいます。

Cコマースの市場
Cコマースの事例

Cコマースの会話はSNSだけでなく、Webサイトのウィンドウやアプリのチャット機能でも展開されます。日本ではメルカリを利用したことのある方は出品者と会話しながら商品を購入したことがあるのではないでしょうか?こうして考えてみると、皆さんCコマースを体験したことがあると思います。2025年にはタイとベトナムではEコマースのうち、Cコマースが占める割合が50%以上に上るというレポートも出ています。2年後にはチャットで購入する当たり前の時代がきます。

日本においては世代問わずLINEの使用頻度が高く、購買手段としても高くなっています。SNSとチャット機能、パーソナライズされた情報提供により購買行動をした80%以上のお客様が好意的な評価となっていると語りました。

Micowroks株式会社 Cコマース調査レポート

Cコマースの実態調査も出ていますので参考にしてください
https://www.micoworks.jp/information/3143/

グローバル事業を展開するLINE、Criteoが描くマーケティングの未来

LINE株式会社の依馬 裕也氏、CRITEO株式会社の吉原 元樹氏のセッションでは「マーケティングの未来」をテーマにディスカッションが行われました。

日本でも多くのマーケターが知っているCriteoはリターゲティング広告以外のプロダクトも幅広く展開しておりビデオ広告や実店舗への誘導、促進プロダクトも展開しています。
ユーザーが買い物をしているデータを保有しており、大規模な買い物の購買データを活用してコマースメディアをテーマに消費者の体験を最適化させるビジョンを掲げています。

日本市場では13年くらいになりますが、日本でも実績が多くEC、旅行、人材など日本のEC事業社100社のうち8割はCriteoを利用されています。

グローバル事業を展開するLINE、Criteoが描くマーケティングの未来

LINEを使う日本の利用者数は月間9,500万※で、毎日利用しているユーザーは86%※と国内最大のSNSになっています。LINE公式アカウントを立ち上げる事業者も増えています。機能としてはメッセージ配信やクーポン発行など様々な機能がありますが、APIサービスも展開していまして、Micoworksもその1社です。様々な事業者様にご活用いただいていますが、今回はCriteoとの連携をお話いただきました。
※2023年6月時点

今回、LINEとCriteoがセッションする理由は、Criteoが技術を担っており今年5月末にプレスリリースも出ていますが、「LINE公式アカウントに、よりパーソナライズされたレコメンデーション(メッセージ配信)ができる」ようになりました。Criteoはディスプレイ広告だけではなく、LINE公式アカウントにCriteoの技術を使ったメッセージ配信ができるようになっています。

レコメンデーションメッセージ for LINE公式アカウント

ソリューション名は、レコメンデーション メッセージ for LINE公式アカウント Powered by CRITEOとして提供しています。このソリューションをMicoworksとともに作り上げていますが、利用用途を2つお伝えしたいことがあります。
まず一つ目は先日、Zホールディングスの第一四半期の決算がありましたが、LINE公式アカウントのビジネスが前年対比+18.8%と高成長しています。Criteoとしてはこの成長領域で新しいビジネスをしたいと考えています。

二つ目はCriteoはディスプレイ広告で成長してきましたが、ここで培った購買データやAIの技術を利用していきたいと語りました。

LINE公式アカウント、CRITEO Micoworks株式会社

MicoworksをはじめとするLINEのTechnology Partnerと組んでソリューションを作っています。販売前に実証実験を行い購買に繋がるという実証ができたため、今回のソリューションを販売した経緯と伝えました。

Criteoが考えるマーケティングの未来

トレンドとしてCriteoはコマースメディアをビジョンにしていますが、2010年位から検索メディアが伸びており、SNS広告が普及してその次に膨大な購買データを使ったコマースメディアを使った広告ビジネス、Cコマースを市場として大きくなると思っています。2025年には40兆円の市場になる予測と語りました。

LINEが考えるマーケティングの未来

LINEでは現在、LINEのAPIを連携させた生成系AIを活用したサービスに注目しています。LINEのAPIを使ってChatGPTとLINEを連携させて提供されています。特に「AIチャットくん」はLINEの中で生成系AIを活用してメッセージのやり取りができます。LINE公式アカウント公開後3ヵ月半で友だち数が200万人を超えています。ChatGPTを使う際、質問が出てこなかったり、悩むときも多いと思いますが、質問が多い内容をLINEのクイックリプライというAPIを使ってサジェストにして出せるようになっています。

また、他の生成系AIになりますが、マイクロソフトのAIエンジンを使ってLINEを通じて会話ができる「りんな」が斬新で、LINE公式アカウントメンバーシップに加入すると「りんな」の方からLINEで話しかけてくれるというサービスもあります。生成系AIとサジェストを掛け合わせて自分から話しかけなくても、サジェストを通じて話しかけてくれるのがトレンドになると伝えました。

メンズクリア様のCコマース事例

メンズクリア様のCコマース事例
右:株式会社クリア 長田 湧さま 左:株式会社クリア 永江 薫さま

メンズ向けの脱毛サロンを展開しているメンズクリア様。2023年現在、120店舗以上展開しています。メンズクリア様では1to1のコミュニケーションを行っています。
LPやホームページにLINE導線を作り、そこから予約希望者のユーザーが自動でLINE登録されています。その後の予約日程を1to1で利用しています。
予約までの流れの中では、ボットでは無くCSチームが対応している形です。人とチャットボットとの境目のない集客方法が展開されていると語りました。

1to1での工夫、注意している点。メール、電話、SNSなどチャネルがあるがLINEを選んだ理由

メンズクリア様のCコマース事例

いままでは電話を中心に行っていましたが、CV獲得から電話を嫌うユーザーも居ると思っていて、そこの隙間を埋めるためにLINEを導入した経緯があります。
メールの開封率も下がってきていて、LINEに切り替えていった形です。LINEを入れることによりユーザー体験が変わってきており、LINEを活用することによって今後、中長期的にも顧客の潜在データは全て回収できるのが大きなメリットです。

LINEを活用した集客を実践しているメンズクリアの事例では、多くの方がディスカッションを行っており注目度の高さを感じるセッションになっていました。

編集後記

業種問わず多くの企業がマーケティング戦略を考え実行していますが、マーケチーム、フィールドセールス、CS、広報・PRなど属人化している組織が多いのではないでしょうか。今回、MOps部門を置くことにより企業内のマーケティング戦略から戦術、実行までのノウハウを「企業」全体に落とし込み、蓄積させることにより属人化を防ぎ戦略よりも「戦術」に時間をかけて実行する重要性が大切だと感じました。
Cコマースにおいては東南アジアでは、普及が早く、日本国内においてもCコマースやコマースメディアが注目されています。Micoworks、LINE、Criteo社の連携による日本初のソリューションレコメンデーション メッセージ for LINE公式アカウント Powered by CRITEOの活用が広がっていくと感じました。

また、来場者の多くはマーケターの方々で最先端のグローバルマーケティングやトレンドを知る機会になり、講師の話を聞くだけのセミナーとは違い、参加者はお飲み物やお食事も楽しみながらカンバセーショナルな交流の場、学びのある貴重な時間を体験し楽しんでいました。

広告運用をされている方や、事例を元にこれからLINE公式アカウントを立ち上げ検討されている企業の方も多く、BtoB、BtoC問わず日本では唯一無二の価値あるイベントでした。

●Micoworks株式会社 主催 「Conversational Marketer Summit」イベントレポート

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