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ビジネスで活用する上で知っておきたい、Pinterestの特徴と機能

時計2023.06.12

更新2023.06.13

編集者 THECOO株式会社

ビジネスで活用する上で知っておきたい、Pinterestの特徴と機能

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THECOO株式会社

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THECOO(ザクー)は、SNS・デジタルでのプロモーションを支援する「デジタルマーケティング事業」と、会員制ファンコミュニティアプリ「Fanicon」を展開しています。 デジタルマー…

2022年6月に国内での広告配信が可能になったPinterest。芸能人を起用したテレビCMが放映されていたりと、国内でも非常に注目のサービスになっています。実は、Pinterestは2010年にサービスを開始しており、クリエイティブに携わる方やトレンドに敏感なビジネスパーソンであれば、いろいろなアイデアを探し、整理できるサービスとしてご存知だった方も多いのではないでしょうか。

ここ数年、元のコンセプトはそのままに、縦型動画機能などが追加され、SNS的な使い勝手の良さが増してきていることから、幅広い層の消費者が使うことのできるSNSとしても存在感を増してきています。この記事では、SNSの観点からPinterestを解説し、他のSNSとの違いやPinterestをどのようにビジネスに活用できるかを紹介します。

アイデアの源泉としてのPinterest

Pinterestの公式サイトでは「Pinterestは安心してアイデアを探し、新しいことに挑戦できるプラットフォーム。」と記載されています。「いいね」よりアクションを、という言葉からも、他のSNSのような「共感」や「流行」のような軸とは異なり、何らかの目的を持って利用する人が多いプラットフォームと言えます。

世界では4億4,500万人が利用していると記載されていますが、公式サイトにはさらに興味深いデータがいくつか述べられています。

  • 60%:世界のユーザーの 60% 以上を女性が占めています
  • 40%:男性ユーザーと Z 世代ユーザーは 40% 増加(前年比)しています
  • 97%:Pinterest 上位の検索のうち、ブランドが指定されずに検索される割合
  • 85%:新しいプロジェクトを始めたいとき最初に Pinterest へアクセスすると回答したユーザーの割合
  • 80%:Pinterest で新しいブランドや商品を見つけた経験がある週間ユーザーの割合

このように、ユーザーとしては女性の割合がやや多いものの、若者世代を含めた幅広い世代で男女問わずユーザー数が増えていることが伺えます。

この背景は、元々はデザイナーのポートフォリオなどの用途として、クリエイティブな領域で使われることが多かったですが、そこから派生して、インテリアやDIY、ライフハック系の投稿が増えているため、消費者にとっても役立つ情報が増えてきたからではないかと考えられます。

Pinterestの特徴的な機能

Pinterestは、アイデアを発見することを目的としていることもあり、他のSNSにはない機能があったり、同じような機能でも表現する言葉が異なっていたりします。まずはPinterestに慣れる上では、その言葉と機能を覚えるのがよいでしょう。いくつかの代表的な機能をご紹介します。

ピン

Pinterestは「ピン」という機能があります。これはいわゆる「投稿」機能になりますが、近年はこのピンが拡張しいくつかの機能があります。

ビジネスで活用する上で知っておきたい、Pinterestの特徴と機能
出典:Pinterest
  1. 画像ピン・動画ピン
    画像ピン・動画ピンは、1つの画像や動画を投稿できる機能です。ピンの作成には、ローカルのファイルをアップロードすることも、外部サイトの画像や動画をピンすることも可能です。
  1. アイデアピン
    アイデアピンは、20枚までの画像や動画をまとめて投稿できる機能です。スライドショーのような形で表示されるため、1つのトピックに関連するコンテンツを一度に表現することができます。
  1. リッチピン
    アカウントをビジネスアカウントに切り替えることで、よりリッチなピンを使用することができます。主に使われるのは「プロダクトピン」や「記事ピン」というもので、事前に連携したWebサイトとの間で情報を自動的に取得し、ピンを作成します。

これにより、ECサイトやオウンドメディアなどの情報を、検索エンジンに加えてPinterestでも容易に拡散できるようになります。

ボード

ボードとは、自分が投稿したピンや、Pinterestで保存した他者のピンをカテゴリーごとにまとめて管理できる機能です。Instagramなどにもある「保存」機能に近く、アイデアの整理に使うことができます。

それだけでなく、全体に向けてボードを公開することができ、他のユーザーがボードを検索することもできます。そのため、SpotifyやApple Musicなどの音楽ストリーミングサービスでよく使われる「プレイリスト」のような使い方ができるのもこのボードの特徴と言えます。

ビジネスで活用する上で知っておきたい、Pinterestの特徴と機能
出典:Pinterest

自分が管理するボードは、デフォルトでは公開になっていますが、シークレットボードとして非公開にすることも、特定の人との間で共有しながらピンの追加や整理が行える「グループボード」にすることもできます。

Pinterestをビジネスで活用するメリット

近年のPinterestは他のSNSと同じような機能が多く含まれていますが、ビジネスで利用する上では大きなメリットがあります。

能動的にアイデアを探している人への訴求

Pinterestの利用目的は他者との交流や共感ではなく、新たなアイデアの探求にあります。毎週利用するユーザーの84%が、まだ購入を決めていない商品やサービスについて検討するために「Pinterest」を使っているというデータもあります。

このことは、どちらかというと決まったアカウントをフォローするというよりは、Pinterest内で検索したり、レコメンドされたコンテンツからアイデアを得るという傾向があることが推察されます。そのため、必ずしも新規の投稿が重視されるわけではありません。実際、ピンには投稿の日付が表示されておらず、有益なコンテンツはピンの投稿から長時間経過しても見続けられるのです。

また、Pinterestのコンテンツの75%はブランドや企業が作成したピン(事業者がビジネスに活用するために開設したアカウントを使いピンした画像)であるというデータがありますが、ビジネス目的の投稿がコンテンツの中心であるにも関わらず多くのユーザーが利用しているということからも、ビジネス文脈の情報への抵抗がないと考えられます。

CTAを設定でき、より詳細な情報へ遷移させる

ブランドアカウントとして設定すれば、各ピンにCTAを設定し、外部サイトへの遷移の導線を作成できます。さらに、リッチピンを設定していれば、WebサイトやECサイトの情報が自動的にPinterestにも反映されます。自然流入は検索エンジンが主流ではありますが、Pinterestも新たな自然流入元として見込めるようになります。

フォロワーが少なくても情報が拡散される

PinterestはフォロワーありきのSNSではないため、必ずしも人気なユーザーになる必要はありません。また、ホーム画面はありますが、タイムラインのように新規投稿が並ぶものではないため、必ずしも継続的な投稿は必要がなく、有益なピンは長期間にわたって拡散される傾向にあります。

ビジネスで活用する上で知っておきたい、Pinterestの特徴と機能
出典:Pinterest

また、それぞれのピンに「ズームイン検索」という特徴的な機能があり、画像内に映っている特定のエリアを特定し、関連したピンを検索する機能があります。このように、ピンからピンへとさまざまなアイデアを回遊しやすく、ピンが目にされる可能性が高まるのです。

Pinterestのビジネスアカウント

Pinterestは他のSNSと同様に、通常アカウントとは別に、ビジネス用途で利用するためのビジネスアカウントへの切り替えができます。2023年現在では、ビジネスアカウントは1種類で、アカウントを成長させるための詳細なインサイトの情報を確認できるようになったり、広告配信が可能になったりします。

取得できるアナリティクス

ビジネスアカウントに切り替えると、ピンごとの統計情報と、アカウントのアナリティクスを把握することができます。このデータを通じて注目を浴びやすいピンの投稿や、アカウントの人気を高めるためのインサイトを得ることができます。

Pinterestの公式ページでは以下の情報が取得できると記載されています。

ピンの統計情報

  • インプレッション数
  • ピンクリック数:リンクのクリック数(Pinterest内の遷移も含む)
  • 保存数
  • アウトバウンドクリック数:外部リンクのクリック数
  • プロフィール訪問数
  • フォロー数
  • リアクション
  • コメント
  • 動画視聴回数:動画ピンの50%以上が表示された状態で 2 秒間連続再生された回数
  • 10 秒間の動画再生回数
  • 95% 時点の動画再生回数
  • た場合も含まれます。
  • 平均再生時間
  • 合計再生時間(分)

アカウントの統計情報

  • エンゲージメント数:Pinterestの定義するエンゲージには、ピンの保存数、ピンクリック数、アウトバウンドクリック数、カルーセルカードのスワイプ数、サブ素材(コレクション)クリック数が含まれます
  • エンゲージメント率
  • インプレッション数
  • 保存数
  • 保存率
  • ピンクリック数
  • ピンクリック率
  • アウトバウンドクリック数
  • アウトバウンドクリック率
  • プロフィール訪問数
  • フォロー数
  • 動画視聴回数
  • 平均動画再生時間
  • 10 秒間の動画再生回数
  • 95% 以上の動画再生回数
  • 合計再生時間(分)
  • 合計オーディエンス数
  • エンゲージしたオーディエンス数
  • 月間合計オーディエンス数
  • エンゲージした月間オーディエンス数
  • 1 か月あたりの表示回数

Pinterestの広告出稿

Pinterestも他のSNSと同様に広告を出稿できます。出稿にあたっては、素材のフォーマット、最適化の指標を設定するキャンペーンの目的、そして配信対象を決めるターゲティングの3つを設定することで

PinterestではECに特化した広告出稿スタイルが提供されているため、SKUが多いECサイトを運営されている企業では、少ない工数でリッチな広告を出稿できます。

出稿フォーマットは以下の6種類です。

  • スタンダード画像アド
  • スタンダード動画アド
  • ワイド動画アド:広告専用の仕様で、モバイルの画面全面に表示される動画です。
  • カルーセルアド
  • ショッピングアド:商品カタログを連携させ、商品情報を広告で表示させます。
  • コレクションアド:メイン素材とサブ素材を組み合わせたフォーマットです。
  • アイデアアド:アイデアピンの形式で表示される広告です。

また、キャンペーンの目的も5つ設定できます。この目的を適切に設定することで、他のSNS広告と同様に、パフォーマンスの最適化が行われます。

  • ブランド認知度
  • 動画視聴
  • 比較検討:クリック数の最大化を目指します。
  • コンバージョン
  • カタログ販売:ショッピングとコレクションの2つのフォーマットで使える、ECでの販売に特化した目的です。

リーチやクリックに加え、購買に特化した「カタログ販売」という目的が用意されているのが特徴的です。

ターゲティングの種類は7つあります。

  • オーディエンス
  • アクトアライクオーディエンス
  • インタレスト
  • キーワード
  • 属性
  • プレースメント
  • 拡張

「アクトアライクオーディエンス」や「拡張」で配信することで、Pinterestが持つデータをもとに拡張して配信することができますし、キーワードやプレースメントでターゲティングすることで、何かを能動的に検索している人だけに、さらには特定のキーワードで検索している人だけに広告を配信することも可能なため、顕在層に絞った広告配信も可能になる点が特徴的です。

まとめ

Pinterestをビジネスでも活用したいと考える企業の方はまだまだ少なく、他のSNSで成果を出した方がさらなる成果を求めたり、先行者利益を得るための先行投資として捉えたりする方が多いのではないでしょうか。

海外では既に非常に多くのユーザーに利用されていることから、日本では新しいSNSとして捉えられることが多いですが、ビジネス目的でも充実した機能が揃っています。ぜひPinterestの特徴を理解し、活用にトライしてみましょう。

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