月額3,000円から使える電話自動応答サービス「IVRy(アイブリー)」は様々なシーンでの電話業務を自動化・効率化し、普段の業務オペレーションへの集中や対応工数削減を実現しています。
飲食店やクリニック。これから起業する方にも会社の固定電話をスマホで応対できる様にプロダクト設計されています。
設立は2019年3月と、創業して3年しか経っていませんが既にフェムトグロース・スリー投資事業有限責任組合、株式会社プレイドから3億円の資金調達を行い更なる「電話応答」の業務効率化を目指しています。
今回は、IVRy代表取締役社長の奥西 亮賀氏に起業のきっかけやIVRyが大切にしている社内メンバーのこと。そしてこれから起業しようと考えている方についてもお話をお聞きしました。
目次
- 他メディアでも既にお話されていると思いますが、改めて創業したいと思ったタイミングときっかけがあればお聞きしたいです
- 会社員から起業する不安
- 現在のメンバー数は何人くらいでしょうか
- いま1日のスケジュールはどんな感じでしょうか
- リモート環境について
- IVRyを初めて1年半で同社初の約3億円の資金調達を行っています。スピード感があるなと感じますがこのスケジュールは正式ローンチ時に考えていたものでしょうか?
- 他のスタートアップ企業に比べかなり早い段階で信託型SOを導入した理由をお聞きしたいです
- 最初にIVRyを営業する際、050で始まる電話番号ですが飲食店など少し年齢の高いオーナーだと抵抗感がありますか
- 副業・起業したいという方が増えています。起業で悩んでいる方にアドバイスがあればお聞きしたいです
- IVRy自体の今年の目標は何でしょうか
- 最後にPRを兼ねてIVRyという会社をはどの様な会社でしょうか
- まとめにかえて
- IVRy(アイブリー) 代表取締役CEO 奥西 亮賀プロフィール
- 関連リンク
他メディアでも既にお話されていると思いますが、改めて創業したいと思ったタイミングときっかけがあればお聞きしたいです
同志社大学院の時に情報工学を学んでいて、アプリ開発やサーバーサイド周りのエンジニアリングを行っていました。当時は京都に住んでいたので、観光へ金閣寺に行きたいならどのルートが最適なのかをレコメンドするようなアプリを考えて作っていました。
実際に完成して「どうやって使ってもらうのか?」どの様に予算のかけた方が良いのか分からず、ビジネスコンテストでも「どうやってマネタイズするのか?」と聞かれ、モノは作れるけどどうやってサービス化するのかは、誰も教えてくれなかったので自分で良いなと思っているサービスでも、自分でマネタイズ方法を考えられないとダメなことを知りました。
そこで新卒でリクルートに入社しました。
新しいモノを作りたく、プロジェクトでもサービスも良かったのですが、ビジネスについて、自分自身で考えられるように学びたい自分が学びたいなと思いリクルートに入社しましたが、当時は3年で辞めると言っていました。
実際には丸4年でリクルートを退社し起業した形です。
実際にリクルートで4年働いてみて自分で作ったモノ、自分が届けたいモノを一番早くユーザーに届けるにはやはり起業した方が早いと思い起業しました。
会社員から起業する不安
やはり会社員を辞める不安。起業して生活できるのか?という不安はありました。
会社員でそのまま勤め続けて上を目指すことや、フリーランスで業務委託を続けること。アーリーリタイヤして沖縄などリゾート地でスローライフを楽しみながら仕事をすることと。後はリスクを冒してでも上場を目指して自分で起業することと4パターンを考えていて、年齢的に3年後を想像すると30代になって結婚などライフスタイルが変わる可能性も高くなるので、選択できるタイミングが今しかない20代でチャレンジするというパターンを選びました。
常に何か始めるときは石橋を叩いて探るタイプなので、様々な人生の可能性を考えて、どの道に進むのか?(スローライフや会社員、業務委託はあとでもできるので)最終的に今しかできない起業を選びました。
20代と比べて、30代・40代となると確実にチャレンジし難い環境になっていくので、、20代の今だから起業の道を選ぶことで自分の作りたいモノ、ユーザーに届けたいサービスを自分の手で届ける起業を選んだと仰っていました。
何に不安を持っているのかという解像度を上げようと考えたときに、28歳で独身だったので年齢的なリスクはそこまで大きくないと考え、また、スキル面で考えると、リクルートでUI/UXやマーケも学んでい他ので、能力面で考えても失敗することはないのでは。と考え、起業に挑戦することが、今しかできない最適解であるという意思決定でした。
現在のメンバー数は何人くらいでしょうか
5月時点でメンバーは8名ですが、フリーランスのエンジニアなど、業務委託や副業の方々も含めると約50名弱の方々とIVRyの運営を行っています。
Slackで業務委託するのに不安はありませんか?
Slack上でのやりとりのみで、中には会ったことない人も居ますが、多くのメンバーがリファラルで集まってくるので、信頼できる方も多くスキルの質が高い印象です。
採用時にスキルは見ますが基本は働き方のスタンス。自由にやるためにそれぞれプロフェッショナルとしてやり切ること。長く続けるには楽しく働けること。スキルは一緒に上げていこうという形で。働き方のスタンスが重要になっています。
IVRyで働きたい、と直接応募で来てくれる方もいますが、そもそもIVRyを見つけて来てくれるリサーチ力があることが、めちゃくちゃ優秀であることを裏付けでいると思っています。笑
いま1日のスケジュールはどんな感じでしょうか
今は開発からは離れていて経営に専念していますが、1日6時間位は定例会議をしています。基本的には、メンバーとは定例会議を開くことによって、チームや組織全体のリズムを作っています。
また、定例だけではなく、クライアント様・パートナー様との打ち合わせでは、顧客課題のインサイトをヒアリングし、新しい商流の開発等、様々な新しい発見をする時間でもあります。
リモート環境について
エンジニアの中にバンドマンが居て今日大阪でライブするので行ってきます!という人も居ます。実際にはリモートとオフィスワークのハイブリッドが中心です。
でもただ、リモートワーク環境をうまく進めるためには、先にお話しした通り、自由にやるため、業務を遂行するためには、「それぞれがプロフェッショナルとしてやり切ること。」「長く楽しく働き続けること。」これは自由と責任が重要だと思います。
IVRyを初めて1年半で同社初の約3億円の資金調達を行っています。スピード感があるなと感じますがこのスケジュールは正式ローンチ時に考えていたものでしょうか?
元々、IVRyは2020年の7月くらいにα版をローンチした時の反響の高さから、今後絶対に伸びると思っていて、2012年の5月ぐらいから事業が伸び始め、その感覚は確信に変わっていた。創業当初から、中長期的には資金調達して上場を目指したいというロードマップをイメージしていました。
2021年の5月くらいにプレイド社とお話しする機会をいただいた後に、フェムトさんをご紹介いただいて、両社から資金調達をさせていただきました。
調達した資金用途としては主にマーケティングコストやプロダクト開発、採用・組織体制の強化に活用していく形になります。
奥西氏の「何か始めるときは石橋を叩いて探るタイプ」という頭の中の事業設計そのものが形になっている結果に驚きます
他のスタートアップ企業に比べかなり早い段階で信託型SOを導入した理由をお聞きしたいです
僕自身は、スタートアップの性質として、基本的には新規事業で新しい価値を生み出すのはもちろんのことですが、そこに関わることによって、株価が上がり、一緒に頑張ったメンバーがキャピタルゲインを得るということがあると思っています。
SOの良い所は、潜在株のため、顕在化するまでは、経営に関わる責任が発生しないことだと思っています。これは、従業員にとって実は良いことだと考えていて、生株を少しでも持っていると、経営に関わらなければならない人と見られる状況となります。
一方で、例えば、エンジニアリングをやりたくて入社したのに経営まで関わらなければいけなくなるので、経営とエンジニアの仕事がプレッシャーとなり、居づらくなること等もあると思います。
キャピタルゲインとしての株の価値と、経営権は分けなければいけないと。
従来のSOは、株価の価値が上がればキャピタルゲインは弱くなってしまうので、高いキャピタルゲインの箱を作っていた方が良いと思ったので、早めに導入しました。
少し話はそれますが、メンバーや従業員が経営にコミットする権利はあり、毎週事業の数字はすべて公開していて、週次でメンバー全員に伝えています。これについても、どこの指標の数字が少ないので、ここを修正していこうなどSlackや定例会議で話し合い改善しています。
最初にIVRyを営業する際、050で始まる電話番号ですが飲食店など少し年齢の高いオーナーだと抵抗感がありますか
EC業界など、050の番号を気にしない人も最近は多くなってきています。一方で、人材業界や不動産業界など、地域番号を利用することが業務上MUSTになってくるお客様も大勢いますが、その場合は、IVRy自体、地域番号と050を併用して導入できる様になっています。自動応答で対応できるような、よくある質問の一次窓口をIVRyにすることで業務効率化を図れます。
実際に使いやすいUI/UXだと感じます。
エンジニアの方はデザイン苦手な印象ですが・・・
元々は、大学院までエンジニアリングしかやってこなかったこともあり、デザインスキルは全くありませんでした。
その中で、リクルート時代に「考えなくても使えるものが良い」と言われてまさにその通りだなと。デザインはリクルートで鍛えました。
例えば、解決したい課題をエンジニアリングで解決しようとすると難しい部分も、デザインで解決すると簡単に解決できる部分も多く存在し、お客様に早く良いサービスを提供できるんじゃないかと思うようになりました。そこで、より良いものを早く作るために、自分のスキルを磨いた方が早いなと思い、学びました。
副業・起業したいという方が増えています。起業で悩んでいる方にアドバイスがあればお聞きしたいです
最初に売上について悩んでいる方が多いと思っています。この点は副業時のタイミングでお客様との繋がりを作っておくと良いのかなと。本業が忙しいから副業が・・・と思う方も多いと思いますが、起業した時の方が絶対に忙しくなるので、両方できないと起業しても辛くなってくるのかなと思っています。
副業でのつながりは、起業時の最初のお客様にもなります。
固定電話というものはこれからも重要な存在であり続けるのでしょうか?
例えばIVRyを創業した時に、信用はIVRyという法人に向かうので、絶対に電話は先に準備した方が良いと思います。実際、創業時に融資の電話が掛かって来ていたのですが無視してて融資が下りなかった。
その経験からIVRyを立ち上げた経緯もあります。電話をかける側の責任と、かかってくる側の責任もあるのでやはり電話は重要だと思います。
起業したい方は法人設立時にIVRyを導入すれば良いのでしょうか?
IVRyに登録すれば同時に050番号が発行されるので、法人設立時にそのまま使えます。現在まで050番号でなにかの審査に落ちたなどはないですね。
IVRy自体の今年の目標は何でしょうか
去年まではIVRy自体の自社集客で売上が伸びたので、今年はパートナーやプロダクトアライアンスなどで上手くできるかなと考えていて、2月にはKARTEやトレタとも連携できたので今年はもっとパートナーやプロダクトアライアンスなど伸ばしていきたいです。
■パートナーシップ
https://ivry.jp/lp/partnership/
■KARTE連携
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000056805.html
■トレタ連携
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000056805.html
プロダクト自体のアップデートも実施予定です。
IVRyで受けた音声をテキスト化して機能やアプリなども開発しています。
最後にPRを兼ねてIVRyという会社をはどの様な会社でしょうか
他の会社に比べて、最近はなにがユニークなのか?を考えていますが、「真面目な会社」なのは間違いないんですが、なんか違うなと思っています。
その中で、IVRyの会社としての個性は、やはり「仕事を楽しんでいること」なのかな?と思っています。
「自由と責任」や「プロフェッショナル」という考え方を持ちつつも、ベンチャー企業という長距離マラソンで、いかに息切れすることなく、楽しく事業を伸ばし続けられるか?についてチャレンジしていることが、IVRyという会社かな?と思います。
まとめにかえて
取材当日の電車の中でSNSを見るとIVRyを使っている「バーチャルタレントの九条林檎さんのデビュー広告」というツイートを見かけました。実際にお会いしてお話を聞いてユーザーに愛されるプロダクト、サービスは奥西氏の人柄が出ている印象でした。
ここは使いやすい、ここは使いにくいなど社内外でカジュアルに指摘しあい真摯に向き合う姿勢はまさにプロフェッショナル集団。
インタビュー前にリリースを拝見していて想像していた印象と、実際にお会いした印象の違いを確かめるのですが、奥西氏の人間性は非常に魅力的でとても和やかな方でした。筆者は奥西氏の何事においても一つ一つをしっかりと考え、見極めるチカラはスタートアップ企業の新しい形の様な気がしています。
起業するなら「電話」は必須。昔も今も電話の重要性は変わらず、会社の信用に直結します。
自社と関係ない電話には出ずに必要な電話だけ選んで出れるのは業務効率アップにも繋がります。何より大事な電話に出れます。低コストでどなたでも見やすく使いやすい「IVRy(アイブリー)」で繋がる電話は、起業を目指している方や店舗経営者など今まだ出会っていない「新しい仲間」や「仕事に繋がる」ことを応援している様に思えました。
この度はお忙しい中、インタビューありがとうございました!
IVRy(アイブリー) 代表取締役CEO 奥西 亮賀プロフィール
2015年、同志社大学大学院理工学研究科情報工学専攻(博士課程・前期)修了。同年、株式会社リクルートホールディングス(現:株式会社リクルート)に新卒入社。保険事業のUI/UXディレクタ〜プロダクトマネージャー、EC事業のプロダクトマネージャーとして、新規事業の立ち上げ〜グロース戦略の策定および実行を担当。その後、2019年3月に株式会社IVRy(旧Peoplytics)を創業し、2020年11月IVRy(アイブリー)正式リリース。2021年12月にはフェムトグロース・スリー投資事業有限責任組合、株式会社プレイドより同社初の総額約3億円の資金調達を実施している。
IVRy(アイブリー)とは
IVRy(アイブリー)は1日100円から利用できる「電話自動応答サービス」最短5分で作成できる電話DXサービスでアカウント数1300超、45都道府県、25業界以上で利用されています。人手不足の時代に自動応答、電話業務の効率化を月額3000円から始められます。飲食店や病院など対面でやりとりしている間の大切な電話、営業電話などPC・スマホ1台で振り分け対応を行う事が可能なサービスです。音声案内・SMS送信・電話転送・音声録音による、電話の自動対応が可能になっています。
サービスの特徴
IVRyは様々なシーンでの電話業務を自動化・効率化し、普段の業務オペレーションへの集中や対応工数削減を実現します。
これまで病院・クリニック、企業の代表電話・部署電話、飲食店、美容院、ECをはじめ、様々な業界・業種で幅広く利用されています。
お客様によっては、営業電話を減らすことで8割の電話削減に成功した事例や1日数万件を超えるワクチン予約の電話を自動応答で対応したり、IVRyを利用して簡易コールセンターを社内に構築し、売上500万円を超える収益化を実現した事例もあります。