TikTokといえば、10代が動画投稿を楽しむSNSというイメージが強いのではないでしょうか。数年前まではそうでしたが、最近ではさまざまなビジネスにおいてTikTokを活用したマーケティングが行われています。
この記事では、TikTokを活用したマーケティングについて解説します。
目次
TikTokの特徴
Z世代だけではない、TikTokのユーザー層
現在のTikTok利用者の平均年齢をご存知でしょうか。なんと平均年齢は36歳となっており、Z世代だけが使うSNSではなくなっていることがわかります。昨年のデータと比較すると平均年齢は1.25歳も上昇しており、今後も30代以上の利用者が参加するのではないかと予想されます。
また投稿される動画の内容にも変化が起こっています。黎明期にはダンス動画やリップシンク動画が流行りましたが、現在ではゲーム実況やペット系、お笑い、ハウツー系など様々な動画が投稿されています。その結果多くのユーザーが利用するようになっており、ユーザー層にも変化が現れています。
おすすめフィードによる拡散力の高さ
TikTokの特徴として、ファーストビュー(アプリを開いて最初に表示される画面)が「おすすめ」であることです。
どのSNSにもレコメンド機能はありますが、InstagramやX(Twitter)ではフォロー中のアカウントまたはフォロー中と関連する投稿がファーストビューに表示されます。
TikTokでは、ファーストビューが「おすすめ」となっており、ユーザーの視聴行動から高度にパーソナライズされており、フォローしていないユーザーからの投稿も含めた、ユーザーが興味を持つと推察される動画を表示しています。
そのため、より多くのユーザーの興味をひくコンテンツであれば、フォロワー数に関係なく拡散される可能性があります。
強制視聴ではない広告
デジタル広告というと、嫌悪感を抱いている消費者が多いことはご存知かと思いますが、その理由のひとつに「時間やタイミングを無視した広告」が挙げられます。TikTokもフィード内に広告がありますが、強制視聴ではありません。そのため、ユーザーが視聴したくないと思った広告は任意のタイミングでスキップすることが可能です。
そのためTikTokのフィードに掲載されたコンテンツが広告であったとしても、ユーザーがうっとうしいと感じることは少ないです。
TikTokマーケティングのポイント
TikTokマーケティングには、アカウント運用の他に、TikTok広告やインフルエンサーマーケティングがあります。TikTokを通じてマーケティング活動を行う時、どういったポイントをおさえれば良いのでしょうか。
コンテンツの面白さ
TikTokの特徴でもご紹介したように、レコメンド機能を中心にユーザーがアプリ内を回遊するような仕組みです。アルゴリズムやUI/UXからも、誰が投稿しているかより「1本の動画の面白さ」が重要視されます。
そのため、企業がSNSを通じて伝えたいことを、TikTokユーザーが面白いと思ってもらうコンテンツに変えて届ける必要があります。
ではTikTokユーザーが面白いと思うコンテンツ、TikTokらしいコンテンツとはどういったものでしょうか。TikTok公式( @tiktokforbusinessjp)に投稿されているクリエイティブを例にご紹介します。
@tiktokforbusinessjp
- 動画の表現にUGC感がある
- 課題を喚起し、自分事化させる
- ターゲットとなる人を明確にする
- トレンドを抑える
動画の表現にUGC感がある
オフィシャル感の強いアニメーションやメリットが羅列された表現よりも、「経験語り」「コント風表現」「質問風表現」のようなUGC感のあるクリエイティブの方がCTRが高くなる傾向にあります。
特に、考えられるメリットをシチュエーションに落とし込み、自然な流れの中で伝えることが効果的と言われています。
課題を喚起し、自分事化させる
サービスや商品を利用するためのリアルな課題を具体的に見せて、自分事化させることが重要です。「課題の喚起あり」と「課題の喚起なし」の動画の比較では、「課題の喚起あり」の方がCTRが高くなる傾向にあります。
ターゲットとなる人を明確にする
冒頭に「◯◯が好きな人必見」「◯◯な人を探しています」など、動画内でターゲットを特定する表現を使うことで前述の自分事化を促進させ、アクションへつなげることができます。できるだけターゲットごとにクリエイティブを作成する方がよいです。
トレンドを抑える
TikTokらしさを作るためには、TikTok内でのトレンドをおさえておく必要があります。
トレンドを取り入れることで、ユーザーに視聴してもらいやすい動画となる可能性が高まります。TikTok公式にて、その年の上半期・下半期で流行した言葉やトレンドをまとめているので、参考にするとよいでしょう。
@tiktokforbusinessjp TikTok広告で審査に落ちるのなぁぜなぁぜ?#tiktokforbusiness #マーケティング #tiktok広告 #なぁぜなぁぜ ♬ オリジナル楽曲 – TikTok for Business Japan
インフルエンサーマーケティング
タイアップ
TikTokの世界観にあったクリエイティブポイントをご紹介しましたが、いざ自社で作成するとなると、コンテンツ準備にリソースがかかることは避けられません。またTikTokを普段から使っている人が周りにいないとなると、そのハードルは更にあがってしまいます。
そこで、TikTokクリエイターとタイアップやコラボをしてクリエイティブを作成してもらう方法です。TikTokクリエイターは他SNSのインフルエンサーと比べて、おすすめフィードに表示されるような拡散力の高いコンテンツをつくることが得意な人が多く、TikTok事務所も企画からフォローアップしてくれるところが多くあります。
SparkAds
基本的にTikTokでインフルエンサーを起用した際は、タイアップ投稿だけではなく「SparkAds」と呼ばれる第三者配信(インフルエンサーが投稿したクリエイティブをそのまま広告として利用する広告メニュー)をあわせて実施します。
その背景には、キャスティング時にある程度の再生回数は予測できますが、それでもおすすめフィードに掲載されるかどうか・どの程度のユーザーに掲載されるかによって再生回数の差が激しくなりがちです。
他にも、タイアップ投稿では依頼する企業側の意図が含まれるため、ある程度はクリエイターのオリジナリティが下がってしまいます。
上記のような背景から、タイアップ投稿とSparkAdsはセットで実施されることがデフォルトです。
注意したいポイント
著作権侵害にならないようにする
TikTokで流行っているからといって、なんでも取り入れて良い訳ではありません。
特に利用する楽曲には著作権があるため、必ず注意しなければなりません。
TikTokはJASRACと包括提携をしていますので、公式に提供している楽曲であれば、問題なく動画のBGMとして音源を利用することができます。
ステマに注意
TikTokに限った話ではありませんが、ステマ(ステルスマーケティング)とならないよう気をつけなければなりません。例えば、タイアップを依頼したインフルエンサーが広告とわからないような投稿をしてしまった場合でも、罰則を受けるのは依頼した広告主側です。
既存顧客との関係構築には別場所が必要
ご紹介したように、TikTokはフォロワーがいなくても拡散力が期待できる反面、既存顧客と深いコミュニケーションをとるには向いていないSNSになります。そのためファンマーケティングに繋げたい場合は、他SNSへの誘導も考慮しておくことをおすすめします。
まとめ
いかがでしょうか。TikTokでマーケティングはすでに若者だけのSNSではなくなりつつあり、これからも様々な文化が生まれてくることでしょう。それに伴い、TikTokを活用したマーケティング施策の幅もますます広がっていきそうです。
ぜひ、TikTokマーケティング施策設計にお役立てください。