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【MMD研究所】2020年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査を実施

時計2020.05.26

更新2020.05.26

MMD研究所

MMD研究所は、情報流通支援サービスの株式会社オークネット(東京都港区、代表取締役社長:藤崎慎一郎)が運営するオークネット総合研究所と共同で、2020年3月19日~3月20日に「2020年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」を実施いたしました。対象者は日本在住の15歳~69歳の男女1,013人とアメリカ在住15歳~69歳の男女1,119人です。今回は日米の比較以外にも日本に関しては過去調査からの変化をご覧いただけます。全2回の調査リリースを予定しており、第1弾は日米モバイル端末の利用状況を、第2弾は日米の意識の違いにフォーカスを当ててご報告いたします。

【調査結果サマリー】

■ 日本の中古端末購入率6.1%、2019年より1.2ポイント増
■ 利用していた端末の処分理由、日本は「きちんとデータが消去されて安心だと思ったから」が63.6%で2019年より3.1ポイント増
■ 中古端末に期待することの上位、日本は「しっかり動作確認されている、きれいにクリーニングされている、バッテリーの消耗具合がわかる」、アメリカは「購入後すぐ使える、きれいにクリーニングされている、修理・修繕されている」と日米で差
■ 中古端末購入者の購入理由の上位、
日米ともに「新品より価格が安い、SIMフリー端末が欲しかったから」

■ 日本の中古端末購入率6.1%、2019年より1.2ポイント増

日本在住の15歳~69歳の男女(n=1,013)とアメリカ在住15歳~69歳の男女(n=1,119)に対して、現在メイン利用している携帯電話端末を聞いたところ、日本のスマートフォン利用率は87.4%、アメリカのスマートフォン利用率は94.9%となり、その差は7.5ポイントとなった。
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MMD研究所 2020年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査
スマートフォン・携帯電話を所有している日本在住の15歳~69歳の男女(n=980)とアメリカ在住15歳~69歳の男女(n=1,092)に対して、現在利用している端末の購入・入手方法を聞いたところ、「新品の端末を購入した」という割合は、日本で91.0%、アメリカでは79.9%であった。中古端末(修理・整備された中古端末を含む)の購入割合は、日本は6.1%、アメリカは10.4%となった。また、日本の中古端末割合に関しては、2016年4月に行った調査の1.8%から4.3ポイントアップするという結果になった。
MMD研究所 2020年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査
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MMD研究所 2020年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査

■ 利用していた端末の処分理由、日本は「きちんとデータが消去されて安心だと思ったから」が63.6%で2019年より3.1ポイント増

スマートフォン・携帯電話を所有している日本在住の15歳~69歳の男女(n=980)に以前利用していた端末の処分方法について聞いたところ、「自宅保管」が最も多く60.0%、「キャリア下取り」が20.7%、「中古買取店へ売却」が5.6%となった。2019年3月の同様の調査と比較すると、「キャリアの下取り」は1.6ポイント増、「廃棄業者で処分した」が1.0ポイント増となった。
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MMD研究所 2020年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査
同様の質問をアメリカ在住15歳~69歳の男女(n=1,092)に対して行ったところ、「自宅保管」が最も多く47.7%、次いで「キャリア下取り」が19.0%、「家族・友人に譲った」が11.6%と日本より多く9.6ポイントの差があった。
MMD研究所 2020年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査
続いて、以前利用していた携帯電話・スマートフォン端末を売却したと回答した日本の男女(n=269)とアメリカ在住の男女(n=276)に端末の処分理由について「処分した際に得られる金額が高いから」「処分が簡単だから」「きちんとデータが消去されて安心だと思ったから」の3つの理由があてはまるかを5段階にわけて聞いたところ、あてはまる、ややあてはまるを合わせると、日本では「処分した際に得られる金額が高いから」が58.7%、アメリカは41.3%となり、「処分が簡単だから」は日本は75.5%、アメリカは71.7%、「きちんとデータが消去されて安心だと思ったから」は日本では63.6%、アメリカでは77.2%となった。
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MMD研究所 2020年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査

■ 中古端末に期待することの上位、日本は「しっかり動作確認されている、きれいにクリーニングされている、バッテリーの消耗具合がわかる」、アメリカは「購入後すぐ使える、きれいにクリーニングされている、修理・修繕されている」と日米で差

日本在住の15歳~69歳の男女(n=1,013)とアメリカ在住15歳~69歳の男女(n=1,119)に、スマートフォン・携帯電話の中古端末に期待することを聞いたところ、日本で最も多い回答は「しっかり動作確認されている」が30.4%と最も多く、次いで「きれいにクリーニングされている」が24.9%、「バッテリーの消耗具合がわかる」が21.6%となった。
アメリカで最も多かった回答は「購入後すぐ使える」が40.4%と最も多く、次いで「きれいにクリーニングされている」が36.5%、「修理・修繕されている」が29.2%となった。
「中古端末に期待することはない」という回答は日本では25.9%、アメリカでは6.3%となり日米での中古に対する期待度が19.6ポイント差があることがわかった。
MMD研究所 2020年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査

■ 中古端末購入者の購入理由の上位、日米ともに「新品より価格が安い、SIMフリー端末が欲しかったから」

中古端末を購入したと回答した日本在住の15歳~69歳の男女(n=60)に中古端末を購入した理由を聞いたところ、日本では「新品より価格が安いから」が33.3%と最も多く、次いで「SIMフリー端末が欲しかったから」が13.3%となり、2019年3月の同様の調査と比較すると「SIMフリー端末が欲しかったから」が5.1%から13.3%と8.2ポイント増えていることがわかった。
MMD研究所 2020年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査
同様の質問をアメリカ在住の男女(n=114)に対して行ったところ、一方アメリカでは「新品より価格が安いから」が27.2%と最も多く、次いで「SIMフリー端末が欲しかったから」が14.0%、「格安SIMでキャリアの最新端末を使いたいから」が11.4%となり日米で中古端末購入に対する理由が異なることがわかった。
MMD研究所 2020年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査
※本調査レポートは小数点以下任意の桁を四捨五入して表記しているため、積み上げ計算すると誤差がでる場合があります。
※回答者の属性は会員登録後に無料レポートよりご確認いただけます。

【モバイル研究家 木暮 祐一先生からのコメント】

「分離プラン義務化は今後の中古端末流通活性化に寄与していく」
世界のあらゆる国々に普及を果たしたスマホは、当然のことながらその国の経済状況や通信事業をめぐるビジネス環境に違いによって、国ごとに市場動向は大きく異なっている。そうした中で、日米は通信事業のスタイルが非常に類似しており、その差異を見ていくとビジネス上のヒントが多い。中古端末市場の日米比較を見ていくと、わが国では依然として新品端末の購入意向が高く、中古端末の購入意向は低い状況にある。言い換えれば、わが国の中古市場は米国並みに拡大できるチャンスを秘めている。
とくに、わが国では昨年10月から施行された、いわゆる「分離プランの義務化」が盛り込まれた改正電気通信事業法によって、新品端末の販売環境は世界に足並みを揃えることになった。すなわち新品端末の購入時に大きな値引きが禁止されたことにより、端末価格は世界と足並みを揃えることになった。
今回のアンケート調査の結果に沿って考察していきたい。まず端末を手放す側の視点から見てみると、通信キャリアの下取りサービスの利用者は20.7%(昨年比+1.6ポイント)、買取店での買取が5.6%(昨年比-1.8ポイント)と推移している一方で、60.0%のユーザーが依然として端末を自宅保管したままにしている(昨年比-0.8ポイント)。依然としてまだ大半のユーザーが使用後も端末を手放すことなく自宅に保管している状況にある。
分離プランの義務化によって新品端末の値引きが少なくなっているが、これは今後中古端末価格の相場も上昇していくと考えられている。同時に、端末買取価格も引き上げられていくだろう。
ユーザーは昨秋までは通信事業者の販売施策により新品端末を安価に購入できる環境があったため、多くのユーザーは中古端末に関心を持っていなかったであろうし、使用していた端末が従来よりもよい条件で高価買取してもらえる環境が整いつつあることもまだまだ認知していないと考える。
日本のユーザーはスマホを大切に使う傾向があり、スマホのケースやカバー、保護フィルムなどを積極的に活用し端末を保護している。こうした中古端末の品質の高さは、世界のユーザーからも高く評価されているほどである。丁寧に扱われた端末は買取時の査定でも好条件となり、使用済みとなった端末を自宅に眠らせておくよりも上手に手放したほうが良いと考えるユーザーは今後増えていくであろう。
一方、端末を購入する側の観点から見ていくと、徐々にではあるが中古端末を購入するユーザーが増えてきている。とはいえ、新品端末91.0%(昨年比-2.1ポイント)に対して、中古端末は6.1%(昨年比1.2ポイント)に過ぎない。中古端末に期待することとして、「しっかり動作確認されている」「きれいにクリーニングされている」「バッテリーの消耗具合がわかる」が上位にランキングされている。
大手事業者で流通・販売されている中古端末はデータ消去や端末の点検整備、クリーニングなどが徹底され、安心して購入できる商品になっている。分離プラン義務化に合わせて、業界団体のリユースモバイル・ジャパンが関係省庁とも連携し中古端末取扱いに係るガイドラインを策定し、また事業者の認証を行うなどして中古端末流通の健全化に向けて動いている。わが国においてもユーザーが安心して端末を買取に出せ、中古端末を購入できる環境が整ってきている。こうした実情がより多くのユーザーに認知されていくことで、わが国における中古端末流通はさらに活性化していくものと考えている。

モバイル研究家 木暮 祐一

モバイル研究家 木暮 祐一
1967年、東京都生まれ。黎明期からの携帯電話業界動向をウォッチし、2000年に(株)アスキーにて携帯電話情報サイト『携帯24』を立ち上げ同Web編集長。コンテンツ業界を経て2004年独立。2007年、「携帯電話の遠隔医療応用に関する研究」に携わり徳島大学大学院工学研究科を修了、博士(工学)。スマートフォンの医療・ヘルスケア分野への応用をはじめ、ICTの地域社会での活用に関わる研究に従事。モバイル学会理事/副会長、ITヘルスケア学会理事。近著に『メディア技術史』(共著、北樹出版)など。1000台を超えるケータイのコレクションも保有している。

注意事項


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※データの利用、引用可否、調査データのついてのお問い合わせはMMD研究所まで必ずご連絡ください。

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