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DACとP1、アドフラウド対策の強化として日本の事業者で初めてIAB Tech Labの標準技術に対応

時計2019.09.11

更新2019.09.11

デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社

~SSP「YIELDONE」が「SupplyChain object」と「sellers.json」を導入~

デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長CEO:島田雅也、以下 DAC)とDACの連結子会社である株式会社プラットフォーム・ワン(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:豊福直紀、以下 P1)は、デジタル広告の透明性向上を目的に、両社が開発・提供するSSP「YIELDONE」において、IAB Tech Labがアドフラウド(広告詐欺)への対応強化のために2019年7月に公開したグローバルの標準技術「SupplyChain object」および「sellers.json」(※1)に日本の事業者として初めて対応します。

背景

近年、デジタル広告の主流となっている運用型広告では、広告取引のすべての経路を確認する方法がないことから、取引に関わる事業者(SSPやアドネットワークなど)のうち、一部の悪意のある事業者がサイトドメインに関する情報を改ざんし、不正に広告費を詐取するドメイン詐称が問題化しています。

広告取引の透明性確保の手段としては、これまで「ads.txt」(※2)がありました。しかし、昨今の運用型広告は取引形態が複雑化し、媒体社と広告主・広告会社の間に複数の販売事業者が関わっているケースも多く、「ads.txt」での照合だけでは中間の取引経路が確認できないため、悪意ある中間事業者が不正をしていた場合、検知できないのが現状です。

デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社

取り組みの概要

DACとP1は「ads.txt」の自社導入ならびに国内普及をはじめ、これまでさまざまなアドフラウド対策に取り組んできましたが、新たに出てきたこのような課題に対応するため、このたびSSP「YIELDONE」にIAB Tech Labの標準技術である「SupplyChain object」と「sellers.json」を追加導入し、一層の対応強化を図ります。

「SupplyChain object」は、当該の広告取引に関与したすべての媒体社・事業者(SSP・アドネットワークなど)を網羅的に記録する仕組みです。広告枠を購入したい広告主・広告会社(DSP)は、事業者から送信された入札リクエスト(※3)に含まれる「SupplyChain object」を参照することで、取引開始から完了までに関与した全事業者(中間事業者を含む)の履歴を確認することができます。

また、「sellers.json」は、各事業者が認証した仕入れ元(媒体社・事業者)の情報をJSON形式(※4)で記載したファイルのことです。広告主・広告会社は、各事業者が開示するこのファイルにアクセスすることで、直接取引した事業者のみならず、それ以前の取引に関与した事業者を仕入れた順序でたどっていくことができます。

「ads.txt」に、この2つの技術が加わることで、広告主・広告会社は、「SupplyChain object」(当該取引に関与した全事業者の履歴)、「sellers.json」(各事業者が認証した仕入れ元の事業者リスト)、「ads.txt」 (媒体社が広告販売の委託先に認定した事業者リスト)の3つを照合することができるようになり、これまでは見えていなかった中間の取引経路を含む、取引の一連の経路をすべて確認できるため、不正取引があった場合、検知することが可能となります。

デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社

なお、本取り組みにおいては、「YIELDONE」だけではなく、広告取引に関わる事業者すべてが「SupplyChain object」、「sellers.json」、「ads.txt」を導入することで、全取引が適切であることが確認できるようになります。このように広告取引の透明性確保は、1事業者の取り組みで成し得るものではなく、全事業者が対策を講じることで不正取引に対処でき、ひいてはデジタル広告のサプライチェーン全体の信頼性を向上することにつながります。

DACとP1は今後も、アドフラウド対策をはじめ、運用型広告における課題に対して業界に先立ち取り組むことで、デジタル広告市場の健全化と発展に貢献してまいります。また、広告主・広告会社・媒体社の多様なニーズに迅速に対応して収益化支援を強化すべく、IAB Tech Labとの連携などを通じて、SSP「YIELDONE」やDSP「MarketOne®」に最新のグローバル標準規格やテクノロジーを導入していくことで、サービスの向上と拡充に努めてまいります。

(※1)2019年7月31日IAB Tech Labリリース『SELLERS.JSON AND SUPPLYCHAIN OBJECT READY FOR INDUSTRY ADOPTION』https://iabtechlab.com/blog/sellers-json-and-supplychain-object-ready-for-industry-adoption/
(※2)媒体社が広告販売の委託先に認定した事業者名を明記したテキストファイル。その媒体社の広告枠を購入したい広告主・広告会社(DSP)は直接取引のあった事業者名と「ads.txt」を照合することで、適切な事業者との取引であったかを判別できる。IAB標準技術。
2017年9月8日リリース『SSP「YIELDONE」利用媒体社への「ads.txt」設定支援を開始』
https://www.dac.co.jp/press/2017/20170908_adstxt
2017年12月5日リリース『DSP「MarketOne®」、「ads.txt」に応じた広告入札へ対応』https://www.dac.co.jp/press/2017/20171205_mone_adstxt
(※3)SSPからDSPに送信されるリクエスト(=BidRequest)。広告枠やユーザなど、DSPが入札判断を行うのに必要な情報が含まれる。
(※4)JSONはJavaScript Object Notationの略で、XMLなどと同様のテキストベースのデータフォーマットを指す。

関連リンク

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