
2026.04.14
2026.04.14
目次
検索や広告だけでは、もはや消費者は動かない。いま必要なのは、購買行動の裏側にある「消費者インサイト」を立体的に捉えることです。
株式会社シードは、1,022人を対象に「購買行動における情報接点と信頼度」に関する調査を実施しました。
その結果、令和の消費者は、企業の広告や検索結果をそのまま受け取って買うのではなく、レビュー、SNS、ECモール、公式サイト、リアル店舗までを横断しながら、自分で比較・確認し、納得してから購入している実態が明らかになりました。
検索は依然として重要な入口である一方、情報収集はもはや検索一辺倒ではなく、購買判断では高評価レビューだけでなく低評価レビューまで読み込まれています。さらに、SNSやインフルエンサーは認知や関心喚起には機能する一方で、最終的に強く信頼されるのは、身近な他者の声でした。
こうした結果から見えてくるのは、いま問われているのが、単に情報を届けることではなく、比較され、確認されることを前提に、いかに納得して選ばれる状態を設計できているかだということです。
デジマ部への掲載記事には、本プレスリリースには未掲載の詳細な考察を公開しています。
URL: https://www.seedinc.jp/column/marketing/purchase-trends-2026/
・情報収集の入口は、検索エンジンだけでなくECモール、SNS・動画、公式サイト、生成AIへと分散している
・オンライン購入の主戦場はECモールであり、公式サイトは「購入の場」より「確認の場」としての役割が強い
・ユーザーレビューは高評価だけでなく低評価まで読まれ、消費者は“失敗しないこと”を重視して購買判断している
・SNSやインフルエンサーは関心喚起に機能する一方、最終的な信頼は身近な人の声に集まっている
商品について調べる際に最初に利用するアプリ・サイトを聞いた設問では、「検索エンジン」が32.7%で最多でした。一方で、ECモール23.9%、SNS・動画サイト15.5%、公式サイト・公式アプリ12.9%、生成AI・AI検索6.5%へと広がっており、情報収集の入口は明確に分散しています。
検索エンジンの重要性が失われたというより、検索が唯一の入口ではなくなり、消費者が目的や気分に応じて複数の入口を使い分けていると見るべきでしょう。

オンラインで購入したことがあるチャネルでは、ECモールが73.9%で突出しましたが、メーカー・ブランドの公式サイトも38.6%と一定の接点を持っており、消費者が商品購入時に公式サイトを訪れる機会自体は決して少なくありません。

しかし、「最もよく利用する購入チャネル」となると構図は大きく変わります。
ECモールは63.8%と高水準を維持する一方、公式サイトは9.0%にとどまります。つまり、公式サイトは購入経験のある接点にはなっていても、日常的に使われる購入の場としては定着しにくいことがわかります。

この結果は、公式サイトが不要になったことを示しているのではありません。むしろ、公式サイトは情報確認やブランド理解の場として機能する一方、日常的な購入の場としては、比較のしやすさ、レビューの蓄積、決済や配送のスムーズさを備えたECモールに優位性があることを示しています。言い換えれば、公式サイトは「訪問される場」ではあっても、「最も使われる購入の場」にはなりにくい。ここに、いまのEC環境における役割の違いが表れています。
ECサイトや比較サイトのユーザーレビューについては、「ある程度信頼している」が61.0%、「とても信頼している」が11.4%で、合計7割超が一定以上信頼していました。
まず押さえておきたいのは、レビュー自体がすでに広く信頼されているという点です。レビューは一部の慎重な人だけが見る特殊な情報ではなく、多くの生活者にとって購買判断の前提になっています。

さらに、商品レビューを見る際に意識してチェックするものでは、「高評価・低評価の両方をバランスよく読む」が47.1%で最多となり、「低評価レビューを中心に読む」21.6%は、「高評価レビューを中心に読む」21.4%をわずかに上回っています。
生活者は、高評価を見て背中を押してもらうためだけにレビューを読んでいるのではありません。低評価まで読み込みながら、自分にとってのリスクや不一致がどこにあるのかを確認し、失敗しない買い物をしようとしているのです。レビューは、もはや補足情報ではなく、購買前の不安を下げるための判断インフラになっています。

商品購入前の情報収集において、SNSや動画プラットフォームの存在感は確実に高まっています。
ただし、ここで重要なのは、SNSやインフルエンサーがそのまま最終的な信頼の置き場になっているわけではないということです。情報収集の場としては機能していても、購買判断の最終局面では、別の基準で信頼先が選ばれています。
実際に、最終的に信頼する相手としては、「身近な友人・知人の情報」が42.5%で最多となり、「SNS上のインフルエンサーの情報」は12.0%にとどまりました。
インフルエンサーは認知や関心喚起には機能しても、最後の信頼の置き場としては、なお身近な他者の声が強いことがわかります。

今回の調査を通して見えてきたのは、消費者が以前より厳しくなったというより、購買判断の仕方そのものを高度化させているということです。
検索し、SNSを見て、レビューを読み、必要があればリアル店舗で実物を確認したうえで、それでも最後は自分で比較し、自分で納得してから買う。この行動は、個別の設問をまたいで一貫して見られました。
だからこそ、これからのマーケティングに必要なのは、広告、SEO、SNS、レビュー、EC、公式サイトを個別に最適化することだけではありません。比較され、確認されることを前提に、その一連の流れを途切れさせずに設計できているか。そこが勝敗を分けるポイントになります。
レビューを読まれ、低評価も見られ、広告であることも見抜かれたうえで、それでも「ここなら大丈夫だ」と思ってもらえるか。そこに、これからの企業の価値があります。
※本調査結果の引用・転載について
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URL:記事URL:https://www.seedinc.jp/column/marketing/purchase-trends-2026/