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STP分析とは?やり方や指標・BtoBでのポイント・マーケティングでの重要性を解説

時計2022.12.06

更新2023.05.22

編集者 SYNCAD編集部

STP分析とは?指標やBtoBでのやり方・マーケティングで重要な理由を解説

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SYNCAD(シンクアド)編集部

  SYNCAD編集部

SYNCAD(シンクアド)編集部。Web広告やデジタルマーケティング、セミナー情報などマーケティング業界の最新情報からマーケを学びたい人に向けに業界情報をお届けしています。

マーケティングにおける分析のやり方の1つに「STP分析」があります。製品・サービスの開発や展開を考える際に参考になるやり方です。

この記事ではSTP分析を行うメリットや具体的なやり方、使われる指標を解説します。

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STP分析とは

STP分析は、マーケティング分析のやり方の1つです。近代マーケティングの父と言われるアメリカの経営学者フィリップ・コトラー氏が提唱したマーケティング分析のやり方の1つとしても知られています。

セグメンテーション(Segmentation)、ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)の3つのステップで市場の把握と自社の立ち位置を明確にします。

  • セグメンテーション:市場の細分化
  • ターゲティング:狙う市場の選定
  • ポジショニング:市場内での自社の立ち位置の明確化

STP分析をする目的・メリット

市場・ターゲット・ニーズの整理(S)

セグメンテーション(S)は、顧客の特徴やニーズなど共通する項目で市場を細分化し、競合と自社の立ち位置を整理するための事前準備として行います。

市場の細分化・可視化されることで各セグメント毎のターゲットやニーズの把握、各セグメントにどのような競合他社がいるのかといった情報の把握がしやすくなります。

自社の立ち位置・勝てる市場の特定(T)

ターゲティング(T)は、セグメント化した市場から自社が狙う領域の選定や勝てる領域・属しているセグメントを特定する目的で行います。

セグメントを可視化することで自社が狙うべきセグメントの特定が容易になります。他社との関係性・競合になり得るかといった詳細分析が可能になり、勝てる市場を特定しやすくなります。

競合との差別化戦略を立てやすい(P)

ポジショニング(P)は、決定したセグメントにおける自社の立ち位置の確認・決定を目的に行います。

狙ったセグメントに特化することで競合の分析が容易になり、自社の強みの再認識、差別化戦略が立てやすくなります。また、ニーズがあるにも関わらずどの競合も対策をしていないようなサービスや戦略を探しやすくなります。

STP分析におけるセグメンテーションとは

セグメンテーションは市場を共通の行動やニーズを持つセグメントから細分化することをいいます。セグメンテーションで使用される主な指標は以下の4つです。

セグメンテーションの主な指標

  1. デモグラフィック(人口統計的属性)
    デモグラフィックは、年齢・性別・居住地域・学歴・職業・所得・家族構成などの人口統計学的属性を基にした指標です。
    商品であれば「どんな人が買うのか」を表すのがデモグラフィックです。
  2. ジオグラフィック(地理的属性)
    ジオグラフィックは、国・市町村・気候・文化・宗教など、地理的要因を基にした指標です。
    例えば、都市部か否かや地域の習慣に左右されるもの、気候が売れ行きに影響を及ぼすサービスである場合などに使われます。
  3. サイコグラフィック(心理的属性)
    サイコグラフィックは、性格や価値観・ライフスタイル・習慣・嗜好など消費者(顧客)の心理的情報で分類する指標です。
    デモグラフィックが「どんな人が買うのか(購買者の属性)」であるのに対し、「なぜ買うのか(購買に至る心理・背景)」で分類するがサイコグラフィックです。
  4. ビヘイビアル(行動属性)
    ビヘイアビルは、顧客が過去に商品やサービスに対してとった行動や知識の程度を基にした分類指標です。
    例えば「リピーターで商品をよく理解している顧客か/認知はしているが理解度は低い顧客」「毎日・毎週など高頻度で利用している/特定の季節のみ利用している」といったものです。

STP分析におけるターゲティングとは

セグメンテーションで分類したセグメントから、狙うターゲットを決めます。
ターゲティングには3つの種類と、ターゲット選定の判断基準となる6つの指標があります。

【ターゲティングの種類

  • 無差別型ターゲティング(マーケティング)

「無差別型マーケティング」とは、年齢や性別、関心などで商品を変えることなく、単一の商品を無差別に、大量に市場に出す戦略です。
市場を細分化してみても、実際にどの市場の顧客も同じ商品を欲しがる、という場合には「無差別型マーケティング」が可能になります。
この場合には、細分化された市場の違いよりも、共通するものに注目して考えていきます。効率よくマーケティングできる、というのが「無差別型マーケティング」のメリットです。
この考え方は、典型的なマス・マーケティングの考え方であり、消費者のニーズが多様化した現代では難しくなっています。

  • 差別型ターゲティング(マーケティング)

「差別型マーケティング」は、細分化した複数の市場に、それぞれの市場向きの商品を投入する戦略です。
それぞれの市場に、それぞれ別の商品を提供していくイメージです。複数の市場を対象として、複数の商品を開発・提供していきます。
例えばテニスラケット製品では、プロ向けテニスラケット、趣味向けテニスラケット、中高生向けテニスラケット、小学生向けテニスラケット、幼児向けテニスラケット、などとターゲット別の商品を提供します。
理論的には、最も適切なマーケティング戦略です。しかし、複数の市場や商品に対応していくためには、広告費や管理費など多くのコストがかかります。
どのくらいの数の市場を対象にすべきかは、コストが見合うかどうかを検討しながら、慎重に決めていく必要があります。
資金や人材が豊富でないと、どの市場も中途半端になりやすいため、大企業向けの戦略といえます。

  • 集中型ターゲティング(マーケティング)

「集中型マーケティング」は、1つ(もしくは少数)の市場を選び、その市場に最も適した商品を集中して投入するという戦略です。
特定の市場に限定する代わりに、消費者のニーズや好み、特性をリサーチして、商品をとことん磨きぬいていきます。
その市場や商品に関しては、どの企業にも負けないという状態になれば、他企業も参入ができす、高いシェアを実現できる可能性があります。
経営資源が限られている中小企業は、「集中型マーケティング」が望ましいと言えます。経営資源が限られていても、市場や商品を特定して注力することにより、高い利益効率を得られる場合もあります。
ただし、市場を1つに絞るため、どの市場をターゲットにすべきなのかは、慎重に検討する必要があります。

ターゲティング指標:6R

  • Realistic scale(有効な市場規模)

市場の規模を表す指標です。市場が大きすぎて競合過多となることも問題ですが、市場規模が小さすぎる場合は製品・サービスの需要の増加が見込めず、将来的に事業の継続難しくなる可能性があります。

  • Rank/Ripple Effect(顧客の優先順位/波及効果)

展開するサービスや製品が、顧客にとって優先順位や関心の高いものであるかを判断する指標です。ターゲット層の興味関心が高いものほど口コミサイトやSNSでの拡散など波及効果が大きくなるため、サービス開発やマーケティングの優先順位が高くなります。

  • Rate of growth(成長率)

参入する市場の成長見込みを確認する指標です。これから成長が見込める市場の場合は事業拡大や利益増が期待でき、将来性によっては国の後押しがある可能性もあります。反対に、既に成熟している市場や衰退傾向にある市場では、成長や事業拡大の可能性が低くなります。

  • Rival(競合)

競合の状況を把握する指標です。「競合の数」「強力な競合の有無」「業界内のシェア率」といったことを調査します。
既に強力な競合が存在する場合は、商品・サービスの認知・売れるまでに時間を要する可能性が高く、難易度が高まります。参入する際はシェア率の高い競合の特徴などを分析し、自社独自の強みが無いかを洗い出す必要があるでしょう。反対に、競合がいない場合には「競合がいない理由」を調べる必要があります。

  • Reach(到達可能性)

狙ったターゲットに到達(アプローチ)出来るかを判断する指標です。顧客にアプローチ可能な製品やサービスの有無・新たなサービスの考案が可能か・適したアプローチ方法はどういったものか、等から実現可能性を判断します。例えば、地理的要因でアプローチが難しくないか、など顧客に届くかを事前に確認しておかなければなりません。

  • Response(測定可能性)

行ったマーケティング施策やサービス展開について、ターゲット層への到達度や反応が測定可能なものであるかを確認する指標です。
効果測定が出来なければ、改善が必要な箇所や上手く行った要因がわかりません。反対に、分析が可能であれば改善までのPDCAサイクルを回すことが容易であり、新たな施策や新サービス展開に繋がります。

STP分析におけるポジショニングとは

ポジショニングは、自社の製品・サービスの優位点やユニークさを顧客に示すこと・認知してもらうこと、またそのための戦略です。競合との差別化自体も大事ですが、違いやユニークさが顧客の中にイメージ付けされることが重要になります

ポジショニングを考える際は、「ポジショニングマップ」を作成すると競合との違いや優位点が可視化され判断しやすくなります。ポジショニングの方法は以下の記事をご覧ください。

STP分析をBtoBで行う際のポイント

BtoCと異なるセグメンテーション

市場を細分化するセグメンテーション(S)において、BtoBとBtoCでは分類項目が異なります。
顧客が個人であるBtoCでは個人の属性や性格から分類しますが、BtoBの場合はさらに企業の性質(性格)によって分類する必要があります。

STP分析をBtoBで行う際のセグメンテーション指標

BtoBでSTP分析を行う際に必要なセグメンテーションは以下の5つです。

  • 企業規模

主に従業員数や売上高によって分類し、どの程度の規模の企業をターゲットにするかを判断します。企業規模によってサービスの提供内容や料金が異なります。

  • 業界

業界によって働き方や求めるもの・必要とされるサービスが異なります。自社製品・サービスがどの業界のニーズとマッチするのか、またはどの業界に向けたサービス展開をするかといったことに関係します。

  • 社風

前衛的な企業・伝統を重んじる企業・トップダウン・風通しが良い、など企業の雰囲気によって分類を行います。企業の性格と自社サービス・製品との相性によって製品購入の可能性有無が変わります。

  • 決裁権限の有無

BtoCの場合は消費者1人の意思で購入されますが、企業の場合は購入・契約に至るまで複数人を介することがあります。決裁者と製品担当者ではアプローチ方法が異なります。

  • 購入歴

自社のサービスの類似サービスや商品を、利用したことがあるか否かによって分類する項目です。利用履歴のない企業の場合は新規導入の可能性がありますし、類似サービスの利用経験がある場合は「優位点」や「現サービスで抱えている課題の解消」といった理由で導入してもらえる可能性があります。

まとめ

STP分析は「市場戦隊の把握」「自社と他社の立ち位置の確認」「自社サービスの優位性・特徴と顧客ニーズの可視化」によって、効果的なターゲット選定やマーケティング施策を打ち出すことが出来るフレームワークです。

事前の分析は重要ですが、分析や手法に囚われすぎず「顧客目線」を忘れないことが大切です。ビジネス展開を考える1つの道筋として、STP分析を取り入れてみましょう。

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