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スマートドライブの事業開発担当が語る。モビリティデータを活用したエンゲージメントの向上とは。

時計2020.10.05

更新2022.04.25

インタビュー第6弾、スマートドライブ、手嶋 彰

株式会社スマートドライブ

Web広告・マーケティングのいまをお届けするSYNCAD(シンクアド)インタビュー第6弾は、現在、株式会社スマートドライブにて海外事業と、PMM(プロダクトマーケティングマネージャー)チームを兼務している手嶋 彰氏に寄稿いただきました。

Web広告・マーケティングのいまをお届けするsyncAD(シンクアド)インタビュー第6弾は、現在、株式会社スマートドライブにて海外事業と、PMM(プロダクトマーケティングマネージャー)チームを兼務している手嶋 彰氏に寄稿いただきました。

ここ数年、マーケティング界隈では「エンゲージメント」について語られることが増えてきています。そして、顧客や見込顧客に対してのエンゲージメントだけではなく、従業員に対してもエンゲージメントが重要だとも言われいます。

本記事は、まずは弊社の事業やサービスの全体像について整理した上で、モビリティデータを活用しながらドライバーエンゲージメントを高めるSmartDriveCarsのサービスの詳細や今後の展望についてご紹介いたします。

自己紹介

スマートドライブにて海外事業と、PMM(プロダクトマーケティングマネージャー)チームを兼務している手嶋と申します。前職は大手SIer企業にて営業をメインに担当しておりました。また、シンガポールに3年間出向していた時期もあり、ASEAN向けのクラウドサービスの立ち上げや、ASEANリージョンのリージョナルセールスとして日系企業向けの営業を担当しておりました。

スマートドライブでは、本来であれば今頃マレーシア拠点で事業開発を担当している予定でしたが、コロナの影響もあり海外事業は日本からサポートしております。日本にいる間はPMMチームも兼務をして、セールスとエンジニアのチームを繋ぎ、会社の今後のソリューションの方針などの作成や実際のPJの支援をしております。

スマートドライブ、手嶋 彰

スマートドライブとは

私たちスマートドライブは「移動の進化を後押しする」というビジョンを掲げてモビリティに関連するビジネスを展開しており、大きくデータインプット、データプラットフォーム、データアウトプットの3つのレイヤーでビジネスを展開しています。

データインプット部分でGPSや加速度などの運転データを車から取得し、そのデータを全て弊社のプラットフォームに保管をしております。データについては保管をしていくだけでは意味がないので、ここからアウトプット用のサービスやデータ分析に活用できるように加工をして弊社で提供をしている各種サービスやお客様が持っているデータと掛け合わせた分析ができるようにします。

現時点で弊社で提供しているアウトプットのサービスは、車両管理をするためのSmartDrive Fleet、ドライバーエンゲージメントを高めつつ安全運転を促進するSmartDrive Cars、家族が危険な運転をしていないか見守るためのSmartDriveFamiliesの3種類があります。今回は2つ目のSmartDrive Carsを中心にご紹介を致します。

スマートドライブとは

SmartDrive Carsとは?

SmartDrive Carsは、弊社のデバイスをつけて安全運転をするとポイントをもらうことができ、そのポイントが一定数貯まるとギフトに交換することができるサービスです。
デバイスからはGPSデータや加速度のデータを取得しており、そのデータを元に弊社独自のアルゴリズムで急発進、急停車、急ハンドルを判定して安全運転診断スコアを算出しています。スコアが80点以上だった場合に翌日に10ポイントが付与され、ポイントがたまるとコンビニのコーヒーと交換ができるクーポンなどと交換をすることができます。

商品については弊社で標準でご用意しているものも使えますし、お客様が独自で自社グループのクーポンを掲載して自社商品の利用を促進することも可能です。
ドライバーの人たちは安全運転をすればするほど対価としてベネフィットを得ることができるので、自発的に運転、かつ安全運転をしようと思ってもらえるサービスとなっております。

スマートドライブ、SmartDrive Carsとは?

ドライバーエンゲージメントの重要性

なぜドライバーエンゲージメントが重要なのでしょうか?弊社のSmartDrive Fleetというサービスも同じようにデバイスを取り付けて運転データを元に車両管理を実現するためのサービスです。車がどこを走っているか、車の稼働率、動産管理や業務記録の管理などが可能なのですが、主には社用車を対象に管理者の方をサポートするためのサービスです。

その場合、どうしてもドライバーからすると常に監視されているという意識を持ってしまい、都合の悪い時にはわざと自分でデバイスを外してしまうようなケースも散見されます。そのようなケースでは単純にドライバーの監視をするだけではなく、このSmartDrive Carsを併用することで、ドライバーにもベネフィットを与えつつ、管理者の方もモニタリングをすることが可能となります。

また、その他のケースとして、カーディーラーや保険会社の方にも利用をしていただいています。車や保険については、商品を販売した後お客様と次の接点を持つのが更新時や何か問題が発生したタイミングとなってしまいます。お客様が自社の商品をどのように使っているか、次回更新をする意向があるのかなどがわからないため、知らない間に他社の商品に乗り換えてしまっていたということが起こります。
その対策ととして、このSmartDriveCarsを活用することも可能です。自社の製品といっしょにデバイスとこのサービスを提供して利用をしてもらうことで、顧客エンゲージメントを高めつつお客様の状況を把握することができるようになります。

さらには特定のユーザーに通知をするという機能もあるため、例えば走行距離が50,000km以上の顧客にメンテナンスの案内を通知する、新製品の販売が開始した際にロイヤルカスタマーに対してお知らせをして、新規購入や更新時以外にも関係を持ったりマーケティング用に利用することが可能です。ユーザーの運転データも活用することができますので、保険会社とは安全運転のユーザーに対しては保険料を下げるテレマティクス保険の開発も進めています。

ドライバーエンゲージメントの重要性

マレーシアへの展開

冒頭で述べた通り、私は本来マレーシアでの事業開発を実施する予定でした。結局まだマレーシアには行けずに日本で勤務をしているのですが、既に現地にはコロナ前に日本人が1人赴任をしており、ローカルのメンバーも3人雇い事業を開始しています。
東南アジア全般に言えることですが、交通事故が非常に多く、一般道でも日本よりもかなりのスピードで走る車が多いです。

マレーシアでは電車やバスなどの公共交通機関はあるものの、まだ利便性に欠けるところもあり、ほとんどの従業員の方たちは自家用車で通勤をしており、通勤の際に交通事故に遭うこともことも多く死亡事故に発展するケースもあります。企業としては事故が起こった時の対応に追われたり、大事な従業員を失ってしまうリスクを常に抱えています。

スマートドライブ、マレーシアへの展開

さらに、マレーシアは日本に比べて非常に転職率が高く、2−3年で次の職場へ転々と移っていく人が数多くいます。トレーニングをしてやっと一人前になったと思ったら転職してしまうと言うケースもざらにあります。

スマートドライブ、マレーシアへの展開

このような状況に対して、SmartDriveCarsを福利厚生サービスとして企業にご契約いただき、従業員の自家用車にデバイスを取り付けてサービスを利用していただくケースが増えています。

安全運転意識の向上と会社へのエンゲージメントを目的に大々的に展開し始めています。SmartDriveCarsを利用することで、従業員の方達は毎回自分の運転を振り返って何がいけなかったのかを確認することができ、ポイントを獲得するために安全運転をしようという意識を持ってもらうようにします。指示をするだけでけではなくきちんとベネフィットも与えるので嫌々使ってもらうのではなく自分たちからこのサービスを使おうと思ってもらっています。

最初はこのようなサービスが東南アジアの文化圏で受け入れられるかという不安もありました。ただ、既に複数社にご契約頂いており、従業員同士で点数を比べたり、スコアが改善しているユーザーが大半を占めているので、マレーシアの地にも馴染んできちんと効果が出始めていることを実感できています。

今後のサービス展望

今後の展望としては、ただベネフィットを与えるだけではなく、それが実際に行動変容に繋がるかどうかという取り組みをロイヤリティマーケティング様と開始しています。
Pontaの一部会員向けにSmartDriveCarsを試験的に利用していただき、Pontaグループの店舗のクーポンを掲載することで、安全運転がどのように変化するか、クーポンの利用の仕方や実際にクーポン利用のための店舗への移動が発生するかなどを検証しています。
もしこの検証がうまく行けばよりマーケティングツールに近い形でSmartDrveCarsを利用することができるようになり、エリア内での特定の移動を促すこともできるようになるのではないかと思います。

スマートドライブ、今後のサービス展望

また、さらなるデータ活用という点ももう一つの観点となります。既に述べた通りSmartDriveCarsは管理のためのサービスではないので、SmartDriveFleetのように管理者の方向けにドライバーがリアルタイムでどこを走っているかを見るような画面は用意をしていませんでした。

ただ、やはり統計的にはどの程度のユーザーが安全運転をしているのか、クーポンを利用しているのかなどの情報は企業として把握をしておく必要があります。そのため、管理者の方向けにはSmartDriveCarsの利用データを元にしたレポートを定期的に配信し始めています。このレポートを送ることで安全運転スコアが下がってきていれば安全運転講習を社内で開催したり、クーポンの利用率が悪ければ違うクーポンを掲載したり金額を変更したりと対策を打つことが可能となります。
今後もお客様がどのようなデータが見たいのかということを元に常にレポートについては貯まっているデータを元にアップデートをかけていきます。海外に関しては、引き続き福利厚生という観点での販売を計画しつつ2輪車へ対応していくことを検討しています。

マレーシアで交通事故が非常に多いことは既に述べた通りですが、実際の交通事故は自動車よりもバイクで発生することが圧倒的に多いです。現時点ではシガーソケットがついている自動車にしかデバイスが接続できないためバイクではSmartDriveCarsは利用ができない状況です。

そのため、今後はスマートフォンアプリからなどのシガーソケット以外の方法でもデータを取得できるようにして、バイクにも対応していくための研究開発を進めております。

SmartDrive Carsサービスのご紹介

SmartDriveCarsサービスのご紹介

URL:https://page.smartdrive-cars.jp/Form_CarsProduct.html

手嶋 彰プロフィール

手嶋 彰(てしま あきら)
手嶋 彰(てしま あきら)大手SIerにてクラウドサービスやAI, IoT関連の営業として大企業から中小企業まで幅広い業界のお客様を担当。

2016年からはシンガポールに出向をして現地で新規クラウドサービスの立上げとその後のサービス黒字化を達成。

2020年からスマートドライブに参画をしてマレーシアのビジネス立ち上げを支援しつつ日本でのPMM業務に奮闘中。

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