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【オプト x ユナイテッドアローズ】LINEと会員証の連携数を148%改善!デジタル上での顧客体験をよりスムーズにしたLINE公式アカウントCRM戦略

時計2025.07.07

更新2025.07.07

NEW 【オプト x ユナイテッドアローズ】LINEと会員証の連携数を148%改善!デジタル上での顧客体験をよりスムーズにしたLINE公式アカウントCRM戦略

株式会社オプト

2024年2月から3月にかけて、オリジナルのLINEスタンプを配布したユナイテッドアローズ。イラストレーターのunpis(ウンピス)氏がデザインを手掛けた日常生活や仕事のコミュニケーションで使える8種類のLINEスタンプは好評を博し、同社のLINE公式アカウントの1日における友だち追加数は通常比276%を記録しました。
今回のインタビューでは、店舗スタッフの接客力に定評のあるユナイテッドアローズならではのCRM(顧客関係管理)戦略成功の秘訣について、株式会社ユナイテッドアローズOMO本部 顧客管理部部長の原 康人氏と、株式会社オプトLINEコンサルティング部の若林 陸氏、小野 葵氏に伺います。

ユナイテッドアローズが掲げる「感動接客」をすべてのチャネルで提供

― ユナイテッドアローズが掲げるデジタルマーケティング戦略の概要や、コンセプトについて教えてください。

原氏:私たちの2023年~2025年の中期経営計画における主要戦略の一つとして「UA DIGITAL戦略」を掲げており、現在「OMO*の推進」と「サプライチェーンの最適化」を推進しています。会員プログラムの「UAクラブ」の基盤や公式アプリ、LINE公式アカウントを活用して、OMO施策による体験価値の向上や、DX活用を通じた店頭業務の効率化をミッションとしています。最終的に目指しているのは、あらゆるチャネルのお客さま一人ひとりに対して最適化された顧客体験を提供することです。これは私自身が一顧客としてユナイテッドアローズに通っていたときから感じていたことですが、私たちの強みの一つとして店舗スタッフによる接客力が挙げられます。そのサービスを店頭のみならず、デジタルでも提供していけるようなコミュニケーションを心がけています。

*オンラインとオフラインを融合させ、消費者の購買体験を最大化する仕組み。

―現状の課題感はどのようなものでしょうか?

原氏:まず一つが、若年層顧客への拡張です。30代から40代が私たちの主要顧客ですが、若年層のお客さまに向けたアプローチを補強する必要もあります。長期ビジョン2032で標榜している「高感度・高付加価値ライフスタイル提供グループ」を目指し、今のうちから20代のお客さまへのアプローチを進めていきます。もう一つは、ファッションテイストの課題です。現在はトラッドやコンサバなテイストに集中しているので、もう少しカジュアルあるいはモードなテイストのブランド開発も積極的に行っていきます。また、私たちは事業ドメインの大半がファッションですので、それ以外の業容拡大も検討しています。

株式会社ユナイテッドアローズOMO本部 顧客管理部部長 原 康人氏
株式会社ユナイテッドアローズOMO本部 顧客管理部部長 原 康人氏

店舗とEC、それぞれの顧客に合わせたベネフィットを

 ―課題解決のためにLINEを活用したコミュニケーションに注目された理由を教えてください。

原氏:UAクラブへの入会は店舗経由が大半のため、まずお客さまは店頭で仮会員証を発行いただき、その後の本登録への切り替えを通じて正式な登録が終了します。このUAクラブへの会員登録から、その後の店舗やECでのお買い物までの流れをデジタル化することで、お客さまにとっても私たちにとっても効率化が進みます。デジタル化の推進にあたって、LINEは非常に重要なツールだと考えています。

LINEを活用することの手応えはそれまでも感じていたので、いつかは規模を拡大したいという思いがありました。そんなときにタイミング良く若林さんからLINEのダイレクトスタンプをご提案いただき、比較的コストを抑えながらキャンペーンを実施できるというメリットに可能性を感じ、今回の取り組みにつながりました。ただ一点、LINEダイレクトスタンプはLINEのスタンプショップに掲載されないというデメリットがあるのですが、そこは全国220店舗以上を展開するユナイテッドアローズ店頭での告知によりカバー可能だと考えました。

若林氏:LINE公式アカウントの友だちを増やすにあたって、スタンプの配布は非常に効果的です。スタンプショップに掲載される通常のスタンプと比較して、ダイレクトスタンプはコストが抑えられ、接客に定評のあるユナイテッドアローズさまの店舗スタッフが直接ご案内することで、関心の高いお客さまに継続的にメッセージを送ることができるようになります。

―ユナイテッドアローズの考える、理想的なLINEコミュニケーションとはどのようなものでしょうか?

原氏:今やインフラとなったLINEの中で、いかに私たちの公式アカウントを見ていただくかが重要です。こちらからの一方的な情報発信ではなく、お客さまのニーズや私たちが提供すべきベネフィットを考え、パーソナライズされたツールを目指すことで、LTV(顧客生涯価値)最大化につなげていきます。たとえば、実店舗で買い物されるお客さまにはUAクラブの会員登録をLINEでよりスムーズにしたり、物理的な会員証よりも使いやすいLINEでの会員証機能を提供することがベネフィットにつながります。
ECで買い物されるお客さまには商品をよりスムーズに購入できる動線設計を、実店舗とEC両方を使われるお客さまには、好みのブランドや新ブランドの情報を提供する。それぞれのお客さまにとっての最適なベネフィットを実現したいと考えています。

OMOの成功には、現場の理解と協力が不可欠

 ―今回のキャンペーンでは、店舗チームとの連携や店舗オペレーションのレクチャーなどが必要だったかと思いますが、どのような点に苦労しましたか?

原氏:ダイレクトスタンプはLINEのスタンプショップに掲載されないので、自社チャネルでの告知がスタンプのダウンロード数や友だち追加数を大きく左右します。店舗スタッフにキャンペーンの重要性を理解してもらいながら、お客さまに効率的な案内をしてもらうためのオペレーションの組み立てに苦労しました。お客さまへのご案内時には、まずダイレクトスタンプをフックにしてLINEアカウントを友だち追加をしていただきます。そして、UAクラブの会員証とLINEアカウントを連携することで、LINE上で会員証を提示できるようになるメリットをお伝えして、アカウントの連携も促進していきました。トークスクリプトを作成し、店頭での告知ポップや、スタンプと同デザインのステッカーも用意したこともあり、今回の結果につながったと考えています。

―案内時のトークスクリプトまで作成するとは、入念な準備をしたんですね。

原氏:私たちから見ると、店舗のスタッフはキャンペーンを共に成功させる重要なパートナーです。今回に限らず店舗と連携した施策では、「こういったキャンペーンを始めるので○○してください」のような説明だけではなく、その背景や目的を丁寧に伝え、キャンペーンの意義を理解してもらうことがとても重要です。

―今回のキャンペーンの定量的・定性的な成果、学びや気づきについて教えてください。

原氏:2024年2月1日~3月31日の期間にスタンプを配布しましたが、1日あたりのLINE公式アカウントの友だち追加数は昨年同月比276%、アカウント連携数は同じく昨年同月比148%で大きく増加しました。スタンプの総ダウンロード数と新規の友だち追加数を見る限り、新規のお客さまの割合が高いと推察します。一部の課題として、店舗でのご案内だと入力項目の多いアカウント連携までは難しく、スタンプのダウンロードのみにとどまってしまうことが多く、結果として友だち数におけるアカウント連携率が下がってしまいました。今後はアカウント連携を促進するコミュニケーションの改善を図っていきます。

株式会社オプトLINEコンサルティング部 若林 陸氏
株式会社オプトLINEコンサルティング部 若林 陸氏

若林氏:店舗と連動した施策に興味をお持ちの企業さまは多くいらっしゃいますが、いざ実施するとなると本部と店舗の連携が上手くいかないケースもあります。今回、ユナイテッドアローズさまは店舗でポップやステッカーをご用意いただき、その場でスタンプをダウンロードいただいたお客さまも多く、LINEによる日常のコミュニケーションのなかで、スタンプを使うたびにユナイテッドアローズというブランドに触れる機会を創出できました。ユナイテッドアローズさまの店舗接客の強みを実感するとともに、良質な顧客体験を生み出す成功事例になったと考えています。

情報発信だけにとどまらないLINEの活用を

―今後のLINE活用の展望、CRM施策で実施したいことを教えてください。

原氏:いかにお客さまと信頼される関係性を築くかが、CRM*では重要になります。LINEをはじめとするいろいろなタッチポイントを提供し、全体の売上の7割を占めるユナイテッドアローズ店舗起点でのOMO戦略を考えています。私たちの強みである接客力をすべてのチャネルで提供して、感動提供を実現していきます。

*オンラインとオフラインを融合させ、消費者の購買体験を最大化する仕組み。

―LINE公式アカウント、LINEヤフーのプラットフォームに期待する点はありますか?

若林氏:オプトはデジタル領域でのマーケティング施策を得意としていますが、店舗連携などのオフラインと連動した施策は今後ますます重要になってくると考えています。店舗計測などが簡単にできるようになれば、よりOMOの施策を展開しやすくなったり、新しい顧客体験が生まれると思います。今後もLINEヤフーのプラットフォームで様々な施策を展開していきたいです。

小野氏:私たちが支援しているお客さまの中にも、ダイレクトスタンプを配布しているお客さまはいらっしゃいますが、ユナイテッドアローズさまのようにしっかりと社内フローを組んで告知をされるケースは多くありません。トークスクリプトをもとにしたご案内の仕方など、私としても勉強になりました。

原氏:若林さんのお話にあった店舗計測は、ピンポイントで実施したい施策です。Yahoo!の検索データは分析ツールを通して利用可能なので、上手く活用していきたいですね。新しく買った服に袖を通したときの高揚感を、LINEでどのようにお届けするか。そんなサービスを実装したいと考えています。

株式会社オプトLINEコンサルティング部 小野 葵氏
株式会社オプトLINEコンサルティング部 小野 葵氏

―オプトから見た今後の支援の展望を教えてください。

若林氏:今回のキャンペーンを実施して感じたのは、やはり現場の皆さまのご意見が大変参考になったということです。店舗接客での生の意見があってこその感動接客だと思うので、店舗スタッフの皆さまを巻き込んで、新しい施策もやっていきたいですね。現状のLINE公式アカウントは情報配信がメインになっているので、お知らせ媒体にとどまらず、店舗スタッフとのチャット機能やコーディネート提案など、新しい顧客体験を生み出せるようなミニアプリ支援にも力を入れていきたいです。

左:株式会社ユナイテッドアローズ 原氏 中央:株式会社オプト 若林氏 右:小野氏
左:株式会社ユナイテッドアローズ 原氏 中央:株式会社オプト 若林氏 右:小野氏

オプト株式会社

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