トレンダーズ、横山隆治事務所(シックス・サイト)と共同でSNS投稿の熱量と売上の相関を分析 Instagramに加えて、Xや画像の「熱量スコア分析システム」も開発
2024.03.27
2024.03.27
目次
トレンダーズの「熱量スコア」について
「熱量スコア」とは、トレンダーズが独自に開発したSNS分析手法であり、AIのディープラーニング、転移学習(学習済みの知識の別領域への応用)のテクノロジーを使って、“SNS 投稿内容の熱量”を測定するものです。さらに、熱量の種類を「愛用」・「感動」・「推奨」・「評価」・「本音」の五軸でカテゴライズすることで、どのような熱量傾向があるかをスコア化します。これまで、Instagramのフィード投稿を対象に分析を行ってきました。
開発の背景には、トレンダーズが主にソリューションとして提供しているSNSマーケティングに、その施策成果、とりわけパーセプションチェンジに寄与していたかを定量化しづらいという課題がありました。その課題を解決する一手として、SNSの熱量という定性要素をスコア化する「熱量スコア」を開発するに至りました。
この熱量スコアを用いて、施策の前後でスコアに変化があったかを検証することで、パーセプションチェンジが起こせていたかを可視化することができ、競合との比較もしやすくなるなど、これまで難しかったマーケティング効果の検証もしやすくなると考えられます。また、五つの判定軸を設けていることで、今後どういった面を伸ばしていけばいいかの議論も可能です。
そして熱量スコアを含めたSNSの各指標が売上とどのような相関があるかを分析するため、デジタルマーケティングおよびデータマーケティングの領域で多大な知見を持つ横山隆治事務所(シックス・サイト)と共同で、分析プロジェクトを開始いたしました。
CCCMKホールディングス株式会社ご協力のもと、相関分析を実施
プロジェクト第一弾の分析に関しては、CCCMKホールディングス株式会社にも一部ご協力を依頼。あるブランドに関するSNSデータ(投稿数、エンゲージメント率、熱量スコアなど)をトレンダーズより提供し、CCCMKホールディングスにて購買データとの相関分析を行ったところ、「相関関係あり」という結果が得られました。
今回の分析は、データセットにおける日別の目的変数と説明変数の相関、および機械学習モデルを利用した説明変数重要度を算出したものです。目的変数は曜日周期性とキャリーオーバー効果を考慮するため、「購買補正人数」の7日間平均をとった「購買補正移動平均後7日」としました。分析に用いた説明変数は以下の通りです。
<Instagram>
- 熱量スコア(総熱量+五軸)
- フォロワー数
- いいね数
- コメント数
- エンゲージメント率
<X(旧Twitter)>
- フォロワー数
- いいね数
- リポスト数
- エンゲージメント率
Instagramの「総熱量スコア」が、KGI達成のために最も重要なKPIだと明らかに
上記条件のもと、データセット相関行列を見ると、五つの熱量スコアはどれも目的変数に対して正の相関が見られます。また、各SNSの数値の中で、正の相関が見られるものは熱量スコアのみであることもわかりました。ただし五つの熱量スコアは各項目相関係数も非常に高いため、KPIとしては各熱量スコアの合計である「総熱量スコア」のみで評価すべきと考えています。
また、機械学習モデルにより算出した各説明変数重要度を見ると、Xのリポスト数やいいね数も、購買人数を予測・説明する上で重要な変数であることがわかりました。熱量スコア以外は目的変数との強い相関は見られなかったため、KPIとしての重要度は下がるものの、参考指標として見るべきと考えています。
以上の分析結果から、このブランドにおいてはKGIを「購買人数」とした時、KPIを「総熱量スコア」とし、参考指標をXのエンゲージメント数とすることで、ブランドの目標達成に近づけるのではという結論に至りました。
Xの熱量スコアシステムβ版もローンチ 画像版の開発もトライアル
今回の分析時点では、熱量スコアの算出範囲はInstagramのキャプション情報に限られていましたが、2024年2月にはX版のシステムもβ版をローンチし、現在はInstagramの画像のクオリティや熱量までもスコア化するテストを行っています。
トレンダーズと横山隆治事務所(シックス・サイト)の共同プロジェクトでは、今後も熱量スコアをはじめとしたSNSマーケティングの指標設計や、ブランドの本質的な課題を解決するための分析に注力していきます。
関連リンク
●トレンダーズ株式会社
●トレンダーズ、横山隆治事務所(シックス・サイト)と共同でSNS投稿の熱量と売上の相関を分析 Instagramに加えて、Xや画像の「熱量スコア分析システム」も開発