

2025.03.31
2025.03.31
検索行動の傾向から見える、企業がとるべき対策とは?
SEOを中心としたデジタルマーケティング支援を行う株式会社PLAN-Bは、全国の10代から70代の男女を対象に「画像検索の利用状況に関する調査」を実施いたしました。
目次
近年、テキスト検索に加え、画像検索や音声検索が普及し、検索行動が大きく変化しています。特に、オンラインショッピングでは商品名ではなく写真を使用した類似アイテムの検索が一般化し、観光地や料理・レシピの検索においても、テキストよりも視覚的情報で情報収集を行う傾向が以前よりも強まっていると考えられます。 本調査は、ユーザーの画像検索利用状況を明らかにし、企業が今後のマーケティング戦略で対応すべきポイントを考察する目的で実施いたしました。
画像検索の利用状況に関する調査
<調査結果の引用・転載時のお願い>
本記事の調査結果や画像を引用する場合は、「株式会社PLAN-B」の名前を明記のうえ、引用元として以下のリンク設置をお願いいたします。
https://www.plan-b.co.jp/blog/seo/57421/
「Q1. あなたは画像検索を使用したことがありますか?」(n=2,000)と質問したところ、半数以上の52.6%が「はい」と回答しました。
また、性別・年代別の調査では、「画像検索を利用したことがある」と回答した人の割合は10代女性が最も高く81.8%にのぼり、対して男性の場合は40代が65.0%と最も多く、50代以上は男女ともに平均値を下回るという結果になりました。
「画像検索を利用したことがある」と回答した人を対象に「Q2. 画像検索をどのくらいの頻度で利用しますか?」(n=1,052)と質問したところ、「月に数回」が最多で39.4%、次いで「ほとんど使わない」が27.5%、「週に数回」が23.3%となり、「ほぼ毎日」利用する人は9.9%と少数であることがわかりました。
特に年代別の利用頻度に対する調査では、一番利用率が高かった10代でも「月に数回」が68.2%を占め、画像検索を活用する機会は多いものの、テキスト検索やSNSの検索機能と併用している可能性が高いことが示唆されます。30代は「ほぼ毎日」利用の割合としては13.3%と最多ですが、「ほとんど使わない」割合も32.8%と高く、職業やライフスタイルによって利用頻度が大きく異なることが考えられます。
「画像検索を利用したことがある」全世代の対象者へ「Q3. 普段、画像検索を利用するデバイスを教えてください。(複数選択可)」(n=150)と質問したところ、 90.0%がスマートフォンを利用していると回答しました。PCは42.0%、タブレットは19.3%という結果になり、スマートフォンを主要デバイスとしつつも多様なデバイスが使用されていることがわかります。
「Q4. 画像検索の主な利用シーンを教えてください。(複数選択可)」(n=150)という質問に対して、最も多かったのは「商品やサービスの情報収集」が74.0%でした。次いで「観光地や風景の検索」が48.0%、「料理・レシピの検索」が42.0%と続きました。
この結果から、特にECや旅行・観光業界では、画像検索を意識したビジュアルコンテンツによる集客戦略が有効であるということが言えるでしょう。また、レシピ検索の多さを考慮し、食品・飲食業界でも画像検索対策の重要性が今後さらに高まっていくことが予想されます。
「Q5. 画像検索を行う際、最もよく利用するのはどの方法ですか?」(n=150)という質問では、「キーワードを入力して検索し、画像タブを開く」方法が64.0%で最多となり、キーワードからの検索が依然として主流であることがわかりました。一方で、「画像をアップロードして検索(Google Lens など)」は28.0%、「スマホの長押し機能(Googleで画像を検索)」は8.0%という結果になりました。
「Q6. 画像検索とSNS検索(Instagram・Pinterest など)のどちらをよく使いますか?」(n=150)という質問では、「画像検索の方が多い」が47.3%に対して「SNS検索の方が多い」が20.7%となり、SNS検索よりも画像検索を行う人の方が2倍以上多いことがわかりました。
「Q7. ここ1~2年で画像検索の利用頻度は変わりましたか?」(n=150)という質問では、
「変わらない」が60.0%と多数を占め、「増えた」が34.7%、「減った」が5.3% という結果になりました。
「Q8. 以前と比べて、画像検索の使い方にどのような変化がありましたか?(複数選択可)」(n=150)という質問では、「SNS検索で見つけた画像を検索することが増えた」が33.3%で最多となり、次いで「特に変化はない」が32.7%、「テキスト検索よりも画像検索を優先する場面が増えた」が 29.3%という結果になりました。
また、「動画(YouTube・TikTok)で見た情報を画像検索で補完することが増えた」も 25.3%という結果となり、SNSや動画プラットフォームで気になった情報を、画像検索を通してさらにリサーチするといった検索行動が増えてきていることがわかります。
今回の調査結果から際立った傾向としては、SNSや動画プラットフォーム(YouTube、TikTokなど)で見つけた情報を画像検索で補完する行動が増加していることが挙げられます。「SNS検索で見つけた画像を検索することが増えた(33.3%)」や「動画で見た情報を画像検索で補完することが増えた(25.3%)」という結果からは、 SNSや動画のコンテンツをきっかけに、ユーザーがその情報をさらにリサーチするために画像検索を積極的に利用するようになっていることがわかります。
また、「画像検索をテキスト検索よりも優先する場面が増えた」という回答(29.3%)も目立ち、ユーザーが文字情報よりも視覚による情報から直感的に検索を行う傾向が強まっていることがわかります。この結果から、「主な利用シーン」として多く挙げられた「商品・レシピ・観光地検索」に関連するECや旅行・観光業界、食品・飲食業界等の企業のマーケティング戦略においては、特にSNSや動画プラットフォームとの連携を意識した「画像SEO」が重要であることを示しています。画像検索を活用した検索行動は今後さらに拡大すると予想され、企業はこの新たなユーザー行動を反映させた戦略構築がさらに求められるでしょう。
株式会社PLAN-B
マーケティング部 マーケティングユニット SEARCH WRITEグループ プロダクトマーケティングマネージャー
松本 健吾
京都大学卒。2020年に株式会社PLAN-Bに入社。SEOコンサルティングやネット広告運用などのWebマーケティング支援に5年ほど従事したのち、オウンドメディア「PINTO!」の編集長を務め、現在はSEOツール「SEARCH WRITE」のプロダクトマーケティングマネージャーを務める。自社ツール活用やSEOの深い知見を活かし、獲得リード数を3倍以上に伸ばした実績を持つ。