こんにちは、LIPS編集部です。LIPSユーザーの美容事情や、ビューティトレンドをピックアップする『LIPS labo』。11月号は、SNSとコスメ購入との関連性にフォーカス。「TikTok」「Instagram」「X」「YouTube」の中で、もっとも購買が生じている媒体とは…?また、各媒体の推しポイントなど、美容関心層が集うLIPSならではの調査データをまとめています。
目次
1、各SNSの使用率をチェック
まずは美容情報を収集する際に、ユーザーはどのツールを使用しているのでしょうか。
美容収集をする際に頻繁に使用されているのが「LIPS」(95%)でした。続いて「Instagram」(70%)、「YouTube」(59%)と続く結果に。
複数の媒体を横断的に利用するのが当たり前となった今。なかでもより気軽に使用しているSNSについて聞いてみたところ、LIPS(54%)、Instagram(16%)、「TikTok」(10%)という結果に。
年代別にみてみると、世代ごとの特徴が色濃くでていることがわかります。10〜20代の若年層はTikTokが愛用者の割合が高く、年代が高くなるほどYouTubeの利用率が増加する傾向にあるようです。
また、気軽に利用しているツールを選んだ理由について尋ねると、以下のような声が集まりました。
【LIPS】
・いい所や悪い所、気になるところなどを写真や感想付きで知ることができるから(30代前半)
・いろんな正直レビューがありマイナスの点も知れたり、自分と同じ肌質の人の投稿を参考にしやすいから(10代後半)
【Instagram】
・美容やコスメのトレンドが流れてくるから、自然と目に留まる(20代後半)
・写真に特化しているので、色味を確認したりスウォッチ情報を収集するのに向いていると感じている(30代後半)
【TikTok】
・短編動画でみやすく完結。コメント欄でさまざまな人のレビューがみられれる(20代前半)
・インフルエンサーだけではなく、同年代の学生や一般人の投稿が多くて金銭感覚が合うから(10代後半)
【X】
・忖度ないコスメレビューが見れる傾向があったり、速報など情報が早いのでよくみています(30代前半)
・動画だと前振りがあったりして時間がかかったこともあるが、Xは本当に欲しい情報へのアクセスが早い(20代前半)
【YouTube】
・質感などが分かりやすい。全色まとめなど欲しい情報がピンポイントで手に入る(20代前半)
・YouTubeなどの動画投稿をメインに活動されているインフルエンサーの方の動画を参考にすることが多いから(20代前半)
【ネット検索】
・関連性の高い情報・サイトがトップに出るので信頼も高く、すぐに目的の情報を得られる(30代前半)
・より関連性の高い情報・サイトがトップに出てきてくれて信頼も高く、すぐに目的の情報を得られると思うから(30代後半)
このように、写真付きレビューが主流のLIPS、Instagram、レコメンド機能に定評のあるTikTok、Xといったように、ユーザーは媒体ごとの特徴を的確に捉えて使い分けていることがうかがえます。
2、美容領域における「TikTok売れ」の実態に迫る
続いて、マーケティング用語としても話題になった「TikTok売れ」について。美容オタクの界隈でTikTokの影響で化粧品を買うことはもはや常識なのでしょうか。
TikTokの投稿を見て購入したことがあるという人はユーザー全体でみると40%と、伸び代の大きさを実感する結果に。
年代別にみると、10代の60%、20代の40%ものユーザーがTikTokの投稿によって化粧品の購買が生じた経験があるということが判明しました。
購入した商品のカテゴリについて聞いてみたところ、リップやアイシャドウなどのメイクアップアイテムに多くの票が集まりました。「TikTok売れ」と相性のよい商材はポイントメイクであるようです。
どのSNSにおいても、最近よく見かけるようになった”タイアップ投稿”。ここでいうタイアップ投稿とは、企業が広告料を支払って出稿している場合、ギフティングとして商品をインフルエンサーに配布したものがSNSに投稿されている場合などを指します。
「TikTok」のタイアップ動画について、「非常に参考にする」「参考にする」と答えたユーザーは全体の約40%程度ほど。右側のグラフをみると、若年層ほど参考にしている人の割合が多いことがわかります。
10代~20代の若年層であれば「TikTok」のタイアップ投稿に対する信頼感も高いため、よりPR効果が高く見込め、「TikTok売れ」の可能性も高まるでしょう。
なかには10代後半のユーザーからは、「自分と近しい人がたくさん集まっているから、どのSNSよりも居心地がいい」といった声も。さらに、20代前半のユーザーからは「インフルエンサーの他にも、コメント欄でいろんな人のレビューが見られる」といった意見もあり、デジタルネイティブ世代ならではの親和性を感じやすい居場所であるようです。
3、Instagram・X・YouTubeはどう?「媒体売れ」を調査
美容オタクが愛用するツールである3つの媒体についても、購買有無・タイアップ投稿の参考度合いについて聞いてみました。
✔️もっとも購買が生じやすいのは「YouTube」
媒体ごとの購買有無の調査で注目すべきは、75%ものユーザー、すなわち4人中3人が「YouTube」の投稿をもとに化粧品を買ったことがあるという点です。「気軽に使用しているツール」の設問では上位に入らなかったものの、長尺動画ならではの豊富な情報量を武器に、リアルな購買に繋がっていると言えるようです。「Youtube」は、他のSNSとは違った目的・シーンで利用されていることが推察されます。
実際に「YouTube」を愛用している人の声をみてみてると、「コスメの実際の色味や質感を丁寧にレビューしてくれるので助かる」といった声も。同じカテゴリの商材の比較レビューなど、よりリアルな情報が視覚的に伝わりやすい点が評価されていることがうかがえます。
✔️広告案件のPR投稿は、美容オタクにどう映る?
案件のPR投稿の参考度合いについて聞いてみたところ、「Instagram」「YouTube」について、半数以上のユーザーが「非常に参考にしている」「参考にしている」と回答しました。
「Instagram」「YouTube」については、「フォローしているインフルエンサーをとおして美容情報を追っている」「自分と似たタイプのYouTuberがいるので参考になる」といった愛用者の声からもわかるように、よりファン化が進みやすい媒体であることがわかります。応援している人の推薦アイテムなら間違いない、といった形でPR投稿を前向きに受け取る人も多いのではないでしょうか。
一方で、拡散性に特化した「X」は、フォローしていない人の投稿に触れる機会も他の媒体よりも多いという側面があることから、「Instagram」「YouTube」との参考度合いに差異が生じた可能性が考えられます。ただし、拡散性に優れている分、大きなバズりを生じやすいのも特徴のひとつ。「X」はスピーディに話題を形成させるにはうってつけの媒体であると言えるでしょう。
4、店頭販促について、美容オタクが注目する”ポップシール”について調査
最後に、購入先として選ばれているドラッグストアをはじめとした店頭施策について調査を実施。美容関心層は、商品のパッケージにあるどのような情報を参考にしているのでしょうか。
商品のパッケージなどについているシールは「ポップシール」「アテンションシール」などと呼ばれています。なかでももっとも訴求効果があるのは「No.1などのランキング情報」であることがわかりました。
続いて、商品の特徴がひと目でわかる「特徴・使い方のポイント」などが紹介されているポップシールも効果的なようです。
また、世代が高くなるにつれ、「クチコミの評価点数」「媒体おすすめ」といった情報を重視する人の割合が増えている点も注目です。
商品に注目を集める際のフックとなる「ランキング情報」については、世代問わず関心を寄せていることがわかりました。
これらの結果を受け、「No.1」をはじめとした冠を手にする機会があれば、積極的にマーケティングに活用するのがよいと言えるでしょう。
なお、美容関心層のコスメの主な購入先などについては、こちらの記事をご覧ください。
https://note.com/lips_labo/n/n3adfbc50e6d7
5、コスメのヒットには欠かせない”媒体売れ”
✔️大きな伸び代が予想される化粧品の「TikTok売れ」
今回の調査では、「TikTok売れ」について非常に大きな伸び代を実感する結果に。
主に10〜20代に支持されている「TikTok」。インフルエンサーとフォロワー、またフォロワー同士のSNS上のつながり、そしてその距離感がデジタルネイティブ世代にとって居心地がいいと感じられる唯一無二の媒体であることがわかりました。
各コスメブランドにとって、未来の顧客である10〜20代の若年層。早い段階からブランドのファンを育成するためにも、ブランドのターゲット年齢を問わず、どのブランドもより積極的に「TikTok」を活用した施策を進めることが求められます。
✔️信頼感の「YouTube」「Instagram」、大きなバズが得意な「X」
その他の媒体について、インフルエンサーを軸とした信頼をもとにした購買を生じさせるには「YouTube」「Instagram」。信頼しているインフルエンサーがおすすめするものを使いたいと考える層、そして購買前に念入りに商品を確認したい慎重派の層との相性が特にいいといえるでしょう。
そして、大きなSNSバズとスピーディな話題化の形成を軸とした販売促進を行うなら「X」。とにかく流行っているものを今すぐに試したいと考えるミーハー層との親和性が特に高いことが推察されます。
このように、今まで以上に「どの層に買ってもらいたいか」といった観点での媒体選定が重要となりそうです。
※こちらの内容は、『LIPS labo』のnoteからもご覧いただけます。
https://note.com/lips_labo/n/na04c51f5693d
(過去の調査についても、ぜひ合わせてご覧ください)
関連リンク
●株式会社AppBrew
●【LIPS labo】よりコスメが売れるSNS媒体はどれ?SNS経由の購入実態を約3,000人のユーザーに調査!【2024年11月号】