SKAN4に対応するための4つのヒント ~今こそキャンペーンを最適化する絶好のチャンス~
2024.01.17
2024.01.17
Adjust
著者:Adjust最高製品責任者 ケイティ・マディング(Katie Madding)
モバイルマーケターと計測パートナーはこれまで、Appleの進化するiOSとプライバシー基準に対応してきました。
2018年にSKANフレームワークがはじめてリリースされると、業界は大きな期待を寄せました。そして、今マーケターに求められているのは、SKAN 4を導入し、柔軟な計測期間や新しいconversion value設定などのさまざまな最新機能を活用することです。
SKAN 4のconversion valueにバグが存在するというニュースが最近流れましたが、SKAN 4の導入を遅らせる必要はありません。このバグはiOS 16.6で修正されており、新しいiOSバージョンの導入率も高い傾向にあります。現時点の仕様ではSKAN 3とSKAN 4の両方を同時に使用できるため、SKAN 3のバージョンに戻さずともマーケティング施策を行うことが可能です。
広告主にとって、今こそSKAN 3のキャンペーンに悪影響を与えることなく、SKAN 4の可能性を探ることができる最適なタイミングであり、SKAN 3のポストバックを使用してiOSキャンペーンを最適化することができます。
しかし、SKAN 4の機能を最大限に活用し、今後のアップデートに備えるために広告主は以下の4つの分野にフォーカスする必要があります。1つ目は、広告主はアプリに実装したSDKをアップデートすること。2つ目は、conversion valueのSKAN 4設定を行うこと。3つ目はソース識別子を活用すること。そして4つ目はWebとアプリ間のアトリビューション計測に注力することです。
SDKのアップデート
広告主は、モバイルアプリにSKAN 4に対応したSDKを実装し、conversion valueマッピングを設定する必要があります。これにより、フレームワークがSKAN 4の3つの計測期間にわたってアトリビューションとアプリ内行動をレポートできるようになります。
SKAN 3ではアプリインストール後の24時間のみ計測できなかったのに対し、SKAN 4ではインストール後35日間まで、異なる期間から3つのセグメントのデータが提供されます。これにより、ファネル下部でのアクションに対するアトリビューションの透明性が高まります。
これらの期間のキャンペーンパフォーマンスに関するデータを最大限に使用するには、SDKをアップデートする必要があります。
粒度の粗い(Coarse)conversion value
計測期間が長くなり、conversion valueがより柔軟になったことで、キャンペーンの新しいデータが取得できるようになります。
例えば、アプリ内課金、サブスクリプション、広告収益などのLTVを重視するアプリでは、収益関連の計測が大切です。また、モバイル外で収益を増加させたいアプリや、計測期間外でも収益を生み出したいアプリは、初期のアプリ内エンゲージメントを評価し、それが後期のコンバージョンにつながるかどうかの判断を求められます。粒度の粗いコンバージョンデータはこのようなケースに非常に役立ちます。
Appleは、プライバシーのしきい値の条件が満たされているかどうかに応じて、3つのポストバックのいずれかを送信します。
粒度の粗いデータは、高、中、低の3つのセグメントに分類されます。アプリがエンゲージメントと収益に影響を与えるユーザー行動を特定すると、それらのアクションには、ポストバック期間ごとに高、中、低の粒度の粗いconversion valueに割り当てられます。広告主はそのデータをマッピングすることで、キャンペーンのパフォーマンスを評価し、ファネル下部のユーザー行動のパターンを理解、最適化し、LTVの高いユーザーを特定することができます。
粒度の粗い値は、Appleのプライバシーしきい値が満たされない場合にトリガーされるSKAN 3の「null」値に対する代替手段です。
エンゲージメント、継続率、収益などの計測目標に関連する特定の行動を確実に計測するには、独自の設定を要することに注意してください。最初のポストバックで提供された0〜63の粒度の細かい値と同様に、粒度の粗い値それぞれを定義することが必要となります。
また、計測期間ごとに異なる粒度の粗いconversion valueを設定することも可能です。チュートリアルの完了からショッピングカートのチェックアウトまで、あらゆるアクションの計測を設定することができます。
ターゲティングとアトリビューション
Appleの最新のソースIDは、SKAN 3のキャンペーンIDを置き換えて拡張したものです。キャンペーンIDは2桁の数字しかありませんでしたが、プライバシーのしきい値が満たされれば、ソースIDには最初のポストバックで4桁の数字で使用できるようになり、ネットワークパートナーが実行できるキャンペーンの数が100から10,000に増える可能性があります。