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【Cookie規制】サードパーティーCookie廃止の問題とは マーケティングへの影響・対応策をCookie基礎から解説

時計2022.09.16

更新2023.05.22

編集者 SYNCAD編集部

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SYNCAD(シンクアド)編集部

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SYNCAD(シンクアド)編集部。Web広告やデジタルマーケティング、セミナー情報などマーケティング業界の最新情報からマーケを学びたい人に向けに業界情報をお届けしています。

現在、マーケティング・広告業界では各WebブラウザのサードパーティCookie廃止後を見据えた対応が急務となっています。

では、そもそも「サードパーティークッキー(3rd Party Cookie)」、そしてCookie規制とは何なのでしょうか。

本記事では「そもそもCookieってなに?」という基本から、サードパーティCookieの廃止による影響、課題と対応策を解説します。

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Cookie(クッキー)とは

サイトにアクセスした際に「クッキーの取得使用と同意」を求められた経験があるのではないでしょうか。

このCookie(クッキー)とは、WEBサイトを訪れたユーザーの閲覧サイトや利用環境、購買履歴、入力したデータといった情報、それらの情報が記録・保存されたファイルです。

Cookieは何に活用されているのでしょうか。

例えば「ECサイトで商品をカートに入れたまま他のサイトを閲覧したあと、再びの最初のECサイトを訪問するとカートの中身がそのまま残っている」という経験がある方は多いと思います。他にも「一度ログインしたサイトで、次回のログイン時に既にIDやパスワードが入力されている」や、「あるECサイトで見ていた商品と同じ商品が、先程のECサイトと関係のないWebサイトの広告に出てきた」経験もあるかもしれません。

これらは全てCookieを活用した仕組みによって実現しています。

現在話題となっているのは「サードーパーティCookie」の廃止

Cookie(クッキー)には3つの種類があり、それぞれCookieの発行元に違いがあります。その中で近年「クッキー廃止」と話題に上がっているのは3rd Party Cookie(サードパーティクッキー)の廃止です。

Cookie(クッキー)の種類

ファーストパーティCookie(1st Party Cookie)

ファーストパーティCookieは、ユーザーがアクセスしたサイトの運営者が発行するCookieです。ユーザーへのCookie付与によって再訪時のユーザー特定が可能になり、特定のサイト内の行動や購買行動を蓄積することが出来ます。

CookieのデータはCV効果測定に活用されますが、ファーストパーティCookieの情報はあくまで特定のサイト内に限られるため、他のサイトでの行動を追跡することはできません。

セカンドパーティCookie(2nd Party Cookie)

Webサイト運営者目線で見た場合、自社運営のWebサイトで発行しているCookieがファーストパーティCookieです。対してセカンドパーティCookieは、他社が運営するWebサイトで発行しているCookieです。

例えばA社(Aサイト)とB社(Bサイト)の2社があった場合、A社から見たB社のCookieがセカンドパーティCookie、B社から見た場合はA社の発行するCookieがセカンドパーティCookieとなります。

サードパーティCookie(3rd Party Cookie)

ユーザーが閲覧している特定のサイト以外のドメインから発行されるものをサードパーティCookieといいます。主にアドサーバー(広告を配信するための専用サーバー)が発行しており、ユーザーが閲覧している特定のサイトとは関係のないCookieです。

ファーストパーティCookieと違い、サードパーティCookieは複数のサイトを横断してユーザーの情報や行動を追跡することができます。

「さっき別のサイトで見ていた商品が、別のサイトの広告面に出てくる」ようなことがありますが、これはサードパーティCookieの「複数サイトを横断してユーザー行動を追跡できる」という特性を活用することによって実現しています。

Cookie規制/廃止と同義として使用される用語

Cookie規制/廃止と同義で使われるものとして以下の用語があります。

  • ポストCookie(時代):Cookieを利活用している現在のあとの時代(Cookie利用ができなくなる時代)
  • クッキーレス:CookieおよびCookieによる情報取得が規制される動きのこと

それぞれ少しニュアンスの違いはありますが、いずれも「ポストCookie対策」「クッキーレス対策」のようにCookie規制と同じ文脈で使用されることが多いワードです。

サードパーティCookie廃止・規制の背景

Cookieによる個人情報の収集・利用に対する懸念と法規制

サードパーティがCookie規制されることになった背景に、Cookieによる個人情報の収集・利用が近年問題視されるようになったことがあります。その中で、国内外で個人情報保護に対する規制強化が進み、Cookieの利用が法的に規制、または利用に制限や条件がかかるようになりました。

<関連する主な法律>

  • GDPR(EU)
  • CCPA(米国/カリフォルニア州)
  • 改正個人情報保護法(日本)

EUと米国の動き

Cookie規制の大きな契機になったのが、2018年にEUで試行された「GDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)」です。続いて2020年には米国カリフォルニア州において「CCPA(California Consumer Privacy Act of 2018:カリフォルニア州消費者プライバシー法 2018年)」が施行されました。

GDPRとCCPAではCookieを「個人情報」と定義されるため、Cookieの使用に制限がかかります。Cookie使用時にはユーザーへCookie使用に関する通知が必要になり、ユーザー側がCookie使用の同意/拒否を選択するようになりました。

日本の対応

EUと米国の規制強化を受け、日本でも2022年4月から改正個人情報保護法が施行されました。

今回の改正で、個人に関する情報は特定の個人を識別できるものは「個人情報」、個人を識別できないものは「個人関連情報」として位置付けされています。

改正個人情報保護法下でCookieは「個人関連情報」に

Cookieは個人情報には該当しませんが、個人関連情報に該当するという位置付けとなっています。

個人関連情報は第三者開示に規制がかかります。Cookieの提供を受けた企業が自社の顧客データと結びつけて利用する場合、ユーザーへ利用目的を明示して同意してもらわなければならなくなりました。

Cookie規制に各社ブラウザも対応が進む

個人情報の規制強化により、多くのブラウザがサードパーティCookieのブロックを進めています。

  • Apple「Safari」:2017年から徐々に規制、2020年サードパーティCookieを全面的にブロック
  • Google「Google Chrome」:2024年後半からサードパーティCookieを段階的に廃止と発表
  • Moizlla「Firefox」:2019年からサードパーティCookieを全面ブロック
  • Microsoft「Microsoft Edge」:一部のサードパーティCookieがデフォルトで規制

Cookie規制によるマーケティングへの影響・注意点

広告のターゲティング精度が落ちる

現在のWeb広告配信は主にサードパーティCookieのデータを利用しています。そのためCookie規制による広告配信の精度への影響が懸念されています。

特に影響を受けるのが広告のターゲティングです。

Web広告・Webマーケティングにおけるターゲティングとは、Web上のユーザーの行動、購買情報、検索行動、趣味嗜好を元にユーザーに適した広告を配信すること・その仕組みを指します。このターゲティングの元となる情報として利用されているのがサードパーティCookieのデータです。

そのためCookie規制によるターゲティング精度の低下が問題となっており、代替となる技術や新たなターゲティング手法への移行が喫緊の課題となっています。

ユーザーデータの利用はユーザーの同意が必要

Cookie規制で主に取り上げられるのはサードパーティCookieですが、前述のEUにおけるGDPRの施行以降、ファーストパーティCookieの利用についてもユーザーの同意を得る動きが出ており、Cookie同意可否のポップアップの導入が進んでいます。

近年、日本においてもCMP(同意管理プラットフォーム)のサービス提供も増えており、ファーストパーティCookieの規制や情報管理の強化に合わせて対応が必要になることが予想されます。

ユーザーの個人情報保護の徹底

Cookieの情報以外にも、メールアドレス、電話番号、年齢といった企業が会員登録等を通して独自に取得したデータについても注意が必要です。これには前述の改正個人情報保護法の改正内容が関係しています。

これまで、ユーザーデータの「目的外の利用」「データの不正取得」といった法律違反があった場合に限り、ユーザーは自分のデータ消去や利用停止の請求が可能でした。しかし今回の改正により、「個人の権利または正当な利益が害される恐れがある場合」にも利用停止や削除の請求が可能になります。請求出来る範囲が緩和されるため、データ利用をしてほしくない、というユーザーからの削除請求が増えることが予想されます。

企業はこのことを踏まえて個人情報保護対策を強化する必要があります。また、会員情報などを登録して貰う際にはデータの利用範囲や保存期間などを明確に記載し、ユーザーに同意して貰った上で情報を取得するという流れを徹底することが重要です。

Cookie規制後 代替となるマーケティング手法

ファーストパーティデータの活用

ファーストパーティデータは、Webサイトや展示会・セミナーからの問い合わせや会員登録・アンケートを通じて企業が独自で取得した顧客の情報や、自社サイトのファーストパーティCookieから取得した行動履歴や購買履歴のデータを指します。

ファーストパーティデータの強みは、情報の信頼性が高いことです。一方サードパーティCookieの強みはそのデータの多さにありますが、それらはあくまで閲覧履歴から類推した情報に過ぎません。ファーストパーティデータは顧客やユーザーから直接取得した情報であるため、属性や興味関心への信頼性は高くなります。

ファーストパーティデータを取得できるユーザーは、自社サービスへの興味関心が高く、より近いユーザーであると想定できます。そのようなユーザー(顧客)と近いユーザーが利用しそうな媒体の選出や、ユーザーに訴求できる広告企画に活用できるでしょう。

コンテクスチュアルターゲティングによる広告配信

コンテクスチュアルターゲティングは以前から存在した広告配信の仕組みですが、Cookie廃止後の広告配信手法として注目度が高まっています。

コンテクスチュアルターゲティングとは、ユーザーが見ているWebページの文脈や画像を読みとり、分析した興味関心等のデータに基づいて広告を配信する広告手法です。閲覧しているWebページの内容とユーザーの興味関心と関わりがあるという想定のもとに配信します。

Cookie規制を受けてコンテクスチュアルターゲティングを活用したサービス・ツールも出ており、今後Cookie規制が進むにつれて需要が高まることが予想されます。

SNS・UGCマーケティングの強化

SNSやUGCを活用したユーザー発信のブランディングの強化も1つの対策となります。

一個人の発信が大きな影響をもつ現代において、SNSによるマーケティング・ブランディングを重要視する企業はここ数年で大きく増えています。サードパーティCookie廃止によりこの流れは更に加速することが予想されます。

特に近年では、企業発信の広告にネガティブイメージを持つユーザーが増える一方、SNSの投稿や友人知人の口コミやレビューといったUGCの影響力が強くなっています。SNSマーケティングはCookieの全面規制を待たずとも対策・強化が必要となるでしょう。

まとめ


  • Cookieとは:訪れたユーザーの閲覧サイトや利用環境、購買履歴、入力したデータといった情報が記録・保存されたファイル

  • Cookieは3種類あり、近年Cookie規制として話題となっているのは「サードパーティCookie」

  • Cookie規制はEU/米国の個人情報に対する法的規制強化が影響 日本も追従する形で法規制を強化している

  • Cookie規制の主な影響・留意点:「広告のターゲティング精度の低下」「個人情報の取扱」

  • 「ファーストパーティデータ」「コンテクスチュアルターゲティングを用いた広告配信」「SNS・UGC施策の強化」といった代替の対策が必要

マーケティングにより高い効果を実感するには、それぞれに合うマーケティング施策が必要です。
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