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野村総合研究所、B2C企業向け「CX診断メニュー」の提供を開始

時計2022.07.19

更新2022.07.19

株式会社野村総合研究所(以下「NRI」)は、企業のCX(カスタマー・エクスペリエンス:顧客がその企業の商品・サービスに対して感じる体験的な価値)を、顧客の視点で計測・評価する「CX診断メニュー」を、2022年7月13日から提供します。「CX診断メニュー」は、B2C企業を対象に、各社のCX向上における課題を抽出し、改善に向けた最適なアプローチを提示する診断サービスです。診断対象の商品・サービスを利用する顧客へのアンケートをもとに、NRIオリジナルの指標でCXをスコアリングし、競合の商品・サービス等と比較することで、強み・弱みや、マーケットにおけるポジションを可視化し、次に取り組むべきアプローチを導出します。

デジタル時代に不可欠なCX

デジタル化が進む昨今、顧客の生活にはスマートフォンをはじめとしたデジタルツールが浸透し、ネット通販や、サイト・SNSを通じた情報交換など、オンライン上での企業と顧客との接点が増えています。そのため企業は、自社の商品・サービスに関わる顧客の一連の体験の流れ(カスタマージャーニー)を、オンライン・オフラインで俯瞰的に把握し、総合的なCX向上に取り組む必要があります。そして、個々人の生活様式や行動に応じた顧客接点を持ち続けることが、選ばれる商品・サービスの実現につながり、顧客とのパートナーシップ(ロイヤリティ)を醸成します。

CX向上にあたっての課題例

総合的な顧客体験を把握するため、何から手をつけるか?

CXの重要性は認識しているものの、商品・サービス単体の質を上げることが、そのままCX向上につながらないため、どこからどう活動するべきか判断がつかないと悩む企業が多くあります。まず、自社におけるCXの全体を客観的・定量的に見据え、マーケットにおける自社の立ち位置や強み・弱みを把握した上で、改善のための施策を検討することが重要です。

組織ごとの改善施策が、自社全体のCX最適化につながっているか?

一般的にB2C企業においては、商品・サービスの開発部門や、リアル店舗・デジタルチャネルといった販売部門ごとに、部署それぞれ独自に商品・サービスの企画や運営を行っているケースが見られます。しかし、各部門部署で独自に改善施策を実施してしまうと、顧客接点ごとの対策に留まってしまい、顧客の一連の体験を捉えた全体最適化が図れません。そのため、企業全体としてCX向上を見据えた効果的な施策を選定していくためには、組織横断的に検討や判断をしていくための指標(スコア)が必要です。指標は、顧客との接点を持たない開発部門が商品・サービスをさらに成長させるためにも有用です。

「CX診断メニュー」サービスの内容

1.対象商品・サービスや競合企業の設定

CX診断の対象とする消費者向けの商品・サービス、およびその競合企業を設定します。

2.顧客アンケートの実施

一般消費者であるアンケートパネルから自社および競合企業の実際の顧客を各社2~300人ずつ抽出し、アンケートを実施します。下記で示す5つのカスタマージャーニーステップごとに、8つの観点(NRI独自の評価観点)に沿って、各回答者の体験を振り返りながら定量的な評価と具体的なエピソードを収集します(図1)。

図1 5つのカスタマージャーニーステップと8つの観点

野村総合研究所、B2C企業向け「CX診断メニュー」の提供を開始

3.アンケートの集計・分析

アンケート終了後は、総合CXスコア、NPS(Net Promoter Score:顧客ロイヤルティの測定指標)、競合企業との比較などの観点で集計・分析します。自社の強み・弱みやCX向上の課題を、定量的なデータから発見したのち、アンケートで得られた自由回答をもとに深堀りします(図2)。

図2 アンケート結果イメージ

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4.CX向上に向けた最適なアプローチの提示

アンケート結果やそれを踏まえた議論を基に、CX向上に向けて注力すべきポイントを定め、最適なアプローチを提案します(図3)。

図3 アンケート完了後の流れ

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「CX診断メニュー」サービスの3つのポイント

顧客からのリアルな評価・意見

実際の顧客を対象としたアンケートの結果をもとに、商品・サービスに対するCXをスコアリングするため、顧客の声に基づいた現状分析ができます。また、検討はしたものの、契約や購買に至らなかった人にもアンケートを行うため、他社の選択理由などの示唆を得ることも可能です。自由回答を活用すれば、顧客が商品・サービスに興味を持ち、購入、使用、アフターケアに至るまでのカスタマージャーニーステップごとの評価を確認した後、気になった工程の自由回答を掘り下げ、象徴的なエピソードを探すこともできます。

競合と比較した自社の強み・弱みの把握

競合企業の顧客へも同様のアンケートを行い、自社の商品・サービスの分析結果と比較することで、現状の立ち位置や強み・弱みを客観的に把握できます。定期的に診断を受けることにより、他社の状況も常に意識しながら自社の改善活動を行うことが可能となります。

CX全体をふまえた最適なアプローチの提示

CXの現状と自社の強み・弱みを把握した上で、さらなる顧客体験価値の向上につながるアプローチを提示します。例えば、顧客とスマホ画面を通じてやり取りする際の課題の深堀や、他社と差をつけるためのアイデア創造を目的とした社内ワークショップの開催、店舗内の業務改善に向けた実態調査と分析など、NRIのエキスパートの知見や経験を踏まえ、企業が今後取り組むべき最適なアプローチを提示します。

NRIはこれからも、CX診断、サービスデザインやUI(ユーザインターフェース:利用者接点)/UX(ユーザエクスペリエンス:利用者経験)の設計・標準化等、幅広いサービスやソリューションの提供を通じて、企業のCX向上やDX推進を支援していきます。

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