ビジネスやマーケティング用語としてアルファベットの略語をよく目にしますが、似たような略語も多いことからわかりづらく、混同してしまう方も多いのではないでしょうか。特に新しく学ばれる方は、数多くの略語を覚えることに苦労されるかと思います。
そこで今回は、CX、UX、DXと似ている3つの略語の意味とそれぞれの違いを、一緒に学びながら解説していきます。
UX(ユーザーエクスペリエンス)
UXはUser Experience(ユーザーエクスペリエンス)の略で、日本語では「ユーザー体験」と訳されます。
「ユーザー体験」とは、例えばある製品の使用を通してユーザーが感じる「高度な性能」「使いやすさ」「便利さ」などがUXとして挙げられます。
UXの例(Webサイトの場合)
- Webサイトの文字の見やすさ
- ページの読み込み速度の速さ
- 商品購入までの導線
- よくある質問ページのわかりやすさ
- 問い合わせ回答のはやさ
上記の例を見てわかるように、UXは製品やサービスを利用するユーザーが行うアクションが快適であることが重要になります。Webサイトの利用の場合、ページの読み込み速度が遅ければユーザーは不便に感じ、結果的にそのWebサイトをあまり利用しなくなってしまう恐れがあります。
そのためUX向上には、ユーザーが触れる機能や顧客対応といったサービスとユーザーの接点をどう改善していくかが大事になります。
CX(カスタマー・エクスペリエンス)
CXはCustomer Experienceの略語で、日本語で表すと「顧客体験」となります。
UX(ユーザー体験)と非常に似ているように感じますが、UXが製品やサービスそのものや機能に対する体験であるのに対し、購入までの期待感や店舗の雰囲気、製品を使用することで得られる特別感など、顧客が感じる「感情」も含めて体験とするのがCXです。
<CXとUXの違い>
サービスに対する顧客の体験価値が高いほど、企業や製品・サービスの価値は高くなり、製品だけでなく企業にもブランド的な付加価値を生むことができるようになります。
近年では良いサービス体験がSNSで共有・拡散されやすい環境にあるため、製品以外の部分の価値を上げることがより重要になっています。「顧客にどんなポジティブな感情を与えられるか」「製品だけでなく企業に価値を感じてもらえるか」といった幅広い視点で改善策を考えるCX向上の考えが必要になっていくでしょう。
DX(デジタルトランスフォーメーション)
DXはDigital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略で、「デジタルによる変革」といった意味です。
略語に”X”が使われるのは、変革・変容を表すTransformationの”Trans”にはacross(〜を超えて)と言う意味があり、英語圏で「X」と略されることからDXという略語になっています。
DXの明確な定義は定まっていませんが、「経済産業省のDX推進ガイドライン」では、DXを以下のように定義しています。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
引用:経済産業省「デジタルトランスフォーメーションを推進するための ガイドライン(DX推進ガイドライン)Ver.1.0」
DXというと「デジタル化」や「IoTやAIの活用」といったイメージがありますが、経産省の定義を基本とすると「テクノロジーを導入する」ということだけでなく、データやテクノロジーを活用して「ビジネスや生活そのもののあり方を変える」まで至ることがDXとなります。
例えば、「働き方」は身近なわかりやすいDXです。
紙面で管理していたあらゆるデータはデジタルデータで管理されクラウド上に保管。MTGは対面からWeb会議で離れたところにいてもMTGが可能になりました。必ずしも「会社に行く」必要がなくなった結果、会社に行くということ自体が珍しくなった人も多いはずです。
このようにテクノロジーの活用によって生活もビジネスも形が変わったという点で、DXのわかりやすい例といえます。
まとめ
今回は似ている略語としてUX、CX、DXの3つを取り上げましたが、それぞれの意味や内容を見ていくと、意外と私たちが生活で触れているものや身近で起こっている出来事が関係していることがわかり、理解しやすいのではないでしょうか。
SYNCADでは、今後もデジタルマーケティングに関する様々な情報を一緒に学びながらお伝えしていきますので、これからマーケティングに触れる方、既に携わっている方にも、ぜひご活用ください。