【簡単解説】WEB広告/インターネット広告とは?従来の広告との違い・特徴・メリット、種類や基本用語まで解説
2022.03.31
2022.10.03
インターネットの普及や通信環境の向上により、情報収集、モノやサービスの購入、人との交流に至るまでインターネットが主流になっている現在、日々インターネット広告(WEB広告)の需要が高まっています。
企業においてもWEB広告運用が必須となり「WEB広告の運用を始めたい」「WEB広告業界に興味がある」といった方も多いなか、このような疑問や悩みを持っている方も多いのではないでしょうか。
「広告運用を始めたいけど、何から始めればいいかわからない」
「インターネット広告でどんなことが出来るのか知りたい」
「どんな広告の種類があるのか、どの広告が自分・自社サービスに合っているのかわからない」
本記事では、基本的な広告の知識から、従来の広告との違いや特長から、インターネット広告の種類や効果を最大限に生かすために知っておくべき広告効果測定の指標まで解説します。
目次
広告媒体の種類
マス広告(4マス広告)
マス広告は「新聞」「テレビ」「ラジオ」「雑誌」を媒体にした広告です。4マス広告と言います。
WEB広告(インターネット広告)
インターネット広告は、インターネット上のWebサイトやEメールの広告のことです。WEB広告、オンライン広告、デジタル広告とも言われます。
SP広告(セールスプロモーション広告)
マス広告・インターネット広告以外のすべての広告手法をSP広告と言います。
媒体は屋外広告、交通広告、DM(ダイレクトメール)、フリーペーパーなど様々です。認知度拡大やブランディングよりも、直接的に商品やサービスの購入を促す目的で使われます。
WEB広告/インターネット広告は唯一広告費が増え続けている
2021年の総広告費とインターネット広告費
2022年に電通が発表した「2021年 日本の総広告費」によると、2011年から2019年まで日本の総広告費は右肩上がりで上昇を続けています。その後2020年にはコロナの影響を受け一時的に総広告費は減少しましたが、2021年には再び回復傾向です。
総広告費は増加傾向が続いていますが、マスコミ四媒体、プロモーションメディアの広告費は下降の一途を辿っています。反対に、唯一広告費が上昇しているのがインターネット広告です。
2021年には、総広告費における各広告媒体が占める割合で初めてインターネット広告がマス広告を上回りました。今後ますますWEB広告(インターネット広告)の需要は高まっていくことが予想されます。
WEB広告/インターネット広告の需要が増え続ける理由
WEB広告(インターネット広告)の需要増の背景には、大きく2つの理由があります。
生活環境・情報収集方法の変化
インターネットやソーシャルメディアの利用の普及による生活環境の変化は、WEB広告市場拡大の大きな要因となっています。買い物からお店の予約、人との交流、情報収集に至るまであらゆることがインターネット上で行われるようになり、多くの人がインターネットを情報源とするようになった、という環境面の変化です。
WEB広告がマス広告のデメリットを解消
加えて、インターネット広告はマス広告では出来なかったことを可能にしました。マス広告のデメリットの解決により、広告配信の効率を上げ、広告効果も高めることになりました。このような要因からインターネット広告は年々需要と重要度が増しているのです。
では、マス広告とインターネット広告は具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
ここからはマス広告には無いインターネット広告(WEB広告)のメリットを4つ解説していきます。
WEB広告(インターネット広告)の特徴・メリット
細かなターゲティングが可能
WEB広告は従来のマス広告よりも広告配信の精度が高いことが特徴です。商品やサービスに興味がありそうな層、潜在顧客となりそうな層に絞って広告を配信することが可能です。
従来のマス広告の場合、「人が集まる場所」「視聴率の高い番組」「売れ行きの良い雑誌」「自社の商品に興味を持つ人が多そうなテレビ番組や雑誌」など大きな枠単位で広告を出すため、広告を届けたい層に向けてピンポイントで訴求することはできません。
一方WEB広告では、エリア・時間・年齢・性別・ユーザーの興味・関心など細かい要素から絞り込み、商品やサービスを必要としているであろう・または広告を見ることで必要だと思うと見込まれるであろうターゲット層にピンポイントで広告を出すことが出来ます。
ターゲット層にピンポイントで訴求することが可能になったことで、効率のよい広告運用、広告掲載効果の増大を可能にしたことは大きなメリットとなっています。
広告掲載が手軽でスピーディにできる
WEB広告はマス広告より広告掲載が手軽に行なえます。
マス広告などのオフライン広告では、テレビ、新聞、ラジオ、雑誌など各媒体それぞれに掲載依頼をしなければなりません。さらに、広告掲載を依頼してもすぐに掲載できるわけではなく、広告掲載依頼時と実際に広告が掲載される時期では市場状況や興味関心も移り変わっている可能性があり、先を見越した広告掲載準備が必要となります。
WEB広告の場合、広告の作成、入稿までオンラインで行うことができ、集客したいタイミングに合わせて予算、広告配信数の増減、クリック単価までリアルタイムで調整可能。さらに、広告の効果に応じた広告の修正・改善も迅速に行うことが可能です。
広告の効果測定が可能
WEB広告は広告ごとの効果測定が可能です。
マス広告では、「広告を出した」ことによってどれだけの効果が出たのか、また「どの媒体に掲載した広告が効果的だったのか」といったことを調べることが出来ませんでした。
WEB広告で広告ごとの効果測定が可能になると、「広告が狙った通りの効果を出せているか」「どの広告が一番効果があったのか」逆に「不要な広告や改善が必要な広告はないか」といったことをリアルタイムで細かく確認し、検討することが出来るようになりました。
効果が少ない広告の改善、効果の高い広告への予算追加、などの対策がしやすいため、広告効果の継続的な向上がしやすくなっています。
広告費用が安価・初期費用がかからない
WEB広告は費用が安価です。かつ広告費用の発生タイミングがオフライン広告とは異なり、初期費用をあまりかけずに広告を配信することが出来ます。
オフライン広告の場合、広告を出す際に費用が発生します。
オフライン広告では、広告を「1クリック」や「1回表示」されるごとに費用が発生するという形態が一般的です。事前に多くの広告費用を必要とせず、少額の予算でも広告を出すことができます。
■オフライン広告の費用例
- 109シリンダー広告:掲載期間2週間で費用約1,300万(100㎡サイズの場合)
- 山手線の広告(ADトレイン):掲載期間半月で費用1,800万(1編成単位)
■オフライン広告の費用例
- 検索連動型広告・ディスプレイ広告・ショッピング広告・動画広告など
いずれも「1クリック」「1回表示」ごとに課金という形態が一般的
インターネット広告の種類
ここからは、インターネット広告の種類7つを解説していきます。
広告掲載の目的や求める成果によって適した広告が異なるため、基礎知識として理解しておきましょう。
バナー広告
Webサイトやブログ、アプリ上などの広告枠に「画像」や「アニメーション」で表示する広告をバナー広告と言います。Webサイトなどの広告枠を一定期間で買い取り広告を表示させます。
バナー広告のメリット
- 多くの人に見てもらえるため、認知度アップやブランディングに効果的
- ビジュアルの効果で訴求力を高めやすい
バナー広告のデメリット
- 費用が高め
- 枠単位で広告枠を購入するため広告内容の途中変更などの運用ができない
- 広告であるとわかりやすいためクリックされにくい
検索連動型広告(リスティング広告)
検索連動型広告(リスティング広告)は、ユーザーが入力した検索ワードに応じて関連した広告を表示する広告です。
検索連動型広告のメリット
- 広告の配信・停止がすぐに行える
- 自ら興味をもって検索していているユーザーに広告を表示するため成果を得やすい
- クリック単価を自由に設定できる+クリック型課金のため、少額から広告を出すことが可能
- クリック単価を自由に設定できるため予算管理をしやすい
検索連動型広告のデメリット
- ビッグワード(多くの人が検索するワード)を用いると広告費用が高額になる
- 指定したキーワード以外で検索したユーザーには表示されないため、認知度アップや新規顧客の獲得は難しい
メール広告
メール広告はEメールに掲載されている広告です。
文章(テキストのみ)のテキストメールと、画像の利用が可能なHTMLメールの2つの形式があり、送信対象者を絞り込んで送る「メールマガジン型」と、不特定多数のユーザーに送付する「ダイレクトメール(DM)型」の2種類の配信方法があります。
メール広告のメリット
- 他のWEB広告と比べて広告費用が比較的安価
- 見込み顧客に直接アプローチできる
- 広告の情報量が多い
メール広告のデメリット
- メールが開封されないこともある
- 迷惑メールとみなされる場合がある
ネイティブ広告
広告を載せるサイトのデザインや機能に合わせた形で掲載する広告です。Webサイトのコンテンツの間に掲載するなど自然な形で広告を挿入します。
ネイティブ広告のメリット
- 広告であると認識しづらく、従来の手法と比べて広告の視認率が上がる
- 広告自体をクリックしてもらえる可能性が高い
ネイティブ広告のデメリット
- ユーザーが広告と気付かずクリックしてしまいやすいため「記事かと思ったら広告だった」とネガティブな印象を抱きやすい
動画広告/リッチメディア広告
動画広告/リッチメディア広告は、音声や動画、アニメーションを使用した動きのある広告です。動画配信サービスの動画コンテンツ内に掲載するものもあれば、Webサイトのバナー広告の枠に動画広告を掲載することもできます。
動画広告が音や視覚的に目に留まりやすく、よりユーザーへの訴求力を高めることができます。
動画広告は、2011年にYouTubeのインストリーム広告(動画の視聴前に流れる広告)が登場したことで普及し始め、近年はInstagramのストーリーズ広告やTikiTokなどでもよく見かけることが多くなっています。
動画広告/リッチメディア広告は多くのデータ容量を利用するため通信回線に十分な容量が必要になりますが、近年の高速・大容量の通信環境の普及によりリッチメディアの需要が高まっています。今後ますます拡大が予想される広告形態です。
リッチメディア広告のメリット
- ユーザーの印象に残りやすく、訴求力・ブランディング力が非常に高い
- 関心を惹きやすいためリンク先をクリックしてくれる可能性が高くなる
リッチメディア広告のデメリット
- 製作期間が必要となり時間を要する
- 動画制作費用がかかるため広告費用が高くなる
タイアップ広告・記事広告
広告主とメディアが協力・提携して出している広告をタイアップ広告、または記事広告と言います。
例えば、企業が広告宣伝したいときに、既存のメディアに商品やサービスを宣伝するためのPRとして記事を書いて貰い、記事として掲載してもらうようなものです。
SNS広告
SNS広告とは、Twitter、Instagram、Facebook、LINE、TikTokといったSNSプラットフォームに配信する広告です。
SNSはユーザーとより近く接点を持つことができますが、各SNSによって利用者層やライフスタイルが異なり、SNSごとに好まれやすい文体や画像も異なるため、広告を出稿する際にはそのSNSを選ぶかを慎重に考える必要があります。
複数のSNSに広告を出す場合はすべて同じ広告ではなく、各SNSごとに好まれる広告の傾向を把握した上で広告を出すという工夫が必要です。
SNS広告のメリット
- いいねやシェア、トレンド機能により拡散されやすい
- 若年層にアピールしやすい
- 認知度拡大が高くブランディングがしやすい
SNS広告のデメリット
- 拡散力が高く炎上の可能性もある
- 定期的に効果測定を行い、投稿の内容やユーザーの反応の良い時間帯など改善する必要がある
WEB広告/インターネット広告の効果測定で使われる用語
WEB広告の効果測定にはいくつかの指標があります。
この記事ではWEB広告の効果測定の際に使用される主な用語9つを解説します。
WEB広告の指標
Impression|Web上に広告が表示されること
広告がユーザーのWeb上に表示されることをImpressionと言い、Impやimpsと略されることもあります。
広告がユーザーに表示された回数をインプレッション数と言います。
Click|広告や広告記事内のリンクをクリックすること
Web広告では、表示された広告や、広告記事内のリンクをクリックされることを言います。
クリックされた回数をクリック数と言い、広告の成果指標の計算によく使用されます。
CPM|広告表示回数1000回にかかった費用
CPM=Cost Per Milleで、訳すと「広告インプレッション(=広告表示)1000回あたりにかかった費用」となります。Milleはラテン語の1000あらわす単語です。
広告が表示された回数をimpressionと呼ぶことから、インプレッション単価と呼ばれることもあります。
■算出方法:CPM(円)= 費用(Cost)÷ 表示回数(Imp)×1000
■単位:円
WEB広告の成果指標
CTR|クリック率
CTR=Click Through Rateの略で、広告が表示された回数に対してどれだけクリックされたかの割合を表す指標です。
■算出方法:CTR = Click(クリック数) ÷ Imp(表示回数) × 100
■単位:%
CPC|クリック単価
CPC=Cost Per Clickの略で、クリック1回にかかった費用を表し、クリック単価とも言われます。
■算出方法:CPC = Cost(費用)÷ Click(クリック数)
CV|広告から成果を獲得すること
CVはConversionの略で直訳すると変換という意味になりますが、Web広告におけるコンバージョンは成果や獲得といった意味で使われます。
広告を出した結果、広告によって目指す成果が獲得できたことをコンバージョンと言い、コンバージョンに至った回数をコンバージョン回数として表します。
「サイトの会員登録」「メルマガ登録」「サービスの契約」「商品の購入」などゴールは様々です。
例えば「自社サイトから商品を購入してもらう」をゴールとした場合、ユーザーが広告表示から広告をクリックして自社サイトの商品紹介ページにアクセスしてもらい、そのまま商品を選び決済が完了すると1コーンバージョンを獲得できたことになります。
CPA|コンバージョン単価
CPAは=Cost Per Acquisitionの略で、成果(CV)1件にかかった費用のことを言います。
■算出方法:CPA(円) = Cost(費用)÷ CV(成果)
■単位:円
CVR|サイトへのアクセスからCVに至った割合
CVR=Conversion Rateの略で、サイトにアクセスしたユーザーのうち、CVを獲得した割合を表す指標です。獲得率とも言います。
■算出方法:CVR =( CV(獲得件数)÷ CL(クリック数))× 100
■単位:%
ROAS|広告費用対効果
ROAS=Return On Ad Spendの略で、広告費用に対して得られた売上金額の割合のことです。
■算出方法:ROAS=(売上÷広告費用)×100
■単位:%
まとめ
- 広告には「マス広告」「WEB広告」「SP広告」の3種類がある
- 唯一広告費が増え続けているのがWEB広告(インターネット広告)
- 生活環境・通信環境・情報収集手段の変化とマス広告のデメリットを解消したことがWEB広告の需要を増大の要因となっている
- WEB広告には「広告のターゲティング精度の向上」「安価で手軽・スピーディな広告掲載」「広告効果測定が可能」といったメリットがある
- WEB広告には主に7つの種類があり、目的や予算に応じて使い分けが必要