近藤塁が語る、個の時代のマーケター成長術

インタビュー 近藤塁(こんどう るい)

Web広告・マーケティングのいまをお届けするsyncAD(シンクアド)インタビュー第2弾は、個人事業主としてマーケティングコンサルタントや広報、事業計画、アライアンス。セミナーのモデレーターなど幅広く活躍しているマーケターの近藤塁氏に「若い世代のマーケター」の方へのキャリアについてお伺いいたしました。マーケターの将来、キャリア形成に不安がある方は必見ですのでぜひお読みください。

はじめに

はじめまして。近藤塁と申します。

個人事業主として主にマーケティングに関する領域のスキル・ノウハウを色々な会社に提供しています。
かっこ良くいうとマーケティングコンサルタントと言ったところでしょうか。
具体的には広告プランの立案や運用、広報業務を中心に、事業企画やアライアンスにも踏み込んだ活動もしています。

こんな方に特に読んでいただきたい

syncADの読者は事業会社の広告・宣伝担当の方、広告代理店の運用の方、かつデジタル領域の方が多いかと思いますので主にそういう方々を想定しています。
僕自身マーケターとしてのキャリアは前職、事業会社でのデジタルマーケティング担当から開始しています。
その後TVCMやオフラインイベント、紙媒体への出稿などにも携わって行きますが、いまでも仕事の多くはデジタル領域が中心です。

「プロモ担当」から「マーケター」へ

皆さんの業務の多くは広告メニューの選定→出稿→分析→改善という事になるのでしょう。もちろんこれは重要なマーケティングの業務の一つで極めれば深いですし、時には劇的に広告効果が良くなる事もあるかと思います。

しかしマーケターとしてこの領域のみに留まっていると中々仕事の幅も増えないし、結果的に評価も所得もついては来ないのではないでしょうか。

これは少し考えてみれば当然です。評価というものは事業への貢献で決まるわけですが、広告運用の事業全体におけるインパクトって果たしてどのくらいなのでしょうか。

例えば広告のCTRが20%改善したら広告効果としてはかなり良いと考えられますが、事業の売上が20%上がるという訳ではないですよね。
仮にあるプロダクトが市場の変化で売上が毎月5%落ちているような状況で広告のCTRがちょっとあがったところで事業的には焼石に水、あるいはむしろ広告を出す事自体が無駄になっている事もありえます。このときに事業としてよりリソースを割くべきは広告ではなくプロダクトの改善かもしれません。

そんな時にはたして「今は広告一旦止めた方が良いです」と言える担当者はどれくらいいるでしょうか。
広告代理店側にいるとこれは難しいのもわかりますが、事業会社のマーケ担当でも中々言える人は少ないのではないかと思います。
担当領域があり、追わされているKPIがあるので当然です。

特に大きな組織で多いですが部門毎にKPIを追っていて、広告・宣伝の部署であればCV、CPA、ROASばかり見ており事業全体が視野に入らず、たこつぼ的になってしまう事は往々にしてあります。

「プロモ担当」としての評価以上のものを得ようと思ったら、ここを突き破ってより高次の事業貢献ができる本当の意味での「マーケター」になる必要があります。

マーケティングとは

そもそもマーケティングとは何か。
「マーケティングの4P」という言葉があります。

例えばとあるtoC向け製品の事業であれば、自社の商品で価値を提供し【Product(製品)】、市場・ユーザに受け入れられる値付けをし【Price(価格)】、店舗やECで販売し【Place(流通)】、WEB広告やTVCMで商品を知ってもらう【Promotion(広告)】、ということがマーケティング活動になります。
これらの頭文字をとって4Pと言っています。

つまり広告(Promotion)はマーケティング活動の一部でしかありません。
先程の例で言うと、Promotion以外の3要素に注力すべき状況だったわけです。

マーケティングの実践

広告担当が広告以外の提案をすることは組織にもよりますが難易度は高そうです。

でも広告担当は調査も任されているケースは多いでしょう。
ユーザ調査を実施してProduct(製品)のボトルネックを探す、競合のPrice(価格)やPlace(流通)を調べフィードバックするなども可能なはずです。

そうしていき周囲から認められるうちに段々と任される領域が増え、プロモ担当から徐々に事業プロデューサーに近づいていくはずです。
これが広告代理店の立場であれば、アカウント担当や運用担当からコンサルに近づいていくイメージです。

マーケティングを突き詰めて行くと広告担当の枠からははみ出てくるわけです。
僕自身もプロモ担当として広告に関して多くの経験を積んだのちに、より本質的にマーケティングの実践を考えた時に事業プロデューサーのポジションがある職場に転職をしています。

いま転職と言いましたが、会社によっては「たこつぼ的」プロモ担当からどうしても次につながらない状況もあるかと思います。
その場合は職場を変えるというのも一つの手だと思います。
企業側も領域を広げたいという前向きな動機であれば十分採用理由になるのではないでしょうか。

会社で出来ないなら副業でも良い

先程、転職も一つの選択肢としましたが必ずしも転職しなくても実践できる手段があります。
副業としてマーケティングのお仕事を請け負ってしまうのです。
昨今は副業・複業を認める会社も徐々に増えてきていますし、逆に副業として働いてくれる人の需要も増えてきているように思います。

特に広告の運用経験がある方なら仕事自体は比較的簡単に見つかるのではないでしょうか。

そこにプラスして本業よりも領域を広く扱うための提案をして行くのです。

ここで一つ注意が必要ですが、本業とほとんど同じ内容の仕事はプラスアルファの経験になりづらいのでお勧めできません。
短期的には得意なことでお金もプラスで入るので一見良いように思えますが、単に忙しくなるばかりで新しいことを習得したり仕事の領域を増やしてキャリアを形成する意味ではかえってマイナスになってしまいます。

ちなみに冒頭、自己紹介として個人事業主としてマーケティングコンサルタントをやっていると言いましたが実はその一方で会社員としてとある会社で普通に働いてもいます。
本業と近いことをやってただただ忙しくなってしまったのも僕の体験談です。
今は少し違うことをしているおかげで会社員とはまた違った経験を並行してする事が出来、全体として仕事の幅は広がってきているように思います。

自分自身をマーケティング

副業、というか個人事業主として仕事を取っていくとマーケターとしての脳を使う場面が多々あります。

どんな価値を提供し、対価はいくらもらい、どこで依頼を受け、どうやって自分を知ってもらうのかを考える必要があるわけです。
これ、まったくもって先程挙げた「マーケティングの4P」そのものですよね。
つまり自分自身がプロダクトであり、それを広めていくマーケティング活動と言えることができます。

例えば自分自身で言うと、

  • 流行りの副業プラットフォームで仕事を探すと他のマーケターと競争になり単価が低くなりがちなので他の手段で仕事を探す
  • 信頼性UPのためにセミナーに登壇し、その情報をSNSで投稿する
  • 広告だけでなく広報や事業企画も担い付加価値をあげる

というようにまさにマーケティング活動そのものを行っています。
ひとは現金なもので自分自身の収入に直結すると、真剣にこれらを考えるので多くの試行錯誤を行い結果的に多くの経験値がたまります。

終わりに

今回、若い世代のマーケターに向けてという事で執筆いたしました。
僕の経験が読んでいただいた方がキャリアを考える上で参考に少しでもなれば幸いです!

現在、新型コロナウイルスの影響もある中、テレワークでのご対応、ご協力ありがとうございました。

近藤 塁プロフィール

近藤 塁(こんどう るい)
近藤塁(こんどう るい)
事業会社マーケターを経て2018年10月より個人事業主としてマーケティングコンサルタントを開始。
現在は複数社のマーケティングをサポート中。

広告領域だけでなく広報、事業企画、アライアンスなど幅広い領域を扱っている。

公式Twitter:https://twitter.com/rui_kondo




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