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フューチャーショップ CEO 星野裕子氏インタビュー、月額1万円台からライブコマースを始められる 「Live cottage(ライブコテージ)」とは

時計2022.09.08

更新2022.09.08

フューチャーショップ CEO 星野裕子氏インタビュー 月額1万円台からライブコマースを始められる 「Live cottage(ライブコテージ)」とは

株式会社フューチャーショップ

futureshop(https://www.future-shop.jp/)シリーズは、未来に向けたコマース戦略を創造するSaaS型ECサイト構築プラットフォームです。オムニチャネル対応には実店舗とECの顧客統合を行い、さらにきめ細やかなデジタルマーケティングを目的とした、O2Oを実践するポイント統合、実店舗在庫表示機能も備えた「futureshop omni-channel」も提供しています。今回、リリースしたライブコマース機能「Live cottage」は、futureshopシリーズで構築された自社ECサイト上でブラウザを通じて直接ライブコマース配信ができる機能になっています。リリース背景や特徴、実際にLive cottageをつかう店舗様の事例、Live cottageを活用して出来ることをフューチャーショップ CEOの星野裕子氏にお話をお聞きいたしました。

リリース背景と目的

ここ数年、ライブコマースの注目度は高まっていますが、現在の市場規模はどのくらいですか。将来的にはどれほど成長すると見ていますか

確かに、コロナ禍においてかなり急激に注目されるようになりましたね。『日経クロストレンドマップ2022上半期』においても、「ライブコマース」というキーワードは「将来性」スコアが最も伸びたワードの一つです。2020年の4月ぐらいから、私たちのお客さまも急にインスタライブを始められたので、「これはライブコマースの波が来るな」と思い、その頃から「ライブコマースを会社のプロダクトにしたい」と考え始めました。

市場規模ですが、リサーチ会社のデータでは、「2024年に10兆円まで拡大する」と予想されています。また、2019年時点の中国のeコマース全体におけるライブコマース率が3.4%ということをふまえ、2020年の日本のBtoC eコマース実績の19兆2779億円の3.4%である6,550億円は見込める、という説もあります。

ただ、実際のところ、日本でのライブコマースはまだそれほど普及していないと思っています。その理由として、中国と比較してライブコマースから購入しても大幅な値下げがないこと、eコマースの信用度がそもそも高いので、KOL(キーオピニオンリーダー:消費者の購買意志決定の際に強い影響力を持つ者。インフルエンサーなど)の情報で購入を決める文化がないことなどがあるかと思います。

それでもライブコマースの重要性は高まっていくのでしょうか

まず、とても印象的なお客さまの事例があるので、紹介させてください。そのお客さまはある温泉街で温泉コスメを販売されていました。ところが、新型コロナウイルスの感染拡大により旅行される方がいなくなり、リアルの店舗では商品が売りづらくなったため、インスタライブを始められました。もともとそのブランドの温泉コスメを使っていたインフルエンサーが「温泉コスメの社長さんに非常にお世話になったし、ファンとして応援したい」ということで始められたんです。

ライブはとても感動的でした。社長さんの「温泉や地域に密着して盛り上げたい」という気持ちがすごく伝わってきましたし、お客さまからの応援もたくさん届いていました。もともとこちらのブランドでは、製品をリピートしてくださったお客さまに手書きのお手紙を送っていたんです。そういうつながりが築かれていたこともあって、ライブの告知とともに、お客さまからたくさんのメッセージが寄せられました。ライブの終わりには社長さんも涙目で。応援してくださるお客さまがこれだけいらっしゃるということが、すごく実感できたライブでした。生の声でブランドを応援できる、お客さまの声を生で聴ける、そんなeコマースって素晴らしいと思います。そういう世界観をこの時のインスタライブで目の当たりにしました。

月額1万円台からライブコマースを始められる 「Live cottage(ライブコテージ)」とは

この事例のように、優良顧客のコミュニティを作っていくことは、ブランドにとって将来の糧になっていきます。私たちがライブコマースを重視する理由の一つもここにあります。

というのも、eコマース市場は2020年、2021年ともに、前年比1.6倍超の新規顧客を獲得していますが、2022年度に入って盛り上がりはいったん落ち着いています。ここ2年のような成長がずっと続くわけではないと思っていたのでこの流れは当然ですが、今後もeコマースで継続して売上を上げるには、獲得した顧客のリピート施策と顧客のファン化・優良顧客化が必要なのです。

それから、コロナ禍においてネットとリアルの融合が起き、店頭顧客がネット顧客に、店頭販売がネット接客にシフトしています。そして消費者は、ネットでも店頭でも同じサービスが受けられる、同じショッピング体験ができる、と考えるようになっているのです。その変化の中で、OMOに着手する企業さまはすごく増えました。私たちが提供しているオムニチャネルのプロダクトを導入された企業さまは、2019年末の59ブランドから107ブランドに増加しました。アパレルブランドだけではなく、食品を扱うブランドも含まれています。ネットで購入して店舗で受け取るBOPISの導入や利用も活発化しています。新たなeコマースの時代が来ている、と私は認識しています。

Live cottageで実現できること

Live cottageは他のライブコマースと比較してどのような特徴があるのでしょうか

まず、購入動線が明確です。ライブ中でも、紹介している商品のサムネイルからすぐに商品ページに飛ぶことができます。「さあ、買うぞ!」と思ったときにすぐに購入できる強みがあります。いっぽう、SNSのライブ配信機能だと、ライブ中に紹介されているアイテムの商品ページへの遷移が難しく、また、ライブから離れて欲しくないこともあり、だいたいはライブが終わったあとに販売開始されます。これでは本当にライブの効果で売れたかどうかも分かりにくいんです。

それから、ウェブ視聴なので誰でも視聴可能です。顧客層によっては、「インスタアカウントを持っていないからインスタライブは使えない」という方が結構いらっしゃいます。商材によっては、ECサイトの顧客が全員インタグラムを使っているわけではないのです。

あとは、凝った配信が可能なので、カメラスイッチやライブ中に別の動画を再生することなどができて、いろいろなアプローチでかなりリアルに商品を伝えることができます。食品ですとシズル感あふれるムービーを流したりしていますね。SNSソーシャルコマースだと、アプリを使って手軽に配信ができるメリットはありますが、あまり凝ったことはできません。

クローズド配信ができるのもLive cottageの大きなメリットです。ファミリーセールなど、お得意さまのみの限定配信が可能になります。インスタライブなどでは一斉配信しかできません。クローズド配信ができれば、先ほどお話ししたコミュニティ感もすごく出ると思います。

PDCAサイクルに活用できる分析機能も搭載しています。それから、ちょっと細かい機能になりますが、例えばライブ中にお客さまの声にこたえるかたちで商品をライブのアイテムリストに追加できる機能があります。

ただ、Live Cottageはリリースしたばかりですから、できないこともまだまだあります。配信には必ずPCが必要なこともそのひとつです(配信アプリは開発中)。今後のアップデートでLive Cottageの「できないこと」をどんどん改善していきたいと思っています。

Live cottageの事例

具体的な導入事例について紹介してください

クロシェさんというアパレルブランドをご紹介します。こちらのブランドは、全国のポップアップで販売員をされているMiki&Sayoさんというお二人がライブコマースをされるのですが、すごいのは、お二人ともお客さまがライブに来たら、「福岡で買いに来ていただいた○○さんですか」と、すぐに気づかれるんです。インスタライブも頻繁に配信して、「ライブコマースにも同じアカウント名でいらしてくださいね」とお伝えして、お客さまがいらっしゃると、「福岡の○○さんですね」「仙台の□□さんですね」と分かっているんです。だからお客さまにとって、Live Cottageでクロシェさんのお買い物をするのは、「常連さん・お得意さま」としてお買い物をしていることになります。例えるなら、百貨店の外商でお買い物をしているような体験と言えるでしょうか。

実際にLive Cottageを利用してライブコマースを行っている「クロシェ」様
実際にLive Cottageを利用してライブコマースを行っている「クロシェ」様

それで、お二人が話をしている途中で、お客さまのほうから「それを見せてください」「あれを見せてください」と声がかかります。一方では、お二人が「○○さん、この前お買い上げいただいたスカートにこの靴は絶対合うと思いますよ」とおすすめして、やりとりが生まれたりもするんですよね。

クロシェさんは、もともと販売力がすごいこともありますが、Live cottageでの平均コンバージョン率は実に11.4%です。加えて受注客単価はECサイト1.4倍でした。

何が起こっているかというと、例えば、定番のスカートは色違いで新色がどんどん発売されて、クロシェファンのお客さまは新色が出るたびに欲しくなるんです。なので、3色まとめてご購入される方も。あるいは、上から下までコーディネート買いをするなど、一人あたりの購入点数がすごく多いので、客単価が高くなるのです。こういった現象がライブコマースならではの密なコミュニケーションや熱量で生まれます。配信中の「ポチってしまいましたー!」というお客さまからのコメントはライブをものすごく盛り上げますよ。

ちなみにクロシェさんのケースでは、導入に際してどれくらいの見積もりになりますか

Live cottageの場合、クロシェさんのような濃いコミュニケーションが可能な範囲の規模で配信していただくことを主に想定しています。具体的には、開催のスパンは短めで定期的に、視聴者が常時100人ぐらいの規模で配信していただくのが良いと思っています。そして、その規模のライブを1回60分で月2回開催する場合、月額18,000円でご利用いただけます。厳密に言うと、12,000mvp※分をこの金額で提供しています。

※mvp(one minute viewing per person)=ライブ視聴者1名が、1分間視聴するデータ量

これまでの実績上、視聴維持率平均が41%なので、100人常時視聴してもらうとなると244人にライブに参加してもらう計算になります。たとえばクロシェさんのCVRだと28人のお客様が購入に至る計算になるので、それに客単価をかけると、だいたい1回のライブでの売上が計算できると思います。それが月2回できた場合の売上と、月額18,000円の費用対効果を検討いただければよいと思います。

(実際には、ライブだけでなくアーカイブを公開される場合が多いので、その再生回数と公開期間によって、mvp消化はもう少し多くなります。)

このほか、24,000mvpが34,000円でご利用可能なExpertプランと、75,000mvpが100,000円でご利用可能なFor Brandプランがあります。For Brandプランは、例えば、常時600人視聴のライブを1回60分で月2回配信できます。

Live cottageの特徴

Live cottageの最大の特徴・ポイントは何でしょうか

ブランド・販売者側のヒトを介したコミュニティ創りを目指しているライブコマース」ということです。単に「ライブで販売します」ではなく、ブランドを応援する人のリアルな声援を企業のパワーにしたいのです。

ライブ配信で双方向のコミュニケーションをするなら、SNSプラットホームが持つライブコマース機能で事足りるかもしれません。だけど、ライブコマースというツールと自社のeコマースの連携を強化することによって将来的にできることがたくさんあると思います。例えば、会員データとライブコマースを連携することで、その顧客のライブの参加回数やコメントの回数、ライブでの購入回数や購入アイテムなどが顧客データとして格納され、マーケティングに活用できます。

これらはECサイトの規模の大小問わず、重要な戦略になってくると思っています。

今はまだ、ここまでの機能を実装できていませんが、ライブコマースが秘めている大きな可能性を信じ、開発に邁進してまいります。

Live cottageでは、自社ECで購入・決済が完了

自社ECサイト内でライブ配信を実施することができます。ライブ配信に参加し、商品ページを見ていただき、そのまま購入が可能になっています。Live cottageでは既にある商品ページを活用できます。ライブから購入へのスムーズな導線

ライブから購入へのスムーズな導線

Live cottageの特徴

低価格・ライブの成果も分析可能

他社のライブコマースプランだと月額10万円~と導入ハードルが高いものや、一見安価に見えますが、売上手数料が発生するサービスもあります。Live cottage は、月額18,000円という低価格からライブコマースに取り組むことができます。

料金プランは3種類用意されています。「ライブ視聴者数」とその「視聴時間」によって料金が変動します。そのため、自社ECサイトの規模にあわせて柔軟なプランが選択可能になっています。

SNSを活用したライブコマースでは、配信後に分析できる指標が「参加人数」や「いいね数」のみで、ライブ配信の成功・失敗の判断材料が不足しています。 Live cottageでは、“EC事業者が必要とする成果指標”である“商品クリック数”などの独自項目を確認できるので、ライブ配信後の振り返りと改善が可能になっています。

EC事業者へのメッセージ

今後、ライブコマースはどういう存在になっていきますか

eコマースは、検索性やレコメンデーション、パーソナライズの部分で非常に有効性が高く、これらの特性はプル型の消費を促します。SNSソーシャルコマースは、企業やインフルエンサーの世界観を発信することで消費を促す、共感型消費を促進します。

一方、店舗販売の場合は、実物確認と接客による信頼性、それからリアルならではの偶発的消費を生み出すところに強みがあります。例えば、「ピンクの服は似合わない」と思っている人が、販売員さんと話をしている中で「ピンクもお似合いですよ」と言われ、買ってしまうことってありますよね。こういう出会いは実店舗の接客でしか生まれないと思います。

ライブコマースは、eコマースやSNSソーシャルコマースが得意とすることを実現しつつ、実店舗ならではの信頼性と偶発的消費もデジタル上で実現できる、というものです。見ている人たちとデジタル上でつながることで、共感を超えたコミュニティ感を生み出し、「みんなでそのブランドを応援している」一体感も生み出すのです。

これからお客さまとのつながり方はもっともっとエモーショナルになっていくと思います。その時に重要なのは「ヒトの想いがあるテクノロジー」です。このテクノロジーで、私たちは皆さんに「より良いコマース環境」をお届けし続けてまいります。Live cottageの料金体系も、「18,000円でチャレンジできる」ということで設定しています。Live cottageを活用して、中小企業の方も気軽にライブコマースに着手していただきたいですね。

終わりに

既にfutureshopを利用している事業者様は月額1万円台からライブコマース配信ができるため、アパレル商品だと商品の素材感やサイズ感も動画でみて購入検討いただけます。社内のスタッフがユーザーに向けてライブコマースを行い店舗の雰囲気や自社商品のより詳しい説明もできる点もおすすめです。

SNSを利用したライブコマースとは違い、カメラスイッチや途中でCMの様な動画再生など凝った配信も可能です。「あっこの商品も紹介したい」と言う場合もライブ配信中に商品を追加する事が可能で、そのままお客様は商品を購入することも可能になっています。アプリのインストールも必要なく年齢問わず観られるユーザーも増えるため、EC事業者様はぜひご活用いただけると嬉しいです。

この度はお忙しいところ貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました!

株式会社フューチャーショップ CEO 星野裕子

株式会社フューチャーショップ CEO 星野裕子

2002年、サーバーホスティング会社の株式会社フューチャースピリッツ入社。翌年「EC構築・運用ASP FutureShop」をローンチ。2010年にEC事業を分社、株式会社フューチャーショップを設立し、代表取締役に就任。完全インドア派。ストレス解消はMinecraftでひたすら整地。

「Live cottage(ライブコテージ)」サービス概要

futureshopで構築されたECサイト内にライブ配信会場を設置し、お客さまに対してライブコマースを展開できるオプションサービス。

<メリット(一例)>
・Webブラウザから誰でも簡単にアクセス可
・配信準備には、機材や通信などの配信環境を揃えるのみ
・オプションを申し込むだけで、システム開発を行う必要なし
・ライブコマース成功に向けた集客やコンテンツ企画業務に集中できる
・月額1万円台〜プラン様々ご用意。売上手数料は発生しません

futureshopについて

フューチャーショップが提供するfutureshop(https://www.future-shop.jp/)シリーズは、未来に向けたコマース戦略を創造するSaaS型ECサイト構築プラットフォームです。 

国内向けfutureshopはCMS機能commerce creatorで高いデザインカスタマイズの自由度と更新性を実現している他、ロイヤルティマーケティングに取り組める豊富な機能を有しています。オムニチャネル対応には実店舗とECの顧客統合を行い、さらにきめ細やかなデジタルマーケティングを目的とした、O2Oを実践するポイント統合、実店舗在庫表示機能も備えた「futureshop omni-channel」がご利用いただけます。

 また、プラットフォーム自体の機能が充実しているだけでなく、他システムとも多数連携し、柔軟性や拡張性にも優れています。“売上を創るEコマースプラットフォーム”を目指し、プロユースに応える高機能であることにこだわり、EC事業者さまの「やりたいこと」にとことんお応えします。

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Live cottage

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