
目次
hotice株式会社は、全国の生活者を対象に、日本人のSNS利用状況や利用頻度に関する意識調査を実施しました。
本調査では、利用しているSNSの種類や日常的な利用頻度、利用目的、商品・サービスとの接触状況などについて多角的な質問を行い、日本人の情報接触行動の実態を可視化しています。
特に、複数のSNSが併用されている一方で、日常的な利用は一部のプラットフォームに集中している傾向が見られました。
また、SNSは娯楽や情報収集の場として使われることが多く、商品やサービスについては「知る段階」で接触するケースが中心となっています。
https://hoticeglobal.com/blog/trends/japanese-social-media-usage-2026-survey/
■ 調査概要
■ 調査背景と目的
SNSは、日本人の情報収集や娯楽、コミュニケーションの手段として日常に定着しています。
一方で、日本市場を外から見る際には、「どのSNSが使われているか」という表層的な情報が中心になりがちで、実際にどの程度の頻度で利用され、どこに接触が集中しているのかといった行動実態は、十分に共有されていません。
特に、日本では複数のSNSを併用する使い方が一般的であり、海外で主流のプラットフォームや利用スタイルが、そのまま当てはまらないケースも多く見られます。
この違いを理解せずに施策やコミュニケーション設計を行うと、期待した効果につながりにくい可能性があります。
そこで本調査では、日本人のSNS利用状況や利用頻度、利用目的を整理し、日本市場における情報接触行動の特徴を明らかにすることを目的としました。
本調査結果を、日本市場を理解するための基礎データとして活用できる形で提供します。
■ 主な調査結果

まず、日本人が現在どのSNSを利用しているのかを把握するため、複数選択で回答を求めました。
この設問では、日常的に触れているSNSの広がりを確認し、日本人の情報接触環境の全体像を捉えることを目的としています。
最も利用率が高かったのは YouTubeで85.7%(452人) でした。
次いで LINEが76.9%(406人) と続き、日本では動画視聴系とメッセージング系のSNSが広く使われていることが分かります。
その後に X(旧Twitter)60.0%(316人)、TikTok 58.4%(307人)、Instagram 52.0%(274人) が並びました。
複数の主要SNSが、ほぼ同水準で併用されている点は特徴的です。
一方、海外では情報収集や議論の場として利用頻度が高い Redditは3.60%(19人)、Quoraは3.0%(16人) にとどまりました。
これらのプラットフォームは、日本ではまだ一般的な情報接触の場にはなっていません。
LinkedInも3.60%(19人) と低水準でした。
日本では、ビジネス用途のSNSが日常的に使われる割合は限定的だと読み取れます。
この結果から、日本人のSNS利用は一つのプラットフォームに集約されているわけではなく、用途に応じて複数のSNSを使い分ける前提で成り立っていることが分かります。
また、海外で主流のSNSがそのまま日本でも定着するとは限らない点は、日本市場を理解するうえで重要な特徴と言えるでしょう。

Q1では「利用しているSNSの広がり」を見ましたが、この設問では日常の中で最も時間を使っているSNSがどこかを明らかにしています。
複数併用が前提の日本において、「最もよく使う1つ」を選ばせることで、利用の集中先が浮かび上がります。
最も多く選ばれたのは YouTubeで37.7%(195人) でした。
Q1でも利用率は高かったものの、「最もよく使うSNS」としても突出しており、日本人の情報接触や娯楽の中心が動画に置かれていることが分かります。
次に続いたのは X(旧Twitter)17.8%(93人)、LINE 17.8%(91人) です。
速報性の高い情報取得や日常的なコミュニケーションが、YouTubeに次ぐポジションを占めています。
TikTokは13.8%(71人)、Instagramは12.1%(63人) となりました。
いずれもQ1では半数前後が「利用している」と回答していましたが、
「最もよく使うSNS」としては、YouTubeやX、LINEほど集中していません。
注目すべきなのは、Reddit、Quora、LinkedIn、WhatsApp、WeChatはいずれも0%だった点です。
海外では日常的に使われるこれらのプラットフォームも、日本では「主軸のSNS」としては選ばれていません。
この結果から、日本人のSNS利用は広く併用はするが、日常的な接触はごく限られたSNSに集中している構造であることが見えてきます。
海外市場で影響力のあるプラットフォームをそのまま日本に当てはめても、主戦場にはなりにくい点は、重要な示唆と言えるでしょう。

SNSが「使われているかどうか」以上に重要なのは、それがどれほど日常に組み込まれているかです。
利用頻度を見ることで、日本人にとってSNSが習慣なのか、補助的なツールなのかが見えてきます。
最も多かったのは、「ほぼ毎日、1日に何度も利用している」71.7%(369人) でした。
7割以上が、SNSを1日の中で繰り返し確認している状態にあります。
これに、「ほぼ毎日、1日1回程度」16.3%(85人) を加えると、毎日SNSを利用している人は合計で88.0% に達します。
日本人のSNS利用は、例外的な行動ではなく、日常行動として定着していると言えます。
一方で、「週に数回」7.3%(38人)、「週に1回程度」2.3%(12人)、「ほとんど利用しない」2.50%(13人) と、利用頻度が低い層も一定数存在しています。
この結果から、日本人のSNS利用は、「ほぼ毎日使う多数派」と「距離を保つ少数派」にはっきり分かれている構造であることが分かります。
全員が同じ温度感でSNSに接しているわけではありません。

SNSの利用頻度が高いことは分かりましたが、それだけでは、日本人がSNSをどう位置づけているのかは見えてきません。
そのため、SNSがどんな役割で使われているのかを確認します。
最も多かったのは、「娯楽・暇つぶし(動画・投稿を見る)」75.5%(389人) でした。
SNSは情報ツールである以前に、日常的な娯楽の場として強く機能していることが分かります。
次いで多かったのが、「情報収集(ニュース・商品・トレンドなど)」67.8%(353人) です。
多くの日本人が、SNSを通じて世の中の動きや新しい情報に触れており、娯楽と情報収集が並行して行われている構造が見えてきます。
「友人・知人との交流」は40.0%(206人) です。
メッセージングやコメントを通じたコミュニケーションも一定の比重を占めていますが、閲覧中心の使い方と比べると割合は低めです。
その他には、「発信・自己表現」17.2%(90人)、「仕事・ビジネス」16.9%(87人) は2割未満にとどまりました。
日本では、SNSを積極的に発信や業務目的で使う人は限られていることが分かります。
日本人のSNS利用は、「見る」「消費する」目的が中心で、発信やビジネス利用は補助的
という特徴を持っていると言えます。
海外で一般的な「議論の場」「自己主張の場」としてのSNS像とは、やや異なる姿です。

SNSの利用が日常化する中で、「SNS上で、商品やサービスを知ることはありますか。」という設問を設け、実際の接触経験を尋ねました。
最も多かったのは、「ときどきある」49.2%(255人) です。
SNS上で商品やサービスを目にすることは、特別な体験ではなく、日常の中で断続的に起きていることが分かります。
これに、「よくある」35.8%(185人) を加えると、SNSで商品やサービスを知ることがある人は85.0% に達します。
多くの日本人にとって、SNSはすでに主要な情報接触の入口になっています。
そして、「あまりない」10.2%(53人)、「ほとんどない」4.2%(21人) と回答した人も一定数存在します。
SNSを使っていても、必ずしも商品情報に注意を向けていない層がいることも事実です。
ここで重要なのは、この設問が「購入したかどうか」ではなく、「知ったかどうか」を問うている点です。
日本人はSNSを通じて商品やサービスに触れてはいるものの、その多くは能動的に探した結果ではなく、閲覧や娯楽の延長線上で偶発的に接触しています。

SNS上で商品やサービスを「知る」ことが多い一方で、どのSNSが実際に認知や興味に影響しているのかは別の話です。
この設問では、影響を受けやすいSNSを1つだけ選んでもらいました。
最も多かったのは YouTubeで35.4%(182人) でした。
Q2の「最もよく利用しているSNS」と同様に、商品やサービスへの関心を高める場としても、YouTubeが中心に位置しています。
次に続いたのは、TikTok 18.2%(93人)、X(旧Twitter)17.1%(89人)、Instagram 19.44%(101人) です。
短尺動画、速報性の高い投稿、ビジュアル中心の発信と、異なる特性を持つSNSが、ほぼ同水準で並んでいます。
一方、LINEは5.2%(27人) にとどまりました。
日常的な利用率は高いものの、商品やサービスへの興味喚起という点では、動画や投稿を閲覧するSNSほどの影響力は持っていないことが分かります。
海外で情報探索や議論の場として使われることの多いRedditとQuoraはいずれも0.2%(各1人) でした。
日本では、これらのプラットフォームが商品やサービスの認知に直接影響するケースは、まだ極めて限定的です。
日本市場では、SNSが「調べる場」よりも「感じる場」として機能している側面が強いかもしれません。
この構造を理解せずに海外向けの施策をそのまま当てはめると、期待した効果は得られにくい可能性があります。

これまでの設問では、利用頻度や目的、影響を受けやすいSNSを見てきました。
最後に、日本人自身がSNSとの向き合い方をどう捉えているのかを確認します。
最も多かったのは、「複数のSNSを使い分けている」46.0%(238人) でした。
日本人の約半数は、用途や場面に応じてSNSを切り替える前提で利用しています。
次に多かったのは、「必要なときだけ使う」25.3%(131人)、「1つのSNSを中心に使っている」23.0%(119人) です。
常にSNSに接続し続けるというより、目的に応じて距離を調整している人も少なくありません。
一方で、「あまりSNSは使わない」4.4%(22人) にとどまりました。
利用頻度が低い層は少数派であり、多くの日本人にとってSNSは、何らかの形で生活に組み込まれている存在だと言えます。
この結果から見えてくるのは、日本人のSNS利用が単一プラットフォームへの依存ではなく、選択と使い分けによって成り立っているという点です。
YouTube、X、Instagram、TikTokなど、それぞれ役割の異なるSNSを横断的に使う姿が前提になっています。
この「分散型」の使い方は、情報の受け取られ方や、商品・サービスの伝わり方にも大きく影響します。
日本市場を理解するうえでは、どのSNSを使うかだけでなく、どう組み合わせて使われているかを見る視点が欠かせません。