生成AIをビジュアルアイデアや画像の生成に活用している国内企業は27% 生成AIを業務で活用する上での懸念はコンテンツの有用性や正確性
【2024年8月7日】
アドビ株式会社は本日、国内外の「マーケター/消費者の生成AI活用実態調査」の結果を発表しました。本調査は、国内外のマーケターの生成AIの活用状況と消費者の期待を明らかにすることを目的として、日本、米国、英国、フランス、ドイツ、インド、オーストラリア 7か国のマーケター2,834人と消費者8,163人を対象に実施したものです。
本調査結果から、日本のマーケターは生成AIを主に会議の文字起こしや議事録作成、データ分析などに活用しており、生成AIをビジュアルアイデアや画像の生成に活用している企業は27%と他の国の41~61%と比較して少ないことがわかりました。一方、日本の消費者は生成AIによる顧客体験の向上を期待しており、顧客向けコンテンツ制作に生成AIを活用することで、競合他社と差別化した顧客体験提供の機会があると考えられます。
目次
日本のマーケターの54%が生成AIを活用
日本のマーケターにおける生成AIの活用状況に関する調査結果によると、回答者の約半数(54%)が生成AIを活用していることがわかりました(日常的に活用中29%、実験的に活用中25%)。この数値は他国平均の約75%と比較すると低い水準にとどまっています。例えば、インドでは92%、オーストラリアでは79%のマーケターが生成AIを活用しています(図1)。
日本企業のマーケティング関連業務における生成AIの活用の上位3つは、会議の文字起こしや議事録作成(39%)、データ分析や消費者のインサイト分析(37%)、そしてマーケティングコンテンツの文言作成(35%)でした(図2)。他国ではマーケティングコピーのアイディア生成、マーケティングコンテンツの画像生成、ソーシャルメディア用のコンテンツ作成が多く、社内だけでなく顧客向けのコンテンツ制作に活用されていることがわかりました。
日本企業の中で生成AIをビジュアルアイデアや画像の生成に活用している企業は27%にとどまった一方で、インドでは61%、オーストラリアでは45%の企業がクリエイティブ作成に生成AIを活用していることがわかりました(図3)。
生成AIを業務で活用する上での懸念はコンテンツの有用性や正確性
現在生成AIを業務で活用しておらず、活用することに不安を感じている日本の回答者に懸念点を聞いたところ、次の3つが挙げられました(図4)。生成AIが作成したコンテンツの有用性や正確性(41%)、プライバシーや顧客データの管理(29%)、自社ブランドの知的財産(IP)保護(29%)。
消費者は生成AI活用による顧客体験向上に期待
企業の生成AI活用に対して、消費者の約半数(52%)が生成AIの活用は有用であると回答しています。今後、生成AIが顧客体験を向上させることができる可能性のある分野として、58%の消費者が、より早く、より良いカスタマーサービスの実現に有効であると考えていることが明らかになりました。続けて、45%の消費者が、より高度なパーソナライゼーションや好みに沿った顧客体験の提供に役立つと回答しています(図5)。
魅力的な顧客体験を提供するためには、より迅速にデジタルコンテンツを制作し、パーソナライズされた顧客体験を大規模に提供していく必要があります。それを実現するためには、企業やブランドのイメージに合った、安全な商用利用が可能なコンテンツ(画像、テキスト、動画等)を多数用意しなければなりません。マーケターは生成AIを活用することで、コストを抑えながら、コンテンツのバリエーションを制作し、パーソナライズされた顧客体験を提供することが可能です。
アドビは安全な商用利用が可能な生成AI「Adobe Firefly」とコンテンツ制作を自動化する「Adobe GenStudio」により、顧客体験向上のための生成AI活用を支援してまいります。
「マーケター/消費者の生成AI活用実態調査」概要
調査方法:インターネット調査
実施対象:日本、米国、英国、フランス、ドイツ、インド、オーストラリアの日常的にマーケティング業務に携わるマーケター2,834人(従業員100人以上の企業のマーケティング担当者)および消費者8,163人(日本の消費者は1,000人)
実施期間:2024年2月~5月