エンゲージメントを高める、LINE公式アカウント上の顧客接点拡大のポイント
2023.07.03
2023.07.03
Micoworks株式会社
マーケットの変動やテクノロジーの急速な進化に伴い、現在、社会が大きく変容しています。常に移り変わる消費者の行動をどのように解像度高く捉え、近づいていくのか。絶対的な答えがない中で、数多くのBtoB企業は手探りでマーケティング施策を行っています。今回の連載では、SNSマーケティングを支援するMicoworks株式会社が自社のBtoBマーケティングの実践の取り組みをご紹介。「実践から紐解く、BtoBマーケティングの最適解」と題した連載シリーズでお届けします。
目次
Micoworks株式会社とは
Micoworks株式会社は、SNSマーケティング支援を行う企業です。現在はLINEを活用したコミュニケーションプラットフォーム「MicoCloud(ミコクラウド)」を開発、提供しています。最適なSNSコミュニケーションによって、ブランド価値を最大化し、あらゆるビジネスの可能性を広げるツールです。
ビジネス成長を促す広告コミュニケーションを実施
企業がLINE公式アカウントを運用する際にマーケターが最初にぶつかる壁となるのが、「LINE公式アカウントの友だち数がなかなか増えない」という悩みではないでしょうか?
Micoworks株式会社のビジネスグロースチームは、より多くのお客様に対して、最適なコミュニケーションを通じてビジネスを成長させていくために、クライアント企業様のLINE公式アカウントの友だち数を増やす広告運用を担っています。具体的には、LINE広告の運用とWebサイトバナー設置およびポップアップ設計を行っています。
広告からLINEへの流入導線、そこから登録後のフロー訴求までを一気通貫で提供することで、サービスの認知拡大と初期接点の創出のみならず、製品やサービスに対する温度感を高め、エンゲージメントを向上させる。これが私たちの重要なミッションです。
顧客によるサービスへの理解とエンドユーザーに対する深い理解が成果を最大化することにつながるため、次の流れでフローを構築します。
1. クライアント企業の商材やターゲットの整理
質問表を作成し、業務フローからターゲットの情報を整理する。
2. 実際のユーザーや社内でインタビューを実施し、ユーザー理解を深める
3. ペルソナ・カスタマージャーニーを設計
属性情報に加え、利用状況や背景、普段利用しているサービス、サービスを知ったきっかけ、サービスへの理解度を設計。
4.LINEへの流入設計とMicoCloud設計
③で作成したジャーニーに合わせて、登録時のフローや後追い配信、一斉配信を設計する
LINE公式アカウントの相性がいい領域は「WEB to 営業型」のモデル
LINE公式アカウントの相性が良い領域はいくつかありますが、とくに相乗効果を出しやすいのが、不動産業や金融、人材、医療などの「WEB to 営業型」の企業です。「Web to 営業型」とは、PCやスマホなど、インターネット(Web)経由でユーザーと接点をつくり、そこから問い合わせや資料請求、面談、来店予約などのCVを生み出し、最終的に店舗での接客でヒトがクロージングするというビジネスモデルのことを言います。
Webだけの接点では、一定数のユーザーが離脱してしまうため、少しでも多くのユーザーに購買行動へとスムーズに促すためにも、製品やサービスを認知させた後のフォローが非常に重要です。そのため、広告から流入したら、LINEに登録してもらい、LINEでコミュニケーションを取り続ける流れを作るのです。そうすることで、売り上げへのインパクトが増大します。次の項にて、広告とLINEでそれぞれエンゲージメントを高める方法について解説します。
エンゲージメントを高める流入元×LINEフロー設計
友だち追加施策の設計
- Webサイトの中で流入の多いページやカテゴリを調査し、ユーザーを誘導する。
まずは、クライアントのサービスに関する概要や特徴、強み、そしてターゲットユーザーへの理解を深めることが重要です。そのために、現在のWebサイトで流入が多いページ、カテゴリを把握し、どんな課題やニーズのうえでそのページを閲覧しているのか、何を解決したいのかを分析、訴求内容を洗い出します。
たとえば、資料請求。同様のサービスを展開している企業が複数ある場合、ユーザーはどのサービスが自分に適切なのかを判断するため、資料請求をして比較検討をします。
ユーザーがどのような視点でそのページに訪れたのか、離脱となる原因は何かを理解したうえで誘導するポイントを整理します。 - 誘導率を高めるために、目に入りやすい位置に興味を引く訴求内容を記したバナーやポップアップを表示させる。
疑問や不安が解決できること、ユーザーが思っていることに触れているか、ユーザーが自身の課題解決や求める情報について期待する内容のテキスト、インパクトのあるイラストや画像で興味を引きつけます。 - 診断コンテンツやプレゼントなどのインセンティブを用意して、LINEに登録するメリットを訴求。検討期間が長くなりそうな商材の場合は、都度、最新情報を届ける。
おおよその金額が知りたい場合はLINEでできる料金シミュレーション、商品のコストが気になっている場合はLINEのみで使用できる限定クーポン、自分にあった商品が知りたい場合は診断コンテンツなど、ユーザーのニーズを想定しながらLINEへ誘導させる流れをつくります。
たとえば、「LINEに登録すると、3分で適職がわかる無料診断が受けられます!」というバナーを設定しておけば、ちょっとスキマ時間に試してみようかなと、登録する確率を高めることができます。
LINE経由のCV増加に向けた設計
製品・サービスへの興味・関心、そして温度感を高めるためのコミュニケーションを設計する。
他社にはない有用な情報の発信、ユーザーのステータスや知識レベルにあった配信、季節やイベントに関連した情報の訴求などを行います。申込ユーザーに対してはLINEでフォローをしながら、データ連携やセグメント配信などでリピートやクロスセルにつなげていきます。
ポイントはユーザーにはなるべく情報負荷をかけないことです。ユーザーは「たまたま興味をひいたから」「広告が目に留まったから」という理由で広告をクリックしていることが多いため、一方的に大量のアンケートや質問を送ってしまうと反応が薄れることが懸念されます。普段から情報発信をして接点を維持しつつ、ユーザー自身による行動を起こしやすくするためには、「チャットによる無料事前相談も受けつけます」といったメッセージも有効です。
Webサイト経由とLINE広告経由ではユーザーの温度感は異なります。つまり、ユーザーの流入元によって求める情報が変わってくるため、LINE登録後はそれぞれのステータスや関心度、知識レベルに合わせたコミュニケーションを取ることが重要です。そうすることで一貫性のある顧客体験を提供し、アクションへとつなげることが可能となります。
成果創出に向けてアップデートを続ける
今後もより確実に、そして、より大きな成果を生み出すために、LINEログインによるID連携やユーザーの購入意欲にもとづくレコメンド配信といった様々な機能を活用してエンゲージメントを強化し、ビジネスグロースチームの提供価値の幅を広げていきたいと考えています。
「同じWebサイトでも、具体的にどのような施策であれば友だちの登録率を向上させることができるのか」をつねに念頭に置きながらクライアント企業と併走しながら支援し、ともに成長できるパートナーとして歩んでいきたいと思っています。
執筆者プロフィール
Micoworks株式会社カスタマーエグゼクティブ統括本部 ビジネスグロースチーム
相原光博