株式会社サイバーエージェントは、AIで効果の出せる広告テキストを予測・自動生成する「極予測TD(キワミヨソクティーディー)」においてアップデートを行い、「広告の有効性」※1 に特化した自動生成機能を追加したことをお知らせいたします。これにより、レスポンシブ検索広告における継続的な効果改善を実現いたします。
※1 広告の有効性:Googleのレスポンシブ検索広告における評価。「未完了」、「低い」、「平均的」、「高い」、「非常に高い」で評価され、広告テキストの関連性、品質、多様性を測定した結果が提示される。広告の有効性が高いほど、広告の掲載結果の最大化が可能。
背景
昨今、検索連動型広告をはじめとする運用型広告では、広告効果最大化を目的とした継続的な運用が重要とされており、当社では広告効果向上に向け、AIを活用し広告テキストの自動生成および効果の事前予測を行う「極予測TD」を2020年5月より提供しております。
これまで検索連動型広告においては、拡張テキスト広告※2と新しい広告タイプであるレスポンシブ検索広告※3の2種類が用いられていましたが、2022年6月に拡張テキスト広告の作成・編集が廃止されたことにより、レスポンシブ検索広告の運用の重要性が高まっています。
※2 拡張テキスト広告:「広告見出し1・広告見出し2」「説明文」を予め設定し配信する方法
※3 レスポンシブ検索広告:複数の広告見出しや説明文を、効果を元に自動で組み合わせ配信する方法
レスポンシブ検索広告について
レスポンシブ検索広告は広告効果を最大化する上で、「品質スコア」※4を向上させることが重要とされています。「広告の有効性」と「品質スコア」には相関関係があり、広告の有効性が非常に高いと評価された場合、低いと評価された時に比べ、品質スコアが約1.4倍高まる実績が出ております。
一方、「広告の有効性」において高評価を獲得するためには、よく使用されるキーワードや独自性のあるキーワードなどを多数制作し最大数の広告テキストを設定することが必要とされており、人手で大量の組み合わせパターンの検証を行うことには限界がありました。
※4 品質スコア:品質スコアは、推定クリック率・広告の関連性・ランディングページの利便性という3要素で構成され、スコアは、管理画面上では1~10の数値で示される。品質スコアが上がることで、検索連動型広告の継続的な効果改善が見込める。
アップデート概要
このような背景のもと、このたび「極予測TD」においてアップデートを行い、レスポンシブ検索広告における「広告の有効性」向上に特化した、広告の自動生成機能を追加いたしました。
本機能では、数億を超える検索キーワード全てに対して自動で生成された大量の広告テキストの中から、レスポンシブ検索広告における「広告の有効性」を高めることが出来る最適な組み合わせを自動で予測し生成いたします。
これにより、配信設定までの制作プロセスの短縮化および、広告の有効性を最大限高めて顧客に納品することが可能となり、レスポンシブ検索広告における継続的な効果改善が期待できます。
なお、先行テストでは、広告の有効性における最上位である「非常に高い」という評価を獲得できていなかった広告に対して、今回の自動生成機能を活用したところ、全体の41%にあたる広告の評価を「非常に高い」へと向上させることが出来ました。
さらに、商品内容に忠実かつユーザーにとって魅力的な広告文を自動で生成することは非常に難易度が高いとされていますが、このたび追加した機能により自動生成された広告テキストのうち約70%は、実際に利用可能である自然な日本語文章であったことが確認できました。
「極予測TD」の自動生成および効果予測ロジックは、当社のAI研究開発組織「AI Lab」および、自然言語処理を専門とし高い業績を挙げられている東京工業大学の奥村・船越研究室との共同研究成果を応用しております。
今後
当社は今後も高い技術力をいかし、広告クリエイティブ・テキストにおける表現の多様性や予測精度の更なる向上を図る研究開発を進め、新しい広告クリエイティブの価値提供を目指すとともに、広告主企業のみなさまの広告効果最大化に尽力してまいります。
関連リンク
●株式会社サイバーエージェント
●極予測TD、自動生成機能のアップデートにより、レスポンシブ検索広告における「広告の有効性」向上を実現 ―継続的な効果改善が可能に―