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Web3.0とは?Web1.0からの流れやブロックチェーン、NFT、メタバースなど主な基本用語を解説

時計2022.05.27

更新2022.09.20

Web3.0とは?Web1.0からの流れやブロックチェーン、NFT、メタバースなど主な基本用語を解説

NFTやメタバースというワードを見聞きする機会が増えています。これらの新しいテクノロジーで構成されるWebの新時代として「Web3.0」というワードを目にした方も多いのではないでしょうか。

2022年1月には米Twitterが有料サービス「Twitter Blue(iOS版)」でNFT画像をプロフィール画像にできる機能を発表。(日本では未提供、2022年7月現在)そのほかにも、国内ではLINEや楽天が相次いでNFTマーケットプレイスの提供を開始しており、今後さらに市場が拡大していくことが予想されます。

この記事では、Web3.0の基本的な知識を解説していきます。

Web3.0とは

Web3.0は、2014年にイーサリアム共同設立者のGavin Wood氏によって提唱された考えです。

Web3.0の明確な定義は定まっていません。その中でWeb3.0を表すものとして多く見られるものは以下のようなものです。

  • 分散型のインターネット
  • 非中央集権

なぜ分散型のインターネットと呼ばれるのでしょうか。Web3.0以前のWeb1.0、Web2.0の概要と、そこで生まれた問題点を見ていきます。

Web3.0以前:Web1.0からWeb2.0時代

Web1.0からWeb3.0までは、大まかに以下のように分けられます。

Web1.01991年〜2005年(ホームページ時代)
Web2.02005年〜2018年(SNS時代)
Web3.02018年〜(ブロックチェーン時代)
  • Web1.0

Web1.0は、情報が一方通行であった時代。

Webサイトから「情報を発信する側」と「情報を受け取る”だけ”の側」の一方向で成り立っており、コンテンツの発信者よりもコンテンツの消費者が圧倒的に多かったのがWeb1.0の特徴です。

  • Web2.0

情報が双方向性に変わったのがWeb2.0時代です。

Web2.0を象徴するものがブログやSNSです。企業、個人に関わらず誰もが手軽に情報を発信できるようになり、「誰もが発信することが当たり前」となったことがWeb1.0からの大きな変化といえます。

誰にとっても情報発信が容易になると、「信頼のおける情報源」が必ずしも大企業や大手メディアといった既存の大きな組織であるわけではなくなりました。個人の口コミやレビューが大きな力を持ち、個人の経験がコンテンツになる、個人や小さい組織でも大きな力を持つことができることになったことがWeb2.0時代の特徴です。

Web2.0 主なサービス・プラットフォーム:
Google、facebook(Meta)、Twitter、Instagram、ブログサービス、Youtube、ニコニコ動画など

Web2.0時代の問題点

誰もが情報を発信することが出来ることになったことはメリットだけではありませんでした。

情報を発信するためのプラットフォームを持った一部のメガテック企業による、利用者の情報などのあらゆるデータ独占が問題視されるようになります。所謂GAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)をはじめとする企業、およびそれらの企業が持つ大手プラットフォームです。

これらのプラットフォームが私たちの生活を便利にする一方、GAFAMの力が強大になるほど「情報の一極集中化」という問題が指摘されるようになります。

プラットフォームの利用者が増えるほど、サービス利用時にユーザーが登録するアカウント情報、プラットフォーム内での活動ログといった個人のあらゆる情報が大手企業に集まります。情報が集まるほど影響力は増し、市場を独占していきました。

この流れの中で、ユーザーの属性や行動ログなどのデータが適切に管理されているかといったことから、大手企業各社のビジネス構築、分析のために無断で利用される可能性などの懸念が指摘されるようになったのです。

多くの情報を所持しているということは、同時に「膨大な量の情報漏洩の可能性」という大きなリスクを抱えているということです。情報漏洩は信用の失墜という企業側のデメリットだけではなく、私たちユーザー側も「預けた個人情報が漏洩する可能性がある」という大きなリスクを抱えています。

Web3は「分散型のインターネット」

こういった背景のもとに、次世代のインターネットとして構築されようとしているのがWeb3.0です。

前述の通りWeb3.0の明確な定義は定まっていませんが、Web2.0の問題点「情報の一極集中化」を解決する世界として「分散型のインターネット」「脱中央集権型」といった言葉で表現されています。

Web3.0の現在

Web2.0時代を振り返ると、かつてSNSが登場し、多くの人が懐疑的ながらも利用し始め、その手軽さと便利さ、新しさ、そしてビジネスにおける可能性に気付いてからはあっという間に普及。多くの人がSNSから情報を得るようになり、今やビジネスでも個人でも必要不可欠なものとなっていることは周知の事実です。

このWeb2.0のSNSの拡大がそうであったように、メタバースやNFTといった新しいテクノロジーや流れが加速する可能性は非常に高く、それ故に注目が集まっている、というのが現段階です。

経済活動も同様で、SNSやブログ、Webサイトを中心としたWeb2.0のインターネットがビジネス・マーケティング活動の主要なフィールドになっていったことと同じように、この先の経済活動のフィールドはWeb3.0のテクノロジーの場に移行していくと予想されます。今まさに私達の生活やビジネスが大きく変わる、その変化の真っ只中にいると言えるでしょう。

Web3.0の主要キーワード

ここからは、Web3.0を理解するための基本的な用語を見ていきます。

ブロックチェーン:情報の独立化・透明化を可能に

情報の分散化を実現するテクノロジーとして現れたのがブロックチェーンです。ブロックチェーンは、ブロックと呼ばれる単位でデータを管理し、それらのデータをチェーンのように繋いでデータを保管する技術です。

各ブロックには実際に行われた取引情報が格納されています。情報の中には各ブロックが関連していることを示す情報(前のブロックの情報など)も格納されているため、ある特定のブロックを改ざんしたり消去することは極めて困難で、事実上不可能と言われています。また、ブロックチェーンは同じデータを複数の場所に分散して管理しており、分散型台帳とも呼ばれています。

Web3.0とは?Web1.0からの流れやブロックチェーン、NFT、メタバースなど主な基本用語を解説

仮想通貨(暗号資産)

ブロックチェーンによって生まれたのが仮想通貨(暗号資産)です。もともとブロックチェーンは、暗号資産(仮想通貨)の1つであるビットコインを実現するために開発されたという経緯があります。

ビットコインをはじめとする暗号資産のやり取りは第三者を介さずにユーザー間によって直接やりとりがなされますが、この取引履歴を記録するためにブロックチェーンが使われています。これにより、銀行などの第三者を介さずとも公平な売買を実現しています。

NFT(Non-Fungible Token)

NFTはNon-Fungible Tokenの略で、日本語では非代替性トークンと呼ばれます。仮想通貨と同様にブロックチェーン技術を利用しています。

■NFTの特徴

  • NFT化でデジタル資産の所有権を明確にできる
  • 不正コピーや改ざんができない
  • デジタル資産の希少性・価値の担保になる

NFTは、改ざんや複製、消去ができないようにブロックチェーン上に記録された保証書データです。

NFT化=デジタルデータにNFTという保証書を紐づけることで、デジタルアート、写真、漫画、ゲーム内のアイテム、音楽といった所有権や元データであることの証明が困難であったデジタルデータでも大元の作者や所有者の証明が可能になり、不正なコピーを防ぐことが可能になります。

非常に高いセキュリティ技術であるブロックチェーンを利用しているNFTは、シリアルナンバーの不正コピーや改ざんが実質的に不可能です。

NFT=唯一無二の暗号資産であることが担保されていることから、そのデジタルデータの希少性や付加価値が高くなります。

メタバース(Metaverse)

Metaverse(メタバース)は、「Meta(超)」と「Universe(宇宙)」の2つの単語を組み合わせた造語です。直訳すると超宇宙、つまり現在とは違う次元の世界を指しています。

近年人気を博した、Epic Gamesの「Fortnite」や「あつまれ どうぶつの森」といったゲームもメタバース的な要素を含んだものです。また、近年メタバース界隈で話題のThe Sandboxもメタバース系NFTゲームです。

The Sandboxはボクセルアートのアバターや建物などのアイテムやゲームを作成して売買が可能であり、アーティストが存在したり、Sandbox空間内の土地(LAND)を使ったメタバース上のビジネスの立ち上げができるなど新たな経済圏を形成しており、ゲームの垣根を超えて注目が集まっています。

VR

メタバースと混同されやすいワードとしてVR(Virtual Reality)があります。

  • メタバース:インターネット上に存在する仮想空間
  • VR:仮想空間を現実と同じように感じ取れる技術

メタバースはインターネット上に存在する仮想の「空間」そのものを指します。VRは、仮想空間で起こることを「現実と同じように体感できる技術」です。

メタバース空間はインターネットからアクセスが可能ですが、その空間を現実と同じように体感するには、PCなどのインターネットに接続できるデバイスだけではなく、VRグラスのようなデバイスが必要になります。

今後メタバース空間で実社会と同じような環境が構築され、メタバースがより身近なもの担っていくとともに、VRもより高度な技術を持ったデバイスが出てくるでしょう。

DAO(分散型自律組織)

DAOは Decentralized Autonomous Organizationの略で、日本語では「自律分散型組織」と言います。

自立分散型組織とはどういった組織なのでしょうか。

DAO(自律分散型組織)は、ある同じ目的を持った人たちが共同出資によって立ち上げる組織のようなものです。DAOは出資者によって共同管理され、プロジェクトの立ち上げや独自コミュニテの構築など、目的に応じて様々な活動が行われます。

DAOが企業組織と異なる点は、意思決定において特定の権限者がおらず、メンバー全員が平等・同じ発言権を持っているという点です。重大な意思決定はそれぞれのDAOによって発行されるガバナンストークン(意思決定の際に投票権を付与するトークン)の購入によって投票権が与えられる仕組みとなっています。

Web3.0とは?Web1.0からの流れやブロックチェーン、NFT、メタバースなど主な基本用語を解説

投票結果は、ブロックチェーン上で設定されたルールに従い過半数を超えた時点で自動的に取引が実行されます。また。投票結果はブロックチェーン上に永久に保存されることから、非常に透明性の高い組織運営を行うことができます。

Web3.0時代の予想されるビジネスの変化

「個」が力を持つ時代へ

ブロックチェーンによる情報の分散化や暗号資産の所有権明示、組織のフラット化、やりとりの透明性といった特徴は、SNSに代表されるWeb2.0の「個」とは違う、新しい個の時代が到来するでしょう。

例えばNFT市場では、個人のデジタルデータはその個人の所有物であることが明確で、売買のようなやりとりに第三者を介する必要がありません。売買は第三者を介さず行われ、暗号資産の所有者として利益「を得ることが出来ます。売買によって誰かの手に渡ろうとも、誰が作成者なのかは永久に残ります。

これにより、デジタルデータ(暗号資産)の作成者の利益が担保されるだけでなく、デジタルデータや製作者としての個人の価値も高まるでしょう。

新しい経済圏で”新しい価値の定義”を生み出せるか

現状NFTの市場は何がヒットするかがわからない段階です。NFTで好まれるものの傾向はありますが、NFT化自体はデジタルデータに出来ればどんなものでも可能。どのようなNFTが流行り、支持を集め、価値がつくのか、これらは全て未知数です。

人々がどのようなものに価値を感じるようになるのか。「何をNFT化するか」という発想力、さらにいうと「”新しい価値の定義”を生み出せるか」という視点が必要になるでしょう。

バーチャルとの掛け合わせでリアルの価値を高める

メタバース(バーチャル空間)の広がりが、リアルの体験の価値を高める可能性もあります。

今後、VRグラスのようなデバイスがより高性能になるほどメタバー市場はより活発になっていくでしょう。バーチャル空間でよりリアルな体験が出来るようになれば、リアルと同等の社会活動や経済活動をバーチャル空間で行うようになるかもしれません。

そのような世界が到来した場合、全てがバーチャル空間だけで完結する世の中になるのでしょうか。

むしろ「リアルでしか得られない体験」「感覚」の価値に改めて気付く。これは大いにあり得ることだと思います。

ビジネスにおいては、バーチャル空間をリアルに誘導するきっかけとして利用することもできます。メタバース空間においては「現地や実店舗の価値を高めるようなバーチャル空間」「リアルに誘導する体験を提供する空間」を考える一方、現実世界のフィールドでは「現実世界でしか出来ない体験は何か」を考える。

バーチャルとリアルを掛け合わせて、リアルの世界にあった価値を最発見したり、新たに生み出したりすることが重要になっていくのではないでしょうか。

国内の活用事例

メディアドゥ:「NFTデジタル特典」の活用

株式会社メディアドゥと出版取次大手の株式会社トーハンは、NFTを活用した「NFTデジタル特典付き出版物」を出版社と共に開発し、実際にNFTデジタル特典付きの雑誌や写真集を出版しています。

このほかにもメディアドゥは、同社が運営するNFTマーケットプレイス「Fan Top」において、テレビ番組連動のNFT動画の限定販売やホリプロと共に舞台初のNFTデジタル特典付き公演グッズを限定販売するなど、既存のメディアやリアルな場にNFTを活用した新たな付加価値を加えています。

Colored Carp:地域活性化にNFTを活用

Colored Carp』は、新潟県長岡市山古志地域にある地域活性化団体「山古志住民会議」が発行している地方自治体公認のNFTで、世界初の「デジタル住民票付きNFT」として地域の名産である錦鯉をモチーフにしたNFTアート「Colored Carp」を発行しています。

Colored Carpは、2004年の新潟県中越地震をきっかけに人口が大きく減少した山古志地域を持続可能な地域にしようというプロジェクトの中で生まれました。デジタル住民から「持続可能な山古志」として地域存続実現のためのアイデアを募集、NFTの販売益で実現していくという試みを行なっています。
また、デジタル住民(NFTを保有する人)に一部の予算執行権限を渡し、地域存続のための施策をデジタル村民の投票によって決定する「山古志デジタル村民総選挙」デジタル村民総選挙を行うなど、DAO的要素も含んだプロジェクトになっています。

ZIKU:メタバース型バーチャルイベントサービス

株式会社シャノンの子会社である株式会社ジクウが提供する「ZIKU」は、3DCGで、バーチャル展示会を実現できるメタバース型バーチャルイベントサービスです。

来場者は、3Dのバーチャル空間の中を従来の展示会のように自由に歩き回ることができ、新しい企業を発見したり、企業の説明員と音声で会話することができます。

イベントのオンライン化が急速に進んだこの2年ですが、オンライン化からさらに進み、オフラインの展示会と同じような雰囲気を3Dバーチャル空間で味わえるという体験が増えていくことで、今後のイベント開催の方法を変えていく可能性が高まるでしょう。

株式会社シャノンは2022年4月12日にシャノンでは初めての試みとなるオンラインでのユーザーカンファレンス、「シャノン・ユーザーカンファレンス2022 SpringZIKU」を『ZIKU』を利用して開催し、その模様の一部を公開しています。

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