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メンパとは?コスパ・タイパに続く第3の消費トレンドを徹底解説

時計2026.02.19

更新2026.02.19

編集者 SYNCAD編集部

メンパとは?コスパ・タイパに続く第3の消費トレンドを徹底解説

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SYNCAD(シンクアド)編集部

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SYNCAD(シンクアド)編集部。Web広告やデジタルマーケティング、セミナー情報などマーケティング業界の最新情報からマーケを学びたい人に向けに業界情報をお届けしています。

2026年、消費の世界に新たな価値観が誕生しようとしています。それが「メンパ(メンタルパフォーマンス)」です。コスパやタイパという言葉が定着した今、私たちの消費行動は新たな局面を迎えつつあります。

本記事では、注目の新トレンド「メンパ」について、その背景から具体的な事例、ビジネスへの影響まで詳しく解説します。

メンパとは何か?基本的な定義

メンパとは「メンタルパフォーマンス」の略称で、心理的な負担を最小化しながら最大の満足を得ることを重視する新しい消費価値観です。日経BPが発表した「2026年消費トレンド大予測」では、コスパ、タイパに続く第3の消費トレンドとして位置づけられています。(※1)

簡単に言えば、メンパとは「買い物でメンタルを削られない消費」のことです。選択による疲労や後悔、失敗への不安など、消費に伴う心理的ストレスから解放されることを最優先する考え方といえます。

※1 出典:日経BP 「消費&マーケ26年」5大予測 AI時代の新消費「メンパ」、リアル回帰

コスパ・タイパとの違い

3つの消費価値観を比較すると、その違いが明確になります。

コスパ(コストパフォーマンス)は、費用対効果を重視します。できるだけ安く、良いものを手に入れることが目標です。プライベートブランドや格安商品がこのカテゴリーに該当します。

タイパ(タイムパフォーマンス)は、時間対効果を重視します。限られた時間で最大の満足を得ることを目指し、短編動画や時短家電、倍速視聴などがこの価値観から生まれました。

そしてメンパ(メンタルパフォーマンス)は、心理的満足度を最優先します。選ぶ手間を省き、選択による後悔をしたくない、失敗しないことが確実に分かった上でモノを選びたいという心理が基盤となっています。時間や費用よりも、心の平穏や安心感を求める消費スタイルです。

なぜ今メンパが注目されるのか?3つの社会的背景

なぜ今メンパが注目されるのか?3つの社会的背景

1. AI技術の急速な普及

2025年以降、ChatGPTをはじめとする対話型AIが急速に普及し、商品検索から比較、購入までAIで完結できる環境が整いつつあります。AIが趣味嗜好を学習して最適な商品を推薦・購入代行するようになると、消費者は煩雑な選択過程から解放されます。これにより、選択疲労や決定疲労といった心理的負荷を回避できるようになりました。

AIによる完全パーソナライズや超効率的な消費が可能になる一方で、消費者は似たような商品の中からレコメンドやAIに任せることで「選ぶ手間は省きたい」というニーズを強く持つようになりました。

2. 情報過多と選択肢の爆発的増加

SNSの普及により情報量が増大し、コンテンツや体験など時間を消費する選択肢が無数に存在する現代。この膨大な選択肢の中から最適なものを選ぶという行為自体が、大きなストレスとなっています。

SNSのレコメンド機能が強化される一方で、アルゴリズムによる過度なパーソナライズは新たな楽しさや偶発性を奪う結果にもなっています。混沌とするSNSの世界や、膨大な情報から取捨選択しなければならない「思考のストレス」から距離を取りたいという欲求が高まっているのです。

3. 失敗を許さない社会心理

SNSの普及により、消費の失敗がより可視化される時代になりました。購入したものをSNSでシェアする文化が定着した結果、「失敗したくない」「後悔したくない」という心理が強まっています。

この「失敗を許さない(したくない)心理」は現代人特有のストレス要因となっており、購入前の不安を軽減し、確実に満足できる選択をサポートするサービスへのニーズを生み出しています。

メンパ消費の2つの軸

メンパを理解する上で重要なのが、「選択の負荷」と「感情の負荷」という2つの軸です。

選択の負荷を軽減する

選択の負荷とは、多すぎる選択肢の中から何かを選ぶことによる精神的疲労のことです。心理学では「決定疲労(Decision Fatigue)」として知られており、選択を繰り返すことで意思決定の質が低下し、ストレスが蓄積します。

メンパを重視する消費者は、この選択の負荷を可能な限り減らすことを求めます。例えば、オイシックス・ラ・大地が2025年1月から本格展開を始めた「デリOisix」は、調理済みの食事を届けるサービスで、献立を考える負担や食材を選ぶ手間を完全に省くことができます。

感情の負荷を軽減する

感情の負荷とは、購入後の後悔や失敗への不安、評価を気にする心理的プレッシャーなどを指します。「これを買って本当に正解だったのか」「もっと良い選択肢があったのではないか」といった後悔の念は、消費における大きなストレス要因です。

メンパ消費では、こうした感情的ストレスを避けるため、確実性の高い選択や、失敗しても許容できる範囲の消費が好まれます。口コミやレビューが充実したサービス、返品保証が手厚い企業、専門家によるキュレーションサービスなどが支持されるのは、このためです。

メンパを体現する具体的な消費事例

メンパを体現する具体的な消費事例

長編コンテンツの復権

若者の間で長編映画や小説が復権する兆しが見えていることも、メンパ意識の表れと考えられます。タイパを重視すると短編動画や要約コンテンツに偏りがちですが、メンパ重視者は時間の長短ではなく「心理的満足度」を最優先します。

充実感を感じられる10分のYouTube動画の方が、退屈な2時間の映画より価値があるという価値観です。つまり、単純な時間効率ではなく、心が満たされるかどうかが判断基準となるのです。

エンタメ展覧会への殺到

「○○展」といったエンタメ展覧会に若者が殺到する現象も、メンパが影響していると見られます。これらの展覧会は、確実に楽しめる体験として設計されており、失敗のリスクが低いイベントとして支持されています。

SNS映えする写真が撮れる、推しのコンテンツに確実に触れられる、同じ趣味を持つ人たちと空間を共有できるという安心感が、メンパ消費者にとって魅力的なのです。

ウェルネス・マインドフルネス市場の拡大

メンパの台頭は、ウェルビーイング市場の拡大と密接に関連しています。マインドフルネスアプリ、瞑想アプリ、デジタルメンタルサポートツールなどは、短時間で効果が実感できるように設計されており、まさにメンパ的価値観を体現したサービスです。

Google、エーザイ、味の素といった先進企業は、社内に瞑想ルームやマッサージルームを設置し、従業員が心身をリラックスできる環境を整備しています。企業が従業員のメンタルパフォーマンスを経営資源として投資対象と認識していることの表れです。

脱タイパとメンパの関係

興味深いのは、メンパが「脱タイパ」の流れと密接に関連していることです。タイパを追求するあまり、効率化が行き過ぎて心理的な余裕が失われる事態が生じています。

SNSや動画サイトのアルゴリズムによる過度なレコメンドやパーソナライズは、新たな出会いや偶発性を奪い、消費体験を予定調和的なものにしてしまいました。この反動として、非効率で揺らぎのある「アナログ」や「リアル」を再評価する動きが出てきています。

AIが代替できない「リアルな価値」に、生活者自身が気付き始めたのです。店舗との距離を縮めて安らぎを求める、人間らしい温かみを重視するといった行動は、デジタル疲れの裏返しといえます。

メンパ時代の企業戦略

企業にとって、メンパを意識したマーケティングは今後ますます重要になります。以下のような戦略が有効です。

UIUXの徹底的な改善

選択の負荷を軽減するために、ユーザーインターフェースとユーザーエクスペリエンスの改善は不可欠です。直感的に操作できる、迷わない、ストレスを感じさせないデザインが求められます。

変化をいち早く察知した企業は、メンパを意識してサービスを展開したり、UIUXの改善に乗り出したりしています。

選択肢の適切な制限

逆説的ですが、選択肢を増やすことが必ずしも顧客満足につながらない時代です。むしろ、厳選されたラインナップや専門家によるキュレーションが支持されています。

「選べる喜び」よりも「選ばなくて済む安心感」を提供することが、メンパ時代の企業に求められます。

失敗リスクの可視化と保証

購入前の不安を軽減するために、詳細なレビュー、実際の使用例の提示、充実した返品保証などが重要です。失敗してもリカバリーできるという安心感が、メンパ消費者の背中を押します。

AI活用と人間的温かみの両立

AIによる効率化を進める一方で、人間にしかできない価値提供も忘れてはいけません。日清のように組織全体でAIを使いこなしつつ、AIでは代替できない独自の体験価値を磨き上げることが求められています。

効率的な「正解」はAIに任せる一方で、非合理でも心が動く「体験」への希求も高まっています。ドンキホーテの「変な商品」や謎解き要素を含む体験型サービスが注目されるのは、まさにこの理由からです。

メンパがもたらす社会の変化

消費価値観の三層化

2026年の消費トレンドは、単一軸的な価値観から三層化構造へシフトすると予測されています。消費者は自らの人生段階、所得レベル、心理状態に応じて、コスパ・タイパ・メンパのどれに重点を置くか選択するようになります。

一般的に、富裕層ほどメンパを重視し、所得が低い層ほどコスパを重視する傾向があります。しかし、同じ人でも状況や商品カテゴリーによって重視する軸は変わるため、企業は柔軟な対応が求められます。

ブランドの意味の変化

AIが購入を代行する時代になると、ブランドの意味も変わってきます。従来のブランドロイヤリティよりも、「このブランドは失敗しない」「このサービスはストレスがない」という安心感や信頼性がより重要になるでしょう。

界隈消費との親和性

博報堂とSHIBUYA109が提唱する「界隈消費」とメンパは相性が良いとされています。「好き」や興味関心を軸に形成されるゆるい集団であり、界隈では、メンバー間の情報共有により選択の負荷が軽減されます。

同じ趣味を持つ人のおすすめなら失敗しにくい、という安心感が、メンパ的消費を後押しします。

メンパの課題と限界

一方で、メンパにも課題や限界があります。

個人差の大きさ

メンタルという概念は千差万別で、基準が曖昧です。何がメンタルに良いのか、何がストレスになるのかは人によって大きく異なります。企業がメンパを意識したサービスを提供する際、この個人差にどう対応するかが課題となります。

選ぶ楽しみの喪失

消費における「選ぶ楽しみ」「悩む時間の価値」を重視する人にとっては、メンパ的消費は物足りないかもしれません。ブランドかノーブランドかも含めて「悩む」のが買い物の醍醐味だと考える層も一定数存在します。

過度な依存のリスク

AIや自動化に過度に依存すると、自分で判断する力や新しい発見をする機会が失われる可能性があります。メンパを追求するあまり、人間的な成長や経験の幅を狭めてしまうリスクも考慮すべきです。

個人としてのメンパ活用法

では、私たち個人はメンパという概念をどう活用すれば良いのでしょうか。

自分のメンタルコストを意識する

まず重要なのは、何が自分のメンタルを削るのかを理解することです。人によって、選択疲労を感じる場面や後悔しやすい消費パターンは異なります。自分の傾向を知ることで、メンパ的消費を効果的に取り入れられます。

場面に応じた使い分け

すべての消費でメンパを最優先する必要はありません。日用品の購入ではメンパを重視し、趣味のものではじっくり選ぶ楽しみを味わうといった使い分けが理想的です。

安心できる情報源の確保

信頼できるレビュアー、専門家、同じ趣味を持つコミュニティなど、安心して参考にできる情報源を持つことが、メンパ的消費を支えます。界隈や信頼できる人のおすすめを活用しましょう。

失敗を許容する心構え

逆説的ですが、メンパを意識しすぎて失敗を過度に恐れると、かえってストレスが増大します。ある程度の失敗は学びの機会と捉え、完璧を求めすぎない柔軟な姿勢も大切です。

まとめ:メンパは心の時代の消費スタイル

メンパは、効率化とデジタル化が進む現代だからこそ生まれた、新しい消費価値観です。コスパやタイパが「モノ」や「時間」の効率を追求したのに対し、メンパは「心」の充足を最優先します。

AIの普及、情報過多、SNSによる心理的プレッシャーといった現代社会特有の課題に対する、自然な反応がメンパだといえるでしょう。2026年以降、この価値観はますます重要性を増すと予測されています。

企業にとっては、メンパを意識したサービス設計やマーケティングが競争力の源泉となります。個人にとっては、自分のメンタルヘルスを守りながら賢く消費するための新しい指針となるでしょう。効率が悪くてもいい、少し高くてもいい。心が整うなら、それは立派な「良い選択」です。メンパという視点を持つことで、私たちの消費はより人間らしく、より心地よいものになっていくはずです。

コスパ、タイパに続く第3の価値観「メンパ」。この新しい消費トレンドを理解し、「選択の負荷」と「感情の負荷」という2つの軸を上手にマーケティング活用することが、売上向上のポイントになってきます。

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