
2025.12.19
2025.12.19
目次
調査の結果、BtoC企業(一般消費者向けの商品・サービスを扱う企業。BtoCまたはBtoB&BtoC企業のこと。以下 BtoC企業で統一。)において、リピーター獲得施策を実施している企業は34.8%と少数でしたが、実施企業のうち84.1%がその効果を実感していると回答していました。
このことから、ファン化施策は、期待値が大きい施策であることが示唆されます。
本調査では、一般消費者向けに商品やサービスを提供しているBtoC企業の担当者509名を対象に、ファン化施策の実施状況や効果について調査しました。
その結果、ファン化を成功させるための施策として、「データの可視化」を重要視している人が全体の25.0%と最も多い割合を示しました。このことから、ファン化の進捗を把握することが必要とされていることが明らかになりました。
今回の調査では、以下の人にスクリーニング調査と本調査を行っています。
今回行った調査結果を下記の流れで記載いたします。

小売りの業種など、B to C企業に属すると考えられる母集団(スクリーニング9,953人)より、B to C企業に属していると回答をいただいた2,079人に、過去ファンマーケティング施策を実施したことがあるか確認したところ、下記選択肢を回答した人の割合は34.8%にとどまりました。

本調査により、ファン化に取り組む目的として「ブランドや顧客との関係性を強化すること」を選択した人が46.8%と最も多い結果となりました。
次いで「売上・収益の向上」が45.0%、「商品企画・開発、サービス改善」が41.3%と続き、事業成果や商品改善といった売上向上に直接かかわる目的が大きな割合を示しました。
また、「顧客理解・データ活用・市場調査」が38.3%と高い割合を示しており、ファン育成を通じて顧客データを取得・活用する企業も多くいます。

ファン育成に取り組んだ企業が、重視するメリットは「会員の囲い込み・ブランドの浸透」で42.2%でした。
次いで「リピーターの離脱防止」が40.3%と高く、「客単価の向上」と「顧客資産の蓄積、向上」はそれぞれ33.8%と33.6%と同程度でした。
新規顧客の獲得競争が困難になる中で、既存顧客との信頼関係を強化し、ブランドへの愛着を育てることが、リピート購入や口コミによる新規顧客獲得につながると考えられます。

調査の結果、ファンを増やすための具体的な取り組みとして、「SNS運用」と回答した人が38.7%と最も多いことが分かりました。
次いで「会員制度(クーポン配布・ポイント還元・会員ランク特典)」が35.8%と多く、「購入後フォローやサブスク、定期購入、カスタマーサポート強化」が33.6%と3番目に多い結果となりました。
SNSは無料で始められるため参入ハードルが低く、コストを抑えながら多くの消費者と接点を持てる点が大きな理由と考えられます。

ファン化に取り組んだ企業のうち49.3%が「リピーターが増え、売上増加につながった」と回答しました。
ここから、ファン育成が単なるブランドイメージ向上にとどまらず、実際の購買行動や収益拡大に直結していることが伺えます。
その他にも、「顧客からのポジティブな声が届くようになった」と回答した人は44.0%、「SNSでの口コミや反応が増えた」と回答した人は39.3%でした。ファン化施策を行うことによって、サービス品質を高めることができるといえるでしょう。
つまり、ファンを増やすことは売上に直結する投資価値の高い施策であることが示されました。

上記の回答を合計すると、84.1%の企業がファン育成施策によってLTV(顧客生涯価値)の改善を実感していることが分かりました。
LTVは「1人の顧客が生涯を通じて企業にもたらす売上総額」を示す重要な指標です。LTVを高めることで、下記のような効果が得られ、長期的な売上増加につながります。
つまり、ファンを増やすことは短期的な売上効果だけでなく、顧客価値を最大化するための施策であるといえるでしょう。

ファン育成に取り組む企業が最も重視しているのは、25.0%の人が回答した「ファンとの関係値を可視化すること」であることが分かりました。
この結果から、企業が「関係値の可視化」や「データに基づいた分析」を重視している一方で、本来ファンマーケティングの基礎であるはずの「コミュニティ形成」が意外にも低くなっていることがわかりました。
「1対1のパーソナライズ対応」や「1対Nのコミュニケーション」が上位に位置していることは、企業が顧客個々人との接点や直接的な関係づくりには力を入れていることを示しています。
しかし、その一方で、ファン同士が交流し合う「コミュニティの場づくり」は優先度が低く、企業側がまだ十分に認識できていない課題とも言えます。
ファン化施策はまだ一部の企業しか導入していない一方で、導入した企業の多くが売上やLTV改善といった効果を実感しているようです。特に、「関係値の可視化」や「顧客との継続的なコミュニケーション」といった仕組みが、ファン育成の成果を左右する重要な要素であることが浮き彫りになりました。
これらの結果から、ファン化は単なるブランドイメージ向上ではなく、実際の購買行動や収益拡大に直結する経営施策であると考えられます。調査から見えてきた具体的な示唆を整理し、今後のBtoC企業における戦略への活用の可能性について考察していきます。
スクリーニング調査の結果より、ファン化施策を実施している企業は34.8%と少数派にとどまっています。しかし、本調査で実際にファン化施策に取り組んだ企業にLTVへの影響を調査したところ、84.1%が「施策によってLTVの改善につながった」と回答しました。
これは、ファン化が導入企業にとって比較的成功体験を得やすい施策であることを示しています。特に「顧客との関係値を可視化する仕組み」や「継続的なコミュニケーションの場」を整えることで、施策の効果が再現されやすくなる傾向があります。つまり、ファン化はまだ十分に普及していない分野であるものの、適切な仕組みを導入すれば成果に直結しやすい戦略領域であるといえます。
ファン化を成功させるためには 【関係値の可視化】と【顧客とのコミュニケーション】 の二つです。
まず【関係値を可視化】することによって、企業は自社がどの段階にあるのかを詳細に把握できます。
しかし、実際にはファンとの関係性を数値やデータで測定することは簡単ではありません。このため、多くの企業が「次にどの施策を打つべきか」を判断できず、効果的なPDCAを回せていないのが現状です。だからこそ、顧客との関係値を明確に可視化する仕組みは、ファン化を成功させるためには必須といえるでしょう。
また、【顧客とコミュニケーションを取ること】も必要不可欠です。関係値を把握できても、企業からの働きかけがなければ顧客との関係は強化されません。単純接触効果により、定期的に接点を持つことで、顧客からの好感度が自然と高まります。さらに、顧客から寄せられた意見を商品やサービスに反映することで付加価値が向上し、サービスの品質も向上します。
つまり、関係値の可視化によって方向性を定め、継続的なコミュニケーションで関係性を育てることが、ファン育成の成果を最大化するための条件であるといえます。
ファン化施策を検討している担当者は、以下の仕組みを取り入れることで、より効果的に成果を出しやすくなります。
これらを組み合わせて活用することで、顧客の優先順位を把握し、適切な接点を設計できるようになり、結果としてブランド浸透やリピーターの増加につながります。
弊社が提供する DISCOには、こうした仕組みを実現するための機能が備わっています。
その他にも、DISCOでは既存顧客に対して、アンケートを実施する機能を今後リリース予定です。このアンケート機能を活用して、顧客が感じている悩みを商品改善のアイデアとして活用できます。
これらの機能を活用することで、これまで曖昧に考えていたファン施策の効果を、再現可能な形で最大化することが可能になります。
https://kazeniwa.co.jp/penguin/e-books/report-engagement-fanmarketing
▼ファンを熱量をビジネスの成長エンジンに変える「DISCO」の詳細は下記よりご参照ください。
https://kazeniwa.co.jp/disco/
■調査概要
※本調査では、小数点第2位を四捨五入しています。そのため、数字の合計が100%とならない場合があります。
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記載例:「株式会社kazeniwa(https://kazeniwa.co.jp/)が実施した調査結果によると……」
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