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【調査研究レポート】Z世代マーケティングの鍵は「自虐と共感」。「あえてのネガティブ」で心を開かせるとZ-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)が提言

時計2025.09.09

更新2025.09.09

【調査研究レポート】Z世代マーケティングの鍵は「自虐と共感」。「あえてのネガティブ」で心を開かせるとZ-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)が提言

「理想」よりも「現実の自分に近い」コンテンツが響く。成功事例から学ぶ、炎上しないZ世代向けユーモア戦略とは。

Z世代向けクリエイティブカンパニーFiom合同会社が運営しているZ世代の実態や価値観を分析するシンクタンク、Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)は、2025年9月5日(金)にZ-SOZOKEN THINKTANK 最新調査研究レポートの第一弾として『Z世代の笑いの感覚』についての調査研究レポートの第5章インサイトサマリー「企業が「Z世代の笑い」をどうマーケティングに活かすか?」をリリースしました。

Z世代同世代目線による分析で新たなインサイトを発掘、探求するZ世代特化の調査研究機関「Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)」が調査研究レポートの第一弾として、『Z世代の笑いの感覚』についてこの度新たに独自に調査いたしました。

本調査は、Z世代当事者によって実施されました。

韓国在学中に中国留学を経験する22歳の日本人学生など、多様で国際的なバックグラウンドを持つZ世代当事者たちのメンバーが、約450名のZ世代を対象にアンケートを実施し、最新トレンドと笑いの価値観を分析。

全38ページに渡る調査レポートを基に、Z世代のインサイトを分析し、Z世代の共感を生む傾向を調査しました。

本調査の第5章では、Z世代特有の「笑いの感覚」を企業がマーケティングにどう活かすべきか、具体的な手法と注意点を解説しています。

調査結果によると、Z世代は「キラキラした理想」よりも「ありのままの自分」や「失敗談」をさらけ出すコンテンツに強く惹かれることが判明。「自虐」と「共感」を軸にした新しいアプローチの有効性を示唆しています。

調査研究レポートをダウンロードする

「Z世代向けユーモアマーケティング」Z世代独自のインサイトを読み解く

本調査の第5章から、Z世代に響くマーケティングコミュニケーションの具体的なヒントと、実践する上での注意点が明らかになりました。

「理想」より「ありのまま」の投稿が響く 

Z世代が最も惹かれるのは「ありのままの自分をさらけ出している投稿」 。次いで「知識やノウハウを提供している投稿」 、「失敗談を笑いに昇華している投稿」 となっており、リアルで正直な姿勢が求められます。

85%が「現実的な自分」に近い広告に共感 

「毎朝5時起きで朝活(ドヤ)」という理想的な広告よりも、「朝?ギリギリまで寝てる。まあでも生きてるからヨシ。」といった現実的な広告に対し、85%が「自分っぽい」と感じると回答 。

公式SNSの「少し砕けたネガティブ発言」が効果的 

公式アカウントが少しふざけたり、砕けた口調や少しネガティブな発言をしたりすることで生まれる「ギャップ」が話題に繋がりやすいと分析しています 。

「ネタになる」体験型キャンペーンが拡散の鍵 

「あなたの怠惰度は何パーセント?診断」 やハッシュタグイベント など、SNSで拡散できるような体験型の企画がZ世代の参加を促します。

炎上リスクの考慮が必須 

企業のイメージを逸脱しない範囲で行うこと 、炎上リスクを考慮してワード選択を行うこと 、商品とターゲット層が離れないようにすること が重要であると警鐘を鳴らしています。

【調査レポート解説】第5章「企業が「Z世代の笑い」をどうマーケティングに活かすか?」

レポート本編では、Z世代の笑いを活用したマーケティング手法を、成功事例から注意点まで網羅的に解説しています。

ここでは、第5章の主要なスライドの内容をご紹介します。

【P27】企業事例① SAMANSA【公式】TikTokアカウント 

【P27】企業事例① SAMANSA【公式】TikTokアカウント 

ショート映画サブスク「SAMANSA」のTikTokアカウント事例を紹介。このアカウントは、「変顔のくせを持つ女性、クセ強JKに出会う」「もらった箱から人が・・・」といった、Z世代が好む不謹慎さを感じさせるタイトルでショート映画を配信し、Z世代の笑いのツボを捉えています。

【P28】企業事例② ドン・キホーテ情熱価格の広告 

【P28】企業事例② ドン・キホーテ情熱価格の広告 

ディスカウントストア「ドン・キホーテ」の広告事例を解説。ここでは「その程度の機能ならドンキで十分だ!」というキャッチコピーを使い、自社製品をあえて下げる「自虐」の要素を取り入れています。これにより、高機能よりも価格を重視するターゲット層へ効果的にアピールすることに成功しています。

【P29】調査データ:Z世代は「理想」より「現実」を好む 

【P29】調査データ:Z世代は「理想」より「現実」を好む 

2つのアンケート調査の結果から、Z世代のインサイトを明らかにしています 。Z世代が最も惹かれる投稿は「ありのままの自分をさらけ出している投稿」であり、「キラキラした理想的なライフスタイル」を上回りました。また、85%が「ギリギリまで寝てる」といった現実的な広告に共感することもデータで示されています。

【P30】実践プロセス:「自虐×共感」マーケティングの3ステップ 

【P30】実践プロセス:「自虐×共感」マーケティングの3ステップ 

企業が「自虐×共感」マーケティングを実践するための具体的な3つのプロセスを提示。

1. 人気コンテンツからZ世代のリアルな悩みを調査
2. 商品・ブランドとの共通点やターゲットを明確にする
3. 「自虐×共感」を用いてターゲットの悩みを解決できるコンテンツを作成する 

【P31】マーケティングへの活かし方① SNSでのコミュニケーション 

【P31】マーケティングへの活かし方① SNSでのコミュニケーション 

具体的な施策の1つ目として、SNSでのコミュニケーション手法を解説。企業の公式アカウントが、あえて「砕けた口調&少しネガティブな発言」をすることで、公式らしからぬ「ギャップ」が生まれ、話題に繋がりやすくなると分析しています。

【P32】マーケティングへの活かし方② 体験型キャンペーン 

【P32】マーケティングへの活かし方② 体験型キャンペーン 

施策の2つ目として、SNSで拡散されやすい体験型のキャンペーンやイベントを提案。例として「あなたの怠惰度は何パーセント?診断」や「#先延ばしぐせあるある」といったハッシュタグイベントを挙げ、Z世代のリアルな悩みをコンテンツ化することの有効性を説いています。

【P33】マーケティングへの活かし方③ 信頼性の獲得

【P33】マーケティングへの活かし方③ 信頼性の獲得

施策の3つ目として、Z世代の信頼を得るための重要な視点を提示 。現代のSNSにはPR投稿が溢れているため、単なる「おしゃれ・高級感」の訴求だけでは響きにくいと指摘。そこで、「笑い」の要素と、企業としての「信頼」を組み合わせることが鍵になると結論付けています。

【P34】実践における懸念点・注意点 

【P34】実践における懸念点・注意点 

最後に、ユーモアマーケティングを実践する上での注意点を3つのポイントにまとめています。

1. 笑いと受け取れない層もいるため、企業のイメージを逸脱しない範囲で行うこと。
2. 炎上リスクを考慮し、許容される皮肉のレベルを明確にしておくこと。
3. 面白くても商品とターゲットが離れていると売上に繋がらない可能性があること。

なぜZ世代には「あえてのネガティブ」が刺さるのか

Z世代は、幼い頃からインターネットに触れ、SNS上に溢れる加工された「理想の姿」や巧妙な広告表現に囲まれて育ちました。

その結果、彼らは作られたポジティブさや、完璧すぎる姿に対して、ある種の広告疲れや不信感を抱いています。

そんな彼らにとって、企業やブランドが自ら「うちはこれで十分」「まあ生きてるからヨシ」といったスタンスで弱みやリアルな側面を見せることは、逆に新鮮で正直なコミュニケーションとして映ります。

この「自虐」的なアプローチは、一方的な宣伝文句の壁を壊し、「この企業は自分たちのことを分かってくれている」という強い共感と信頼を生み出すのです。

Z世代に求められているのは、もはや完璧なヒーロー像ではありません。

共に悩み、笑い飛ばしてくれる、正直で人間味のあるパートナーなのです。

調査概要

  • 調査名:Z世代の笑いの感覚についての意識調査
  • 調査対象:全国のZ世代(18歳~24歳)
  • 調査期間:2025年5月~6月
  • 調査方法:インターネットを利用したアンケート調査
  • 有効回答数:n=453
  • 調査分析:Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所 運営:Fiom合同会社)

調査研究レポートをダウンロードする

Z-SOZOKEN所長のコメント

竹下洋平(たけしたようへい)
Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)所長
Fiom合同会社CEO

竹下洋平(たけしたようへい)
Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)所長
Fiom合同会社CEO

2005年生まれ。2021年10月にFiom合同会社を設立。Z世代のクリエイターの創造性を最大化させるをミッションに、Z世代によるZ世代向けのコミュニケーションプロデュース事業、リサーチ&プランニング事業を展開している。上場企業から大企業、中小企業、ベンチャー、スタートアップ、行政や自治体と幅広い組織の支援実績を持つ。Z世代の創造性を活かし、Z世代向け広告コミュニケーションの上流設計から制作、運用までワンストップで実行支援する。

今回の調査で明らかになったZ世代のインサイトは、多くの企業にとって大きなチャンスとなり得ます。もはや、商品の優れた点を並べ立てるだけのマーケティングは通用しません。Z世代が求めているのは「共感」であり、その共感を生む最強の武器が「自虐」や「ユーモア」なのです。「その程度の機能ならドンキで十分だ!」という広告は、一見商品を下げているようで、実は「高い機能はいらないけど、安くて良いものが欲しい」というターゲットの心を的確に掴んでいます 。

ただし、最も重要なのはそのバランス感覚です。レポートで指摘している通り、炎上リスクは常に伴います 。企業のブランドイメージを毀損せず 、かつZ世代に「面白い」と思わせるギリギリのラインを見極める必要があります。このレポートが、Z世代との新しい関係性を築くための、戦略的で効果的なユーモア活用の羅針盤となることを願っています。

調査研究レポート(全38ページ)を無料でダウンロード

今回ご紹介した内容は、調査レポートのほんの一部です。

レポート本編では、「Z世代に響くSNS投稿の具体例」や「炎上しないためのネガティブ表現ガイドライン」など、明日からのマーケティング施策にすぐに活かせる実践的な情報を多数掲載しています。

少しでもご興味をお持ち頂きました方はぜひ下記よりダウンロードしてご活用ください。

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