

2025.04.08
2025.04.08
Firework Japan株式会社
「リテールメディア」という言葉を聞いたことがありますか?これは、デジタル広告の新しい潮流として注目を集めている分野で、小売業界に新たな収益源をもたらす可能性を秘めています。この記事では、動画やライブコマースを通じてリテールメディアを支援するFireworkの取り組みを、最前線で活躍するリテール事業責任者・松本がわかりやすく解説します。業界の裏側やグローバル事例も交えながら、その未来像をお伝えします。
目次
はじめまして、Fireworkでリテール事業責任者を務める松本です。私のキャリアはメディアとリテールを軸に展開してきました。
父がTVCMやテレビ番組の映像制作会社を経営していたことから、自然とメディアへの興味が芽生えました。2009年に新卒でヤフーに入社し、広告営業からキャリアをスタート。広告代理店向けのパートナー営業を4年半、その後はスポーツ・ラグジュアリー・ダイレクトレスポンス系クライアントの直販営業を2年経験しました。
さらに、子会社に出向して広告事業と営業組織を立ち上げ、Googleから「最も売上を伸ばしたメディア」と評価されるまで成長させることができました。現在はFireworkのリテール事業責任者として、企業の収益化支援に取り組んでいます。
リテールメディアとは、小売業者が自社の販売チャネル(ECサイト・アプリ・店舗など)を広告プラットフォームとして活用する新しいビジネスモデルです。自社の顧客データを活用し、メーカーやブランドに広告枠を販売して収益を得る仕組みです。これは検索連動型広告、SNS広告に続く「デジタル広告第三の波」とも言われています。
デジタルマーケティング界隈では、3rd Party Cookieなどの制限が広がることによって、広告パフォーマンスの低下が懸念されています。
広告配信側からするとターゲティングの精度が悪化することに対して危機感を抱くことは理解できますが、一方で、広告を目にする消費者側からすると、精度が高すぎるが故に「データが取れられている」「全部見られているようで気持ち悪い」といった感情を抱くことも同時に理解できます。
そこで、3rd Party Cookieではなく、小売業者が持つ「会員データ」「購買履歴」などのデータを活用してターゲティングの精度を高める手法が注目されているのです。また、様々なPoCが進む中で、購買意欲の高いタイミングで広告に接触することができるため、コンバージョン率が高くなると言われています。「レジの横にあるガム」をつい買ってしまう状況を思い浮かべて頂ければ、「購買意欲の高いタイミングでの購入」のイメージが沸くと思います。
Fireworkは、ショート動画やライブコマースといったSNSで得られるインタラクティブで楽しい体験を、企業様の自社サイトでも同じように提供できるソリューションを提供しています。そうすることで、サイトに訪れたお客様のコンバージョンやエンゲージメントを高めることが可能になるのです。
自社ブランドを販売しているアパレルや化粧品などのECサイトでは、収録動画やライブ配信によって自社商品の魅力を伝えていますが、主にブランド企業から調達した商品を扱う小売業者の活用目的は少し異なります。
Fireworkで配信するコンテンツの一部を広告枠として販売し、ブランドから提供された素材もしくは小売業者が制作したコンテンツを配信することで、自社サイトをリテールメディアとして収益化しようとする試みが進んでいます。これは日本だけでなくグローバルでも、多くの小売業者で取り組まれています。
海外: ウォルマート、フレッシュマーケット、Westfieldなど大手小売企業
日本: ドラッグストア、家電量販店、コスメショップ、スポーツ量販店など
導入は主にEC関連事業部やマーケティング部門が担当し、先進的な企業では専任のリテールメディア部門が設置されているケースもあります。
リテールメディア事業を展開する小売業者がFireworkを選んでいる理由は主に5つあります。
多くのリテールメディアが「誰に」「どこで」届けるかに注力する中、「どう伝えるか」という表現手法は見落とされがちです。テキストや静止画では伝わらない商品の魅力を、Fireworkが提供するショート動画やライブ配信によるインタラクティブな体験により、店舗接客のように深く伝えることができ、視聴者の態度変容を促す効果が期待できます。
FireworkはGoogle アナリティクスはもちろん、SnowflakeやCDPといったデータプラットフォームと連携することができるため、データ分析をもとにした視聴傾向の把握やコンテンツの継続的な改善が可能です。また、CRMやMAツールと連携し、セグメントごとに最適なコンテンツを出し分けることも可能です。小売企業が保有するデータを活用することで、マーケティングの成果を最大化します。
ショート動画やライブ配信を広告として販売するためには、一定以上のクオリティが求められますが、社内リソースの関係で「最初から全て内製することが難しい」というお声をよく頂きます。Fireworkはコンテンツ制作もサポートしており、ライブコマースやショート動画制作をディレクションから納品まで一貫して支援することも可能です。元テレビマンやデジタルマーケティングのプロフェッショナルによる、実績と知見に基づいたサポートを提供しています。
FireworkはWebサイトやアプリといったオンライン系のサービスに展開しているソリューションですが、小売業者の売上の多くを占める「店舗」でも活用頂くケースが出てきています。例を挙げると、オンライン上で視聴できるコンテンツを店舗のデジタルサイネージに投影したり、QRコード化してPOPに印刷することで、店舗スタッフが接客していないタイミングでもお客様自ら商品の情報を得られるような工夫をしています。
小売業者は販促のプロフェッショナルではありますが、広告事業は未経験というケースが多くあります。私自身を含め、広告の収益化に関して経験豊富な人材が、広告メニュー開発から販売支援まで総合的にサポートします。グローバルでの成功事例やトレンドを日本市場に適応させ、メディアの収益化を実現します。
現在、リテールメディアの概念は小売業者からカード会社や航空会社にも広がり、「コマースメディア」という形で進化しています。Fireworkも小売企業とブランド間の取引だけでなく様々な業界への展開を進め、配信枠をサイトと親和性の高い企業のプロモーション枠として活用したいというニーズに応えていきたいと考えています。
今後の展望として、ブランド・小売企業・媒体社がFireworkという共通プラットフォームでつながり、シームレスにコンテンツを共有・連携する”Connected Commerce“の実現を目指しています。これにより、ブランド認知と収益化の両立が可能になります。
Fireworkは、リテールメディアを支援するだけでなく、未来のコマースのあり方を提案するパートナーとして、革新的な価値提供を続けていきます。