株式会社ビズパは広告プラットフォーム「アドクロ」において、SNSアカウント運用を行っている人が、どのように生成AIを活用してしているかについてのアンケート結果を公開しました。
生成AIを利用してSNSアカウント運用をしている100人を対象に、ライフスタイルについてのアンケートを実施し、そこで得られた調査結果をまとめていきます。
目次
- 調査概要
- 調査結果サマリー
- 調査結果
- 1.最も利用されている生成AIは「Google Gemini」文章生成や翻訳を得意とする生成AIが広く使用
- 2.約7割が週に数回~毎日、生成AIをマーケティング業務に利用
- 3.7割以上の人が生成AIの情報源としてSNSを活用
- 4.生成AIの利用は「業務の効率化」が目的
- 5.生成AIの活用分野は、コンテンツ作成に直結するものが上位を占める
- 6.今後の生成AI活用は多様なコンテンツ制作へ
- 7.生成AI活用の効果 「コンテンツ作成」と「顧客対応」で実感
- 8.生成AIの活用には多くの課題 権利侵害への懸念が上位を占める
- 9.「最終的な品質の確認」「権利侵害の有無の確認」で人間の判断は重要
- 10.人間に求められるのは「作業効率を向上させる」「人間ならではの独自性を加える」スキル
- まとめ
- 入手方法
- 関連リンク
調査概要
- 調査方法 : インターネット調査
- 調査対象 : SNSアカウント運用に生成AIを利用している人
- 調査期間 : 2024年12月
- 調査機関 : 株式会社ビズパ
- 有効回答数 : n=132 ※質問により変動
- 回答者の性別・年齢分布
調査結果を引用される際は、必ず以下のリンクを出典元としてご記載ください。
https://bizpa.net/whitepaper/detail/100/
調査結果サマリー
文章生成・翻訳が得意な生成AIが好まれ、約70%が週に数回以上利用
画像生成や映像生成に特化したものよりも、文章生成・翻訳が得意な生成AIが好まれる傾向にありました。また「週に数回」と「毎日」利用する方が全体の70%を占めていました。
生成AI利用の目的は多岐にわたり、生成AIによって効率化を実感
生成AIに求める役割は多岐にわたっているようです。また生成AI利用によって、作業の効率化や顧客とのコミュニケーションの活性化を実感している方が多いようです。
コンテンツ制作に生成AIを活用
アイデアの創出や画像生成といった、コンテンツ制作に直結する分野で多く利用されており、今後もコンテンツ制作分野での活用を検討している方が多いようでした。
生成AI利用には課題が残されている
著作権や肖像権などの権利侵害や出力結果に対する懸念を、多くの方が抱いているようでした。それに伴い、人間の判断が必要な場面がまだ多く残されているようです。
調査結果
1.最も利用されている生成AIは「Google Gemini」文章生成や翻訳を得意とする生成AIが広く使用
普段利用する生成AIツールで最も多かったのは「Google Gemini」で、全体の47.0%を占めていました。次に多かったのが、「Chat GPT」の39.4%、次いで「Microsoft Copilot」 と「DeepL Write」の31.1%でした。
画像生成や動画生成に特化した生成AIよりも、文章生成や翻訳を得意とする生成AIが広く用いられているという結果になりました。
2.約7割が週に数回~毎日、生成AIをマーケティング業務に利用
利用する頻度で最も多かったのは、「週に数回」で全体の46.2%を占める結果となりました。次に多かったのが「毎日」で22.7%、次いで「月に数回」が18.9%となりました。
生成AIをマーケティング業務に利用している人の過半数は、週に数回~毎日と高頻度で生成AIを利用していることがわかりました。
3.7割以上の人が生成AIの情報源としてSNSを活用
生成AIに関する情報源として、最も多かったのが「SNS」で、71.7%を占めていました。次いで、「セミナー・ウェビナー」が34.6%、「専門サイト・ブログ」が30.7%という結果となりました。
情報源としてSNSがダントツで利用されていることがわかります。
生成AIの情報は日々目まぐるしく変化しています。SNSの「最新の情報がすぐ手に入る」という特徴が、生成AIの変化を捉えるのに適しているからこそ、このような結果になったのではないでしょうか。
4.生成AIの利用は「業務の効率化」が目的
生成AIを利用する主な理由として、「顧客対応」と「コスト削減」がそれぞれ全体の28.9%を占める結果となりました。続いて「コンテンツ制作の効率化」が18.2%、「コンテンツの量を増やす」が17.4%でした。
生成AIを利用する目的として「人手不足の解消」は5.8%と低く、「コスト削減」や「コンテンツ制作の効率化」「コンテンツの量を増やす」といった業務の効率化を目的としている方が多い印象です。
SNSマーケティングにおいてコンテンツの充実は重要であるため、人手の確保よりも、コンテンツの充実に直結する役割を生成AIに見出していると言えます。
5.生成AIの活用分野は、コンテンツ作成に直結するものが上位を占める
生成AIを活用している分野として、「アイデアの創出」が49.6%を占めていました。次いで、「校閲」が42.1%、「画像生成」が35.5%という結果になりました。
アイデアの創出や画像生成といった、コンテンツ制作に直結する分野で多く利用されていることがわかります。また校閲といった、ダブルチェックの役割でも生成AIは用いられているようです。
6.今後の生成AI活用は多様なコンテンツ制作へ
今後活用を検討している分野は、「アイデア創出」が全体の52.1%でした。次いで「校閲」、「動画生成」が38.8%という結果になりました。
Q5の「現在活用している分野」の回答結果とおおよそ同様の分布となっていますが、「アイデア創出」、「動画生成」と「多言語への対応」が僅かに増加しています。
より多様なコンテンツ制作に向けての展望と言えます。
7.生成AI活用の効果 「コンテンツ作成」と「顧客対応」で実感
生成AIの活用で最も効果があったと感じたことは、コンテンツ作成の効率化で、全体の34.7%という結果になりました。次で、顧客とのコミュニケーションの活性化が33.1%となりました。
生成AIが一部の仕事を肩代わりしてくれることで、作業効率が上がったことによる効果と言えるでしょう。
8.生成AIの活用には多くの課題 権利侵害への懸念が上位を占める
生成AIを活用したマーケティングで課題と感じていることは、「著作権を保有するコンテンツを使用する可能性」が全体の46.3%を占めています。次いで、「自社の知的財産保護に関する懸念」が38.8%となっています。
生成AIの活用による権利侵害の懸念が、上位にくる結果となりました。出力結果の正確性にも不安が残るようです。
9.「最終的な品質の確認」「権利侵害の有無の確認」で人間の判断は重要
生成AIの活用において最も人間の判断が重要だと思う作業として、「最終的な品質の確認」と「著作権や肖像権の侵害の確認」が全体の21.5%を占める結果となりました。
Q8であがった課題に関連するものが本問でも上位になっています。権利侵害の有無・出力結果の品質に対して、人間の判断が重要だと考えられているようです。
生成AIの活用において、人間による判断が様々な場面で必要であることが伺えます。
10.人間に求められるのは「作業効率を向上させる」「人間ならではの独自性を加える」スキル
生成AIを使いこなすために求められるスキルは、「効率的に活用し、作業効率を向上させる」が46.3%、次いで「人間ならではの独自性を加え、魅力的なコンテンツを作成する」が38.8%という結果になりました。
生成AIの出力結果にのみに頼るのではなく、いかに効率よく生成AIを使いこなすのか・独自性をどう引き出すのか、という点が今後の生成AI活用で求められることなのかもしれません。これはSNSマーケティングにおいて、周りと差別化を図るためにも必要となるのではないでしょうか。
まとめ
SNSアカウント運用での生成AIの利用頻度はかなり高く、マーケティング業務を行うにあたって生成AIは必要不可欠なものとなりつつあります。アイデア創出や画像生成といったコンテンツ制作に直結する分野での生成AIの活用を、多くの方が行っている・検討しているようです。
また生成AIの利用に関して、著作権などの権利の侵害や出力結果に対する懸念が伺えました。不特定多数に発信するSNS運用で活用するからこそ、権利侵害には十分に注意する必要があるのでしょう。生成AIのSNSマーケティング活用が広まってきた中で、生成AIを用いながらいかにして周りとの差を作るかという点でも、人間ならではの独自性を加えるスキルというのは重要だと考えられます。
入手方法
「アドクロ」( https://bizpa.net/ )にて、会員登録後すぐに無料ダウンロードいただけます。