広告主の約5割がウェブ広告のブランドセーフティ対策を重視|電通デジタル×モメンタム調査
2022.12.06
2022.12.06
株式会社電通デジタル(以下、電通デジタル)とMomentum株式会社(以下、モメンタム)は、2022年版「アドベリフィケーションに関する意識調査」を実施しました。ウェブ広告に関わる事業者であるアドバタイザー(広告主)、エージェンシー(代理店)、プラットフォーマー(広告配信プラットフォーマー)に対し横断的な調査を行い、アドベリフィケーション※1の認知率と対策実施率を明らかにしました。
目次
調査の背景
本レポートは、国内のウェブ広告の事業者がアドベリフィケーションに関してどのような意識を持っているのかを明らかにすることを目的に、国内アドベリフィケーションベンダーかつアドベリフィケーション推進協議会※2の加盟企業である電通デジタルとモメンタムが2022年8月に実施した調査をまとめたものです。
近年、ウェブ広告の価値毀損に関わるリスク対策への動きが活発になってきている中、2021年4月にJICDAQ(一般社団法人デジタル広告品質認証機構)※3が設立され、JICDAQの認証基準をクリアした事業者が増えることによる業界全体の健全化促進が期待されています。本意識調査は2018年以降規模を拡大しながら経年で行われており、今回は、JICDAQが設立されたことによる影響を中心に、昨年6月に実施した同内容の調査結果との比較をもとに発表します。
本調査の主な結果と考察
1.アドベリフィケーション対策を実施してポジティブな効果を感じている事業者が増加
アドベリフィケーションへの認知率・対策実施率は、プラットフォーマー、エージェンシー、アドバタイザーの順に高く、全体傾向としては、昨年からの大きな変化はありませんでした。事業規模別で見ると、売上が高い事業者ほど認知率・対策実施率が高い傾向にありましたが、プラットフォーマーにおいては規模に関わらず対策が行われていることがわかりました。対策を実施した事業者へその効果を聞いた設問では、「特に効果は出ていない」という回答が最大7.6ポイント減り、ポジティブな効果を得たと感じる事業者が増加したことがうかがわれます。
Q. 該当するアドベリフィケーション対策(ブランドセーフティ、アドフラウド、ビューアビリティなど)に取り組まれた結果、現時点でどのような効果が出ていますか。
※複数回答、「対策をとっている(とったことがある)」と回答した事業者のみに質問
ブランドセーフティ(ポジティブ回答TOP3/前年比較)
アドフラウド(ポジティブ回答TOP3/前年比較)
ビューアビリティ(ポジティブ回答TOP3/前年比較)
2.JICDAQ設立の影響により大規模アドバタイザーの意識が変化
年商200億円を超える大規模アドバタイザーでは、認知率と対策実施率が増加するだけではなく、「アドベリフィケーションを代理店や広告配信プラットフォームの選定条件に入れている」と回答した割合も昨年より15%増加し、45%を超えています。アドベリフィケーションへの問題を認知しながらも、これまでリスク対策に足踏みしていた特に大企業にとって、JICDAQ設立が後押しした結果ともいえるでしょう。
Q. 自社の広告を配信する際、代理店や広告配信プラットフォームで、アドベリフィケーション対策をしているかどうかを代理店や広告配信プラットフォーム選定の条件に入れていますか。
※単一回答、アドバタイザーのみに質問
事業規模別前年比較
3.アドベリフィケーションツールを活用した個別の対策が活性化
アドバタイザーのアドベリフィケーション対策として昨年比で最も伸長率が大きかった対策内容は、ブランドセーフティにおける「サードパーティデータを活用した指定ドメイン、URLリストの活用」で昨年の約2倍、またPre-Bid、Post-Bidの利用も、全てのカテゴリにおいて増加傾向がありました。これらの対策は、アドベリフィケーションツールベンダーが提供する専用ツールを利用するもので、各社が本格的な対応に取り組み始めていることがうかがわれます。さらに、基礎的な対策である「自社作成の配信指定ドメイン、URLリストの活用」が最も対策内容としては多く、昨年比でも増加していることから、業界全体での意識の高まりが示唆されます。
Q. 該当するアドベリフィケーション(ブランドセーフティ、アドフラウド、ビューアビリティなど)について、自社での対策内容をそれぞれ教えてください。
※複数回答、「対策をとっている(とったことがある)」と回答したアドバタイザーのみに質問
ブランドセーフティ
アドフラウド
ビューアビリティ
アドベリフィケーションを取り巻く環境の変化、またそれにともなう広告主のニーズの変化にあわせ、電通デジタルをはじめとする国内電通グループでは、2017年よりデジタル広告のブランド毀損、広告価値毀損に関するグループの行動指針「Clear Code™(クリアコード)」※4を提唱し、アドベリフィケーションに対するソリューションの提供を行なっています。
「Clear Code™」におけるクライアントニーズに対応する代表ソリューション
- 電通デジタル独自の高精度かつ更新性のあるBlock Listの適用
- クライアントニーズに応えて、オーダーメイドで対応ができる体制と仕組み
- 動画広告においても広告主のニーズに合わせたブランドセーフな広告配信手法を提供
また、こうした当社の一連の取り組みが評価され、JICDAQが定める広告会社(広告購入者)事業領域の「ブランドセーフティ」と「無効トラフィック対策」の2分野において、「JICDAQ認証」を取得しています※5。
今後も電通デジタルは、クライアント企業や社会の持続的な成長にコミットするパートナーとして、日本のデジタル広告市場の健全な発展を目指した取り組みをより一層、推進してまいります。
本調査の詳細を含む全ての調査結果に関しては、下記にて公開しています。
アドベリフィケーション推進協議会:https://ad-veri.jp/whitepaper-2022.html
※1:アドベリフィケーションとは、アドフラウド、ブランドセーフティ、ビューアビリティに配慮した、不適切な広告配信を防ぐための広告価値毀損測定の仕組み。
アドフラウド:botなどを使い無効なインプレッションやクリックによって広告費用を騙し取る不正広告のこと
ブランドセーフティ:広告が不適当な掲載場所に表示されることによるブランド毀損を防ぐこと
ビューアビリティ:配信された広告掲載インプレッションのうち、実際にユーザーが視認できる状態にあったインプレッションの比率のこと
※2:アドベリフィケーション推進協議会は、ウェブ広告におけるアドベリフィケーションの取り組みを本格化するために、インテグラル・アド・サイエンス、Momentum、電通デジタル、CARTA COMMUNICATIONSらと共に発足しました。日本におけるアドベリフィケーション問題の現状把握と具体的な対策の研究を深化させるとともに、その研究結果を適宜ホワイトペーパーとして一般公表し、広告出稿時の一助となるような有益なデータの提供を目指します。
※3:JICDAQは、公益社団法人日本アドバタイザーズ協会(JAA)、一般社団法人日本広告業協会(JAAA)、一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(JIAA)が中心となり、デジタル広告市場における品質課題を解決することで、デジタル広告が健全に発展し、企業にとっても社会にとっても有益なものになることを目指して立ち上げた認証機構。
※4:「Clear Code™」https://www.dentsudigital.co.jp/services/communication/ax/AdVerification
※5:電通デジタル、JICDAQ(一般社団法人デジタル広告品質認証機構)よりブランドセーフティと無効トラフィック対策における「JICDAQ認証」を取得(2021年11月4日発表)
https://www.dentsudigital.co.jp/news/release/prizes/2021-1104-001091
調査概要
調査名称:アドベリフィケーション意識調査2022
調査期間:2022年8月
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:国内のアドバタイザー、エージェンシー、またはプラットフォーマーで広告関連事業に携わっている方
調査会社:マクロミル株式会社
有効回答数:
アドバタイザー:412件(2021年:412件)
エージェンシー:291件(2021年:358件)
プラットフォーマー:206件(2021年:198件)
レポート内の事業規模の区分について
小:年商50億円未満
中:商50億円以上~200億円未満
大:年商200億円以上
関連リンク
●株式会社電通デジタル
●Momentum株式会社
●約5割の広告主がウェブ広告のブランドセーフティ対策を重視
-電通デジタルとモメンタム、アドベリフィケーション意識調査2022を発表-