マーケティングに携わる方であれば、「UGC」という言葉を目にしたことがあるのではないでしょうか。
UGCは近年のマーケティングにおいて重視されているものの1つです。この記事ではUGCとはなにか、重要な理由から活用時の注意点、事例やツールまで解説します。
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目次
UGCとは
UGCはUser Generated Contentsの略です。日本語では「ユーザー生成コンテンツ」と言われます。
UGCは一般消費者が作ったあらゆるコンテンツのことを指し、SNS、動画投稿サイト、ブログ、掲示板、口コミサイトやECサイトの口コミといったものが該当します。
UGCが重要視される背景・理由
広告ではなくリアルな声が重要視されるようになった
この数年で消費者は、企業側の一方的なブランディングのために作られたコンテンツや広告に対して、安易に興味を示さない傾向にあります。
その要因がブログやSNS、ECサイトの口コミ、掲示板などで発信されるユーザーの声の拡大です。SNSなどを通してユーザーのリアルな声が多くの人に届くようになった現在、ユーザー一個人の発信が大きな影響力を持っています。
多数のユーザーがポジティブな感情を示しているとわかるモノ、サービス、企業自体に対して好感を持つといった現象も見られ、認知やブランディングといった側面においてもUGCが重要視されるようになっています。
Cookie規制への対策
UGCはCookieレス対策としても注目されています。
Cookieとは、閲覧したサイト、購買行動、反応した広告など Web上でのユーザーの行動のトラッキング・記録ができる仕組みです。Cookieは、近年個人情報保護が重要視されるようになったことをきっかけに、AppleやGoogleといった大手プラットフォーマーのCookie規制が進んでいます。
これまでのWeb広告は、主にCookieのデータをもとに適したユーザーへ配信される「ターゲティング広告」によって広告効果を得ていました。Cookie規制によってこれまで同様のターゲティング配信が出来なくなることから、代替の新たなマーケティング手法としてUGC活用が重要視されています。
サービス改善への活用
以前のマーケティングでは、顧客満足度や消費者ニーズを調べる場合、アンケートを行うなどしてユーザーの声を集める必要がありました。ユーザー個人がダイレクトに意見を発信するUGCが増えると、ユーザーが望むことや満足度がすぐに分かるようになります。
UGCを活用しリアルタイムにユーザーの要望を反映していくことで、モノやサービスの改善も早まり、より良いユーザーの声が広げることも可能です。
ユーザーの素直な声が広がることは、ときに企業やサービスへのマイナスイメージにも繋がります。しかし適切な対処ができればサービス改善に活用することも可能です。ネガティブな投稿の後に、サービス改善に気付いた消費者が改めてポジティブな投稿をしてくれることもあります。
結果的に企業へのプラスイメージにつながることもあることから、正しいUGC施策・対策の必要性が高まっています。
UGCが消費者の購買行動に与える影響
2022年9月にアライドアーキテクツ株式会社が10~60代の男女1,100名を対象に行った「生活者のUGCに対する意識調査」では、全体の64.6%がUGCを信用すると回答しており、10代に至っては100%がUGC信用するという回答になっています。
同社が2022年1月にTwitter利用者を対象に行った「ライフスタイルに関する調査」では、Twitter上の一般ユーザー、芸能人、企業、広告といったあらゆる情報をきっかけに商品サービスを購入、または来店・訪問の経験があるユーザーが全体の6割以上という結果になっています。
出典:アライドアーキテクツ株式会社「ライフスタイルに関する調査」
また、2022年8月に株式会社ネオマーケティングがSNSで商品を購入したことがある方ユーザーを対象としたアンケート調査では、各SNS(Pinterestを除く)をきかっけに商品を購入した人のうち、約6割が購入前に興味のある、なしに関わらず「購入の予定はなかった」とが回答しています。
さらに、同調査による「どのような内容が商品購入の決め手になったのか」という質問に対しては、1位は「商品の紹介動画」が43.2%、2位は27.7%で「友人やフォローしている一般の方の口コミ投稿」となっており、企業側の発信と合わせて一般ユーザーの声も購買行動のきっかけとなっていることが伺えます。
企業のUGC活用状況
アライドアーキテクツ株式会社が企業を対象として2022年6月に行った「企業によるTwitter上のUGC生成・活用実態調査」では、約5社に1社がUGC施策に取り組んだことがあると回答しています。
UGC施策に取り組む理由は「認知拡大」「商品サービス改善」がそれぞれ6割以上で最も多くなっており、商品サービスの展開時からUGCの活用を重視している企業が多いことが伺えます。
UGC活用のポイントと注意点
UGCは一般消費者の発信力を活用するという特性上、活用時の注意点があります。
著作権抵触への注意
UGCの著作権はユーザー個人にあります。よって、画像や動画コンテンツ、口コミといったユーザーが投稿したものを転載・SNSシェア等で活用したい場合には、必ずユーザーに使用許可を得てから利用する必要があります。無断で利用すると著作権侵害となりますので注意が必要です。
都度ユーザーに確認することは大変な作業ですが、UGCを投稿するユーザーはもともとそのブランドや商品に良い感情を持っていることが多く、二次活用にも好意的です。UGC利用を通じたユーザーとのコミュニケーションがさらにユーザーの満足度や好感度を上げ、CX向上にも繋がります。
InstagramやTwitter等のSNS投稿を活用したい場合、DMやリプライ・コメント等を通じて必ず発信ユーザー本人から利用許可を得ましょう。
メールやWebサイト上でのアンケート、レビューの回答内容をUGCとして活用する場合、アンケートやレビュー回答ページに利用規約を掲載し、回答内容の利用範囲を明確にしておく必要があります。その上で、アンケート回答・レビュー投稿と合わせて利用規約に同意して貰い、回答してもらう形にしましょう。
薬機法抵触への注意
サプリ等の健康食品や化粧品といった薬機法が関わる商品を扱う場合は注意が必要です。
ユーザーが投稿したものであっても、効果効能を謳うような薬機法に抵触する内容の場合、ECサイト事業者や販促活動に使用した企業が罰則の対象となります。
「デトックスドリンクで○kg痩せた」「化粧水でニキビが無くなった」など、効果効能を示唆するような投稿は薬機法に抵触する可能性があるため、利用を控えましょう。
ネガティブな投稿への対応・対策
UGCは必ずしもポジティブな内容だけではありません。企業としてネガティブな投稿が広まることは可能な限り避けたいものですが、企業の対応によってはポジティブなものに変えることもできます。
UGCをより効果的に活用するのであれば、ネガティブな投稿への向き合い方と、ネガティブ投稿への対応方法を決めておくことが大切です。
ネガティブな口コミを消去したり、そもそもネガティブコメントを投稿できないようにすることは望ましくありません。前述の通りユーザーはその他ユーザーのリアルな声を重要視しており、あまりにネガティブコメントが少ないような場合、企業側の意図や印象操作を感じ、却って企業のイメージを低下させる原因になります。
ネガティブな声は、見方を変えれば企業・サービスに改善の余地があるということです。「お客様の声を反映できるようにします」「改善に向けて取り組んでいます」という企業の真摯な対応と共に、実際にサービス改善によってユーザーのロイヤリティを高める契機としていけるように、対処法を予め決めておきましょう。
UGC活用事例
プレゼント応募企画にユーザーのツイートを掛け合わせ|マルトモ株式会社
マルトモ株式会社の公式Twitterでは、商品プレゼント企画にユーザーの投稿を活用。
プレゼント応募条件として、ユーザーにマルトモ独自のレシピ投稿タグを使用してレシピをツイートしてもらうことで、商品の認知拡大に活用しています。
ユーザーの投稿を促すだけでなく、マルトモ公式アカウントも積極的にレシピを投稿に参加。企業も一緒に参加することでユーザーとやりとりが生まれ、ロイヤリティ向上にも繋がっています。
独自のレシピ投稿タグでユーザーの投稿促進|日本ハム株式会社
ニッポンハム「シャウエッセン®︎」の公式Twitterアカウントでは、「#今日は何シャウ」のレシピ投稿タグを使い、シャウエッセンを使った料理レシピをツイート。
ユーザーも「#今日は何シャウ」のタグを使用。タグ検索をすると、ユーザーのシャウエッセンレシピの投稿も見ることができます。タグを活用することでユーザーの投稿も増え、他ユーザーへの認知拡大にも繋がっています。
ハッシュタグを活用しユーザーコミュニティを作る|オン・ジャパン株式会社
スイス発の高機能ランニングシューズ・スーツウェアブランドのオン・ジャパンは、公式Inastagramのプロフィールページや投稿にタグ「#onrunnning」「#runonclouds」「#OnFriends」を使用。商品ユーザーの投稿を促しています。
「#OnFriends」ではファンコミュニティの形成にも繋がっており、ユーザー内で日本独自のタグ「#Onjapan」も登場。よりロイヤリティの高いユーザー獲得や、ユーザーによる認知・ブランディングを実現しています。
UGCツール
Letro
Letroはアライドアーキテクツ株式会社が提供する運用型UGCツールです。
大手ECサイトからD2C企業に至るまで多数の実績があり、培った知見から生まれたUGC独自ノウハウとマーケティング知識を有しているのが特徴。
専任コンサルタントによる支援が受けられ、UGC施策の設計、UCG生成だけでなく、掲載後の効果測定による改善・最適化まで幅広いサポートを受けることができます。
OWNLY
スマートシェア株式会社が提供するマーケティングツール「OWNLY」は、SNSキャンペーンとUGCの活用を一元管理できるツールです。
SNSキャンペーン施策やUGC生成・収集の管理だけでなく、DM一斉送信・アンケート・クーポン発行・ブラックリストフィルターなど多彩な機能を備えています。ツール提供以外にも、施策の企画や広告運用の支援、さらに当選者への連絡や商品発送業務といった事務局対応の代行も依頼ができる手厚いサポート体制となっています。
まとめ
知ってみると、UGCは当たり前に目にしている身近なものであることがわかります。
企業が活用する際はリスクや注意点もありますが、きちんと対策をすれば今後のマーケティングに大いに役立ち、クッキーレス時代に向けた対策としても有効です。
事例やツールを参考に、これから新たにUGC活用に取り組んでみてはいかがでしょうか。
マーケティングにより高い効果を実感するには、それぞれに合うマーケティング施策が必要です。
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