電通「2018年 日本の広告費 」を発表~インターネット広告費は1兆7000億超え~
2019.03.01
2022.04.24
2019年2月28日、株式会社電通は日本の総広告費と、媒体別・業種別広告費を推定した「2018年(平成30年)日本の広告費」を発表しました。
概要
総広告費の推移
2018年(1~12月)の日本の総広告費は、戦後最長といわれる景気拡大に伴い、6兆5,300億円、前年比102.2%となり、7年連続でプラス成長となった。なお、2018年の名目国内総生産(GDP)に対する総広告費の比率は1.19%となりました。
図:総広告費の推移(2018年 日本の広告費より)
2018年 日本の広告費の概況
媒体別に見ると、前年に引き続き運用型広告、動画広告(SNS上での活用も増加)の成長がさらに加速した「インターネット広告費」は、1兆7,589億円(前年比116.5%)と5年連続で二桁成長を記録しました。構成比も総広告費全体の26.9%となり、「地上波テレビ広告費」の1兆7,848億円に迫っています。
図:2018年 媒体別広告費(2018年 日本の広告費より)
2018年から推定を開始した「マスコミ四媒体由来のデジタル広告費(※)」は、582億円だった。なお、「インターネット広告媒体費」は、1兆4,480億円(同118.6%)と、前年より2,274億円増加しています。
一方、「マスコミ四媒体広告費(衛星メディア関連も含む)」は、2兆7,026億円(同96.7%)と4年連続して減少。「プロモーションメディア広告費」も、2兆685億円(同99.1%)と、4年連続での減少となった。うち「展示・映像ほか」については、7年連続のプラス成長しています。
※マスコミ四媒体由来のデジタル広告費とは、マスコミ四媒体事業社などが主体となって提供するインターネットメディア・サービスにおける広告費のこと。新聞デジタル、雑誌デジタル、ラジオデジタル、テレビメディアデジタルのことで、これらのデジタル広告費はマスコミ四媒体広告費には含まれない。なお、テレビメディアデジタルの内訳である「テレビメディア関連動画広告」は、キャッチアップなど動画配信タイプへのインターネット広告費のことを指します。
筆者の所感
今回の発表結果から、広告業界の市場拡大は大きく二つの要因があるように感じました。
経済的要因
一つは、電通が発表している通り景気回復による影響が考えられます。第二次安倍政権発足後の2012年12月から現在に至るまで、企業業績の向上、株価上昇、雇用環境改善など景気回復が続いており、これが需要増加につながっていると考えることができるでしょう。
なお、インターネット広告は2022年頃まで右肩上がりに成長すると考えられています。加えて、2020年の東京オリンピック特需により広い業種で広告需要の増加が期待されるため、広告業界全体としても良い状況が続くと考えられます。しかし、広告業界はサービスの性質上、不景気には需要が低迷し、好景気には需要が増加するという傾向があるため、オリンピック開催後は少し心配です。
商材的要因
発表結果を見ると、4マス広告・セールスプロモーションからインターネット広告への予算シフトが認めれらます。インターネット広告の成長には、運用型広告のシェア拡大が大きく影響していると考えます。運用型広告は細かな運用調整が可能であり、比較的安価に実施できるなど費用面でのメリットが導入を後押ししていると考えられます。また、トレンド広告である動画を活用するマーケティングも活発化しており、今後もインターネット広告は継続的な成長が期待できます。
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