オンライン主体の環境でセレンディピティは生まれるのか

インタビュー第7弾、スマートドライブ、岡 桃子

Web広告・マーケティングのいまをお届けするsyncAD(シンクアド)インタビュー第7弾は、現在、株式会社スマートドライブでWebサイトのコンテンツ作成や、イベント・セミナー運営など、マーケティングに関わるオペレーションを担当している岡 桃子氏に寄稿いただきました。

はじめに

こんにちは。スマートドライブの岡と申します。スマートドライブは「移動の進化を後押しする」というビジョンのもと、モビリティデータの分析、取得、利活用に関わるサービス提供をしています。私はその中で、最初の接点ともなり得るWebサイトのコンテンツ作成や、イベント・セミナー運営など、マーケティングに関わるオペレーションを担当しており、今回はその立場から、イベントにおける「セレンディピティ」について、スマートドライブが目指しているところを紹介させていただきます。

インタビュー第7弾、スマートドライブ、岡 桃子

イベントにおけるセレンディピティ

そもそもセレンディピティとは、偶然の出会いから自分にとって価値あるものを見つける力や、その環境を指す言葉です。
「旅行先での移動中に、素敵なカフェを見つけた」「デパートで店員さんの声掛けで、思いもよらない似合う服を見つけた」といった経験は誰しもが持っているものだと思いますが、こうした偶然の幸運は、BtoBビジネスの現場にも多くあるものです。
その最も代表的なものが、いわゆる展示会やカンファレンスといった「イベント」ではないでしょうか。展示会を例にすると、大きなテーマの元に数百の企業がブース出展し、来場者はそこで新たなビジネスの種に出会うこと、つまりセレンディピティを期待しています。
また、昨年弊社では『Mobility Transformation 2019』というカンファレンスを開催しました。そこでも、多くの方がこのイベントをきっかけにコミュニケーションを取ってくださり、実際に協業や相談に繋がったという話も耳にしています。思いもしなかった出会いやきっかけは、ビジネスの場においても重要な要素であると考えています。

コロナ禍によるイベントの変化

ですがご存知の通り、今年はコロナ禍によって誰もが予想のつかない事態となりました。緊急事態宣言が発令された3月以降、オフラインのイベントは軒並み中止や延期に。宣言が解除され数か月たった今でも、オフラインの場がコロナ以前と同等レベルに戻っているとは到底言えない状況です。
そのような中、最近活発になってきているのがオンラインでのイベント開催です。オンラインでの展示会、カンファレンス、セミナーなど、最近は頻繁に見聞きするようになりました。しかし、同時に課題になるのが、イベントの要でもある「セレンディピティ」です。

オンラインは「偶然の出会い」が生まれにくい?

そもそもオンラインという場には情報が溢れかえっています。パーソナライズやレコメンドによって「いかに適切に、必要とする人に情報を届けるか」が勝負の世界。私たち自身も、インターネット上から必要な情報を取捨選択することに慣れていて、何もせずにセレンディピティを期待する、というのはほぼ不可能では無いでしょうか。
実際に様々なオンライン展示会が開催されていますが、残念ながら、展示会と言うよりも「リンク集」に近いと感じてしまうものも少なくありません。「偶然の出会い」は自身の潜在的な課題を把握するチャンスですが、これをオンライン上でも経験できるしかけを構築することはできるのか。事業者はまさに模索している最中です。

スマートドライブ、オンライン主体の環境でセレンディピティは生まれるのか

小さな興味関心がつなぐ可能性

スマートドライブでも今年の4月、元々オフラインでの開催を予定していたカンファレンスを、急遽オンラインで『Mobility Transformation Online』として実施しました。このカンファレンスを通じて、小さな興味関心を繋ぐことにオンラインの可能性を感じています。
Mobility Transformation Onlineでは、株式会社Schooの運営するSchoo(スクー)という学習プラットフォームを利用させていただきました。Schooには数十万人という会員がいらっしゃいますが、元々スマートドライブやモビリティに強く関心を持っている方は多くありません。「会員さんの属性が違い過ぎて、全然視聴されないかもしれない」「コメント欄が盛り上がらなかったらどうしよう」とイベント当日までは不安でしょうがない日々。ですが蓋を開けてみると、7700人もの方による視聴と1000以上の投稿を頂くという結果となりました。
これは、Schoo会員の方の「学びを深めたい」というニーズと、カンファレンスの「移動の進化への挑戦」というテーマが合致したのだろうと見ています。
このイベントを通して「小さな興味関心の繋がりをつくり、そこに真摯に向き合うことで、オンラインでもセレンディピティは生まれるかもしれない」と考えるようになりました。以降、スマートドライブでは自社でのイベント開催においても、このポイントを必ず意識するようにしています。

業種業界を越えた共催セミナーを開始

現在弊社では月に2回程のペースでオンラインセミナーを開催しています。そしてその多くは、他企業様との共催です。例えば、”営業活動のデータ活用”というテーマでUPWARD様と共催したり、”モビリティ業界のマーケティング”をテーマに、MAツールベンダーのSATORI様と共催したりと、業種業界を問わず幅広く実施してます。

共催セミナーのメリットは、2つあります。まずは、セミナーのテーマ=核になる部分さえピントが合っていれば、自社セミナーのご案内だけではなかなかピンと来なかった方にも、関心を寄せていただけるようになること。共催社同士がお互いに集客することで、これまでアプローチできていなかった層に繋がりを持つことができるようになるのも大きなメリットです。

2つ目は、展示会ではなくセミナー形式を取ることで、それぞれのサービスが提供する価値を参加者さまへ丁寧にお伝えすることができることです。
オフラインの展示会では、小さな興味関心を持ってくれた方にその場で自社のサービスがどういうものかを説明することができますが、オンライン展示会ではそれがなかなか難しいと感じています。各出展者のオンラインブースを見て、実際にそこから資料請求や商談するというアクションは、とてもハードルが高い。
特に、スマートドライブが扱う”モビリティデータ”は、様々なデータとかけ合わせて分析することで、新たなインサイトを取得できるものです。可能性が無限大である分、丁寧な説明が必要だと考えています。

モビリティデータの特徴とは

スマートドライブ、モビリティデータの特徴とは

モビリティデータとは、主に移動(走行)データと動態(動き方)のデータを組み合わせたデータです。「モビリティーデータは可能性が無限大である」と言いましたが、例えば、SFA/CRMの営業情報を掛け合せれば、移動に費やしている時間と売上情報を見ることができるようになり、営業生産性を分析することができます。
人事データと掛け合せれば、事故の有無といった”結果”の評価だけではなく、「日頃から運転に気を付けてくれているか」という”プロセス”を評価することができる。マーケティングデータと掛け合せれば、オンライン上の行動情報のように、リアルな顧客の行動情報を把握し「何が行動変容につながったのか」を詳細に分析活用できる。…などなど、モビリティデータはその他のデータと掛け合わせることで、ユーザーや従業員に、より大きな価値を提供する鍵になるという特徴があります。

モビリティデータとの掛け合わせ事例

実際にモビリティデータとその他のデータの掛け合わせによって、新たな価値創出を目指している事例を紹介します。

丸紅株式会社

丸紅が自社開発したオフィス、工場、サービス拠点等が乗用のために保有する電気自動車(EV)の配車・充電タイミングを最適化するAIと、スマートドライブの走行データを利活用するサービスを連携させ、EVの効率的な車両管理を実現するサービスの構築を目指しています。EVの効率的な利用を推進すると共に、事業所向けの再生可能エネルギー電源の導入等と組み合わせた提案も検討し、低炭素社会の実現に貢献します。
https://smartdrive.co.jp/news/press/20200820

損害保険ジャパン株式会社

従来の自動車保険のような「モビリティにつく保険」だけでなく、お客さまごとのリスクに応じた「ヒトにつくモビリティ保険・サービス」を共同開発しております。スマートドライブの移動に関するさまざまなデータ利活用のノウハウと、損保ジャパンの移動手段別の事故やトラブルのデータなどを掛け合わせて、新たな顧客体験価値の向上を目指します。
https://smartdrive.co.jp/news/press/20200623

双方向のコミュニケーションに向けて

このような可能性に満ちたモビリティデータを扱う以上、今後はもう一歩踏み込んだ施策にもチャレンジしていきます。それは、私たちからの情報発信だけではなく、参加者同士、双方向のコミュニケーションが生まれることを意識した”ミートアップ”です。
7月末にその第一弾として、弊社代表の北川へオンラインで何でも質問ができる『Meet Up Vol.1』を開催しました。事前に質問を募集させていただいたこともあますが、当日は質問が途切れることなく、モビリティ領域への関心の高さとオンラインツール上の活発なやり取りに未来を感じています。
次回はさらに参加者同士が双方向にコミュニケーションを取れるようにしようと画策していますが、こちらはさらにハードルが高く、どの事業者もまだ確立できていません。オンラインのみで十分にコミュニケーションの場を提供できるのか、オフラインとオンラインの融合という形が良いのか、手法にとらわれずに検討を進めています。

コロナ禍は今度どうなるか全く先が読めない状況ですが、今後も様々な形でMobility Transformationがハブとなり、あらゆる人にとってヒントが転がっている、セレンディピティを感じられる場所にしていきたいと思っています。

Mobility Transformation

スマートドライブ、Mobility Transformation2020

URL:https://www.mobility-transformation.com/

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