大日本印刷、ソネット・メディア・ネットワークスと広告配信サービスで協業へ
2019.01.21
2019.01.21
大日本印刷株式会社(以下:DNP)は、ソネット・メディア・ネットワークス株式会社(以下:SMN)が提供する広告配信プラットフォーム(DSP)である「Logicad(ロジカド)」の広告枠買付・運用に関するパートナー契約を2018年12月に締結しています。本契約によりDNPは、DNPグループの丸善ジュンク堂書店、ハイブリッド型総合書店hontoの本の通販ストアが保有する書籍分類、書誌データなどを活用したDNP独自のDSPの提供を、2019年1月21日より開始すると発表しました。
概要
背景
近年、スマートフォンなどが普及する中、Web広告の手法も多様化しています。広告主は、生活者の顕在化している需要に加えて、潜在的な需要を把握し、ターゲティング広告の精度を高めたいというニーズが存在します。このニーズに対して両社は、DNPのグループ書店が保有する、書籍購入を起点する行動データから導き出された生活者の興味・関心データと、SMNのビッグデータ処理技術やAI(人工知能)技術を掛け合わせることで、潜在的な生活者の需要と商品を高精度にマッチングする広告配信サービスを提供します。
図1:サービスイメージ
サービスのイメージ図
DNPのDSPの特長
1.書籍の興味・関心データとAIを掛け合わせた広告配信プラットフォーム
DNPのグループ書店である株式会社丸善ジュンク堂書店が保有する書誌データや日本最大級の書籍分類を活用するほか、ハイブリッド型総合書店hontoの本の通販ストア内のWebアクセスデータをSMNのAI(人工知能)「VALIS‐Engine」(ヴァリス-エンジン)で分析し、潜在的に生活者が興味・関心を持つ広告を高精度でタイムリーに提供します。例えば、語学に関する書籍を閲覧している人は、海外旅行や留学に関心が高いといったデータから推奨する旅行商品やMBAスクールなどの広告を、より高い精度で案内することができ、生活者の顕在および潜在的な興味・関心を導きだすことができます。
2.行動変容を起こす確率の高い生活者を高精度に発見するAI「VALIS‐Engine」
DNP独自のDSPと連動させるAI「VALIS-Engine」は、SMNのR&Dグループ(a.i lab./アイラボ)が、ソニーグループで培った最先端の機械学習技術をもとに自社開発したAIエンジンで、行動変容を起こす確率の高い生活者を高精度に発見することができます。
3.リアルタイムでのビックデータ処理技術
ターゲティング広告を実施する広告主向けのプラットフォームと、広告枠を提供する企業のプラットフォーム間で広告の自動取引を行うReal-Time Bidding(リアルタイムビッディング)では、膨大な取引情報をリアルタイムに処理し、応札する必要があります。一般的なDSPは、1件あたり0.1秒の速さでデータ処理を行い応札する中、DNPのDSPのベースとなるSMNの「Logicad」は、約0.003秒で膨大なデータ処理が可能です。これにより、処理速度の遅延による広告出稿機会の損失を抑制するほか、広告案件ごとに最適と予測した価格を瞬時に判断し大量の入札リクエストに応札することができます。
今後の展開
DNPとSMNは、本サービスを通じて出版業界の広告分野の活性化を図ると共に、他業界への展開も進めていき、2021年度までに40社のサービス導入を目指すようです。今後は、「出版プライベートマーケットプレイス(PMP)」を構築することで、出版社の持つプレミアムなWebメディアの更なる収益化支援と、書店や生活者への需要喚起を図っていくとコメントしました。
詳細については関連リンクよりご確認ください。