Peoplytics、飲食・観光・医療…コロナ禍で苦しむ中小企業のために今できること。考え抜いた末にたどり着いた「電話DX」
2021.07.14
2022.04.21
目次
PeoplyticsのPR TIMES STORY
株式会社Peoplytics(ピープリティクス) 代表取締役の奥西 亮賀です。
僕は、リクルート社でのプロダクトマネージャーの経験を経て、コロナが始まる直前の2019年3月にPeoplyticsを創業しました。
そんなコロナ禍に開発し、僕たちが最注力しているサービスがノーコードでカスタマイズでき、小規模店舗や中小企業に特化した自動電話応答SaaS 「IVRy(アイブリー)」です。
「電話DX」を進められるサービスとして、ここ2ヶ月で約20倍アクセスが伸びており、ありがたいことに中小の事業者さまだけでなく、直近では小売企業から地方自治体、大型の施設イベントまで幅広く導入をいただいています。
簡単に説明すると「IVRy」は電話応答を自動化することによる「電話DX」を実現するサービスです。
人の対応が必要な内容と、自動化できる内容に振り分けることで、電話対応の負担軽減ができます。読み上げテキストの登録、道案内、予約など様々な使い方をしていただくことができ、ローコストかつ簡単に導入することができます。
ちなみに名前の由来は”IVR(自動応答電話システム)”に親しみやすさを込めた”y”をつけたサービス名です。シンプルに覚えてもらいやすい名前にしたいなと思い、このネーミングにしました。
これまで様々なジャンルのサービスを開発してきましたが、「IVRy」によって”電話をDX”することで大きな価値提供ができるという自信は持っていましたが、直近ではある出来事により、想像以上の問い合わせや反響をいただきました。
今日はそんな「IVRy」の開発までの経緯や目指す姿について、お話ししていきたいと思います。
我々のできることは何か考えた末にたどり着いた「電話DX」
今回の新型コロナウイルスの流行による社会的な影響は本当に大きいものでした。緊急事態宣言による外出自粛宣言リモートワークや県外移動の制限が余儀なくされ、私たちの生活は大きく変化しました。
そんな最中、偶然にも飲食業界の企業と仕事をする機会をいただき、そこで接客業における今回の新型コロナウイルスの影響の大きさを改めて知ることとなりました。売上の減少により次々に倒産する飲食店。人件費削減により圧迫されるスタッフの方々の現状を目の当たりにしました。
そこで僕たちはオンライン完結型の事業展開でダメージの大きくないPeoplyticsだからこそ、コロナ禍で困っている事業者の力に貢献したいという一心で僕たちに出来ることはないかと真剣に考え、ヒアリングを重ねました。
普段では絶対に受けない金額でほとんど赤字覚悟の案件を手伝ったり、課題解決に向けて色々と試行錯誤を重ねながら動いていたのですが、もっと効果的に困っている事業者をサポートできないかと考えている中で多くの事業者から上がって来た声の共通項は、「電話問い合わせ業務負荷の増大」でした。
飲食店をはじめとするホスピタリティを必要とする接客業に関しては、営業自粛や外出規制による人員の削減を余儀なくされていました。 一方で、病院など普段の数十倍以上の負荷がかかる業態も存在しました。
そんなご時世の中でも、飲食店には「今日お店何時まで空いていますか?」という問い合わせがきますし、病院・クリニックには「PCR検査ができますか?」「コロナっぽいんですがどうしたらいいですか?」といった問い合わせは止むことなくきている実態がありました。
そこで僕たちがアプローチをしようと考えたのが「電話のDX」です。
本気で開発を進め約2ヶ月でローンチ。そしてワクチン接種開始が大きな転機に
どうしても手もかかってしまう電話応対を自動化することで、業務効率化を図り、本来集中すべき目の前のお客様への対応に集中していただけるのではないかと考えたのです。
これが電話自動応答サービス「IVRy」開発のきっかけです。目の前に困っている事業者がたくさんいたので、開発も急ピッチで進めました。
他の受託業務やサービスの仕事もある中、業務時間外も含め、社内のエンジニアが圧倒的なスピードで開発を進めてくれたこともあり、まさかの2ヶ月という超短期間でローンチをすることができました。
もちろん、予期せぬエラーも多数発生したり、今後改善すべき点もまだまだ多いですが、提供開始にあたって、使い勝手と導入コストの低さには徹底的にこだわりました。
・「低コストで、すぐに使い始められる」
・「誰でも簡単に使えて、カスタマイズ性が高い」
・「受電や転送が簡単にできる」
上記の価値提供を実現し、自信を持ってお届けできるサービスが完成したため、2020年7月より提供を開始しました。
提供開始後、働き方の変化によるリモートワークにも対応しており、これまでどうしても人の手が必要だった部分を簡単かつ低価格でリプレイスできるという点で、1日数件の電話がかかってくる個人経営の事業者から1日数百件以上の受電がある企業・施設まで幅広い事業者に問い合わせをいただき、事業としてもそれなりに順調に推移していました。そして 今年の5月に大きな転機がありました。
それは「新型コロナワクチン」接種開始のニュースでした。
数万件超の問合せ対応自動化の実現で寄せられる感謝の声
昨今大きな話題になっているワクチン接種関連のニュースですが、接種開始当初は、それぞれの都道府県や自治体からのアナウンスが十分ではなく、総合病院やクリニックにも「コロナワクチンの今の予約の状況は?」という問い合わせが殺到しました。実際に現場からは、「新型コロナウイルスのワクチンに関する電話が営業時間内外で鳴り止まない。現場はパンク状態にある」という声も上がっていました。
当社を以前から利用していただいている大規模な総合病院を調べてみても、受電量が以前の100倍以上のボリュームになっており、多い時では、1時間に4000件、1日合計35,000件以上を超える電話がかかってきていました。
Peoplyticsへの問い合わせも4月から数えると現在10倍以上に増加しています。
上記の例は、僕たちのクライアントの中でも最大のボリュームでしたが、それ以外の事業者にも「IVRy」を導入いただいていたことで、
「コロナワクチン診療開始初日の1日数百件の問い合わせのうち、9割近くの電話を自動化することができた。あらかじめ準備していて、本当によかった。」
「既存の患者様への影響も少なく、ワクチン予約の目処が立ってきました。最初は高額な電話機を購入することも考えましたが、大きな金額を払わず短期間で導入できて助かった。」
という声が多く寄せられ、運営している私たちにとっても励みになりました。
逆に考えてみると、「IVRy」を知らなかった医療機関の中には、それだけの電話を人力でさばいていた病院もあるということなので、もっとこのサービスの認知を上げ、多くの企業をサポートしたいという気持ちはさらに強くなりました。
今回の経験を通して「IVRy」の力で救うことができた事業者がいるという大きな自信にもなりましたし、今後もっと多くの方に使っていただくことで 、生産性や業務効率の向上にも繋げていただきたいと思っています。
医療関係にとどまらず、実際に導入いただいた皆様からは本当に愛されているなと感じています。その一つの証拠として、サービス全体のチャーンレート(解約率)は 1%を切っています。
これからのIVRy
「IVRy」の提供開始から1年が経ちましたが、最初に想定していたよりも多くのクライアント様からの反響や業界・業種からの利用やユースケースがあり、初期に考えていたニーズとは違いますが、飲食店や病院・クリニック以外にも様々な利用をしてもらえることがわかりましたし、日本全体のDXを推進していきたいと考えるようになりました。
様々な業界・業種の電話DXを推進していくためには、まだまだ改善できる余地も多くあるのと、「IVRy」の価値はプロダクト品質だと思いますので、今後も機能開発には常に力を入れていく予定です。
現状の機能を書き出すと下記の通りですが、 さらに便利に使いやすく簡単に利用していただけるように、まだまだ改良は続けていきたいと思っています。
IVRyで実現したい世界
ふと考えると、この100年、電話機器自体は大きな変化を遂げてきましたが、『通話』という仕組みそのものは進化しておらず、ある意味、電話をかけると必ず繋がってしまう、業務効率化が進んでいないコミュニケーションツールです。
今回の記事では医療現場にフォーカスを当てる内容になりましたが、電話をDXすることで、業務効率化や生産性向上を図ることができるビジネスは世の中に溢れていると思っています。
実際に少しずつですが、観光関連や宿泊施設、飲食店の方からの問い合わせも増えており、街に人が戻ってくる明るい兆しも少しずつですが見えているように思います。
電話とテクノロジーを融合することによって、「電話」のあり方を再構築し、「電話DX」を実現することで、僕たちはスモールビジネスの業務効率化を支援できると思っています。
このサービスが広がっていくことで、少しでも現状を改善し、本当に困っているお客様に時間を割けるように、本当に提供したいお客様により良いサービスを提供できるように、その先に、スモールビジネスの方々の事業成長の手助けになれるように、
そんな思いを持って、これからも頑張っていきたいと思います。
最後に:Peoplytics(ピープリティクス)とは
Peoplyticsの名前の由来は「People」(採用・HR領域)、「Analytics」(分析・テクノロジー)であり、僕の前職のリクルートでのプロダクトマネージャー時代に培った知見・経験を活かして、これまで下記のような複数のサービスを展開してきました。
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・採用サイト作成SaaS 「ownd.jp」
・採用オウンドメディアの検索サービス「ISWORK」
・天気・気温と服装コーデのメディア「snapu!」
・副業の横断検索メディア 「aftwork」
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中でもsnapu!はフジテレビの”ライブニュース イット”でもニュースとして取り上げていただき、大きな反響がありました。
とはいえ、創業後1年足らずでコロナ禍に入ってしまったり、その他にも予想外の出来事ばかりで決して順風満帆とは言えませんが、時代のニーズにあった新しいサービスの開発・提供を行ってきたことで、ありがたいことに結果としては右肩上がりの成長を続けることができています。
今後もIVRyをはじめとしたデジタルサービスを通じて、あらゆる人と企業の可能性の最大化に向けて、邁進していく所存です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
プロフィール
奥西 亮賀
株式会社Peoplytics 代表取締役
2015年3月に同志社大学院情報工学科卒業後、株式会社リクルートに新卒入社し、プロダクトマネージャーとして従事。
2019年3月に独立し、株式会社Peoplyticsを創業。
採用サイト作成SaaS 「ownd.jp」、採用オウンドメディアの検索サービス「ISWORK」、天気・気温と服装コーデのメディア「snapu!」、副業の横断検索メディア 「aftwork」など複数のプロダクトを開発・提供。現在は「電話自動応答サービスIVRy(アイブリー)」を主力事業として、”電話DX”の実現に向けた事業展開を行っている。
商品・サービス情報
電話自動応答サービス「IVRy(アイブリー)」
IVRy(アイブリー)は、様々なシーンでの電話業務を自動化・効率化し、普段の業務オペレーションへの集中や対応工数削減を実現する、電話自動応答サービスです。
自由な分岐設定と自動応答・SMS返信・電話の転送(リダイレクト)・録音機能・ブラウザ電話機能等を活用することで、営業電話・顧客からの問い合わせ・注文・予約等の様々なシーンを自動化します。また、営業時間内と営業時間外でルールを変えることや、電話履歴の確認や顧客登録機能等、多数の便利な機能が存在しています。
関連リンク
●株式会社Peoplytics
●飲食・観光・医療…コロナ禍で苦しむ中小企業のために今できること。考え抜いた末にたどり着いた「電話DX」