【今さら聞けない!】インターネット広告の基本~概要と市場規模~

近年、高い注目を浴びているインターネット広告業界。

電通発表の資料によれば、インターネット広告費は5年連続で2ケタ成長を記録しており、市場は拡大傾向にあることがわかります。

そこで今回は、インターネット広告が好調な理由と市場規模、今後の展望について説明いたします。

インターネット広告とは

概要

インターネット広告とは、読んで字の如く「インターネット上に掲載される広告」の総称です。2019年現在、様々な種類のインターネット広告が存在し、マーケティングの対象・用途ごとに使い分けされています。
 

世界で最初のインターネット広告

世界で最初にインターネット広告が誕生したのは1994年のアメリカ。Wired.comにおいて掲載されたAT&T社のバナー広告がインターネット広告の始まりとされています。

図1:AT&Tの最初のバナー広告(thefirstbannerad.comより)
図1:AT&Tの最初のバナー広告 thefirstbannerad.comより

「Have you ever clicked your mouse right HERE / YOU WILL」(ここをクリックしたことがある?クリックしてごらん)というシンプルなキャッチですが、フォントやデザインを見るとダサいと感じる方もいるでしょう。しかし、当時としては大変画期的な出来事でした。

その後、インターネットの普及と技術発展に伴い、インターネット広告がマーケティングの一領域として確立されます。同時に、アナログメディアからデジタルメディアへの移行も進んだことにより、インターネット広告市場という新しいビジネス環境が誕生します。
 

インターネット広告の発達

インターネット広告の発達には、大きく2つの要因があります。1つは、インターネット環境(インフラ)の成熟によるものです。ブロードバンド回線による大容量データの高速通信が普及したことで、様々なユーザーが日々ネットにアクセスするようになりました。それに伴い、WEBサイトが広告媒体として強い影響力を持ち、インターネット広告の出稿量は増加しました。また、インフラの向上によりインターネット上でのクリエイティブ表現の幅が広くなり、様々なクリエイティブが誕生することになります。

図2:アドテクの発達

2つ目は、アドテク(Advertising Technology)の発展によるものです。インターネット広告の出稿が増加すると、広告主・媒体社(メディア)の双方で様々な課題や要望が出てくるようになりました。それらの要望に応えるために、インターネット広告に関するテクノロジーであるアドテクは発展し、高度なターゲティング技術が誕生します。これらの要因から、インターネット広告は成長しました。

日本においては、純広告(予約型のバナー広告)からスタートします。後に純広告にアドサーバーが使われるようになり、販売形態が多様化しました。その後、より大規模配信、かつクリック単価での広告配信を可能とするアドネットワークが登場しました。

それから、Cookie技術を活用してユーザーの行動履歴をもとに広告を配信するDSPという仕組みが誕生し、それらを拡張するためのデータプラットフォームとしてDMPが登場しました。広告種別については、別の機会にご紹介します。
 

インターネット広告の市場規模

電通が発表している「日本の広告費」によると、2018年の日本の総広告費は、6兆5,300億円(前年比102.2%)にのぼります。業界市場規模は、国内123業種で38位となりました。なお、インターネット広告費は、1兆7589億円となっています。市場の誕生から20年足らずで、現在の規模まで急成長を遂げました

図3:日本の総広告費(2018年 日本の広告費より)
 

広告費の内訳としては、マスコミ4媒体は41.4%(前年比96.7%)、プロモーションメディア広告は、31.7%(前年比99.1%)、インターネット広告は26.9%(前年比116.5%)でした。

図4:インターネット広告と4マス広告の成長率

インターネット広告は2009年に新聞広告を抜いて以来、成長を続けており、2018年現在でテレビ広告に迫りつつあります。反対に、4マス広告はいずれも伸び悩び、テレビを除くと全ての媒体の成長率は下降傾向にあります。

国内の総広告費用の拡大とあわせて、インターネット広告の市場規模は好調に拡大しています。
 

市場拡大の理由

 

導入敷居の低さ

インターネット広告市場の拡大には、運用型広告の市場拡大が大きく影響しています。運用型広告が持つ特徴として、比較的少ない予算(月間数万円程度)から掲載できることが挙げられます。従来の予約型広告(純広告)では、期間保証型(掲載期間に対してまとまった広告費を支払う)などのメニューが多く、実施には多額の予算を必要としていました。

しかし、運用型広告はクリック課金エンゲージメント課金などの課金形態が導入されているため、費用面でのハードルが低くなります。加えて、広告配信を細かく調整(配信を停止・再開)することで、広告効果の効率・最大化を図ることができます。
 

動画広告・インフィード広告の出稿量増加

近年、YouTubeなどの動画コンテンツの視聴頻度は高まっており、マーケティング市場としての地位を確立しました。これに伴い、動画プラットフォームにおける動画広告の配信量が増加しています。従来、マス広告を中心にプロモーション活動を展開してきたブランド広告主においても積極的に活用するに至り、動画広告市場は大きく成長しました。

また、運用型広告(ADNW、SNSなど)におけるインフィード広告の配信量も増加しています。インフィード広告の特徴としては、高い視認性と広告訴求感が強くないことから集客に適しており、広告効果が高い傾向にあります。ブランディングからダイレクトマーケティングまで幅広く活用できるため、業種を問わず導入が進んでいるものと考えられます。

図5:インフィード広告
 

 

デジタルトランスフォーメーションの浸透

ここ数年で、業界を問わずデジタル・トランスフォーメーションが進んでいることも要因の一つです。

従来、純広告などの予約型広告の出稿が中心であった自動車業、通信業、メーカーでの運用型広告の活用が進みました。また、マス広告を中心に活用してきた食品業、飲料業などでのインターネット広告出稿が増加しています。

テレビや新聞との相性が良いとされるブランド広告においても、運用型広告の活用が拡大しています。近年では、前述した動画広告の台頭により、動画を使った認知拡大・ブランドロイヤリティの獲得効果(ブランドリフト効果)が期待されており、活用されるケースが増加しています。日本に広がるデジタル化の波が、インターネット広告市場を後押ししている、と言えるでしょう。
 

戦後最長の景気回復

第二次安倍政権発足後の2012年12月から現在に至るまで、企業業績の向上、株価上昇、雇用環境改善など景気回復が継続しており、広告需要の増加につながっていると考えられます。

広告出稿は景気に大きく左右されるため、好景気には広告出稿が増加する傾向にあります。オリンピックや世界的大会(ワールドカップ、WBCなど)などのイベントが開催されるときには、消費者と媒体との接触が増加するので広告出稿量が増加する傾向がわかっています。反面、不景気や災害時には、出稿量は大幅に減少するので注意が必要です。
 

今後の展望について

インターネット広告は2022年頃まで右肩上がりの成長が予想されています。2020年の東京オリンピック開催により、広告需要も増加すると考えられるため、インターネット広告業界の好景気は続くでしょう。

オリンピック開催後の需要減少が危惧されますが、デジタルトランスフォーメーション、5G、IoT/IoE、DOOHなどの普及による発展も見込まれます。今後の更なる拡大に期待です。

次回は、インターネット広告の種類について紹介いたします。ぜひお読みください。