アドネットワークとは【概要】

 
今回は、アドネットワークについてご紹介します。Webマーケティングに関わる方なら、ご存知の方も多い広告配信手法ですが、その成り立ちや機能について正しく理解されているでしょうか。概要から特徴、配信手法、課金形態までを3回に分けてわかりやすく説明します。

アドネットワークの概要

アドネットワークとは、複数の媒体(Webサイト、SNS、ブログなど)を束ねて、配信ネットワークを構築し、その媒体が持つ広告枠にまとめて広告を配信する手法のこと。日本の広告市場においては2008年頃に登場しました。

分かりやすく言い換えると「複数のWebサイトにまとめて広告を配信する仕組み」です。複数のWebサイトにまとめて広告を配信することで、広告主は従来のインターネット広告配信よりも膨大なトラフィック量を確保できるようになりました。

トラフィックとは
交通や通行などの意味を持つ英単語のこと。Webマーケティングにおいては、サイトへのアクセス数を指します。

媒体社としては、アドネットワーク事業者に広告枠の販売、掲載準備から配信後のレポート対応を任せることができるため、両者に大きなメリットを提供しました。

 
図1:アドネットワークの構図
図1:アドネットワークの構成

 

アドネットワーク

2018年10月11日

 

アドネットワーク登場前の広告配信

アドネットワーク登場前は、広告主は媒体社に直接広告掲載を依頼していました。もちろん、媒体社も広告主ごとに個別で対応をしていたため、両者ともリソース面に大きな課題を抱えていました。

 
図2:アドネットワーク登場前の広告主と媒体社の関係
図2:アドネットワーク登場前の広告主と媒体社の関係

アドネットワーク登場前の特徴は以下の通り。
 

特徴

アドネットワークが登場する前の広告主は、媒体ごとに個別で広告出稿依頼や入稿対応を行わなければならず、工数面で大きな負担が発生していました。また、媒体の入稿規定が異なることにより、原稿は媒体ごとに制作する必要がありました。

課金形態も異なるため、同じ基準で広告を管理することができず、配信管理にも課題を抱えていました。このように、出稿媒体が増加するほど工数面に負担が生じるため、出稿できる媒体数には物理的な限度がありました。

また、レポートデータにも統一性がなく、媒体間を比較して評価することが困難でした。加えてCookieの技術的問題もあり、複数の媒体を跨いだ重複コンバージョンを計測することが出来ません。これらの要因から、費用が発生している施策を正しく評価する事ができないという大きな課題を抱えていました。

媒体社も広告主ごとに個別で対応を行うため工数面に大きな負担を抱えていました。また、広告主を獲得するために自社媒体の広告枠を自ら販売する必要があり、営業コスト(営業人件費など)が発生していました。加えて、広告枠のインベントリが売れ残る可能性もあり、安定した広告収益が見込めないという大きな課題を抱えていました。

 

広告主のデメリット

  • 媒体ごとに個別で広告出稿依頼と入稿対応を行うため、工数面での負担が大きい
  • 課金形態・入稿規定が異なり、広告の配信管理が難しい
  • レポートデータが媒体ごとに異なり、媒体間を比較して評価をすることが難しい

 

媒体社のデメリット

  • 広告主ごとに入稿対応、配信調整を行うため、工数面での負担が大きい
  • 媒体社自ら広告枠を販売するため、営業コストが発生する
  • 広告インベントリが売れ残るリスクがあり、安定した収益が見込めない

 

Cookie

2018年10月12日

重複コンバージョン

2018年10月15日

広告インベントリ

2018年10月12日

 

アドネットワーク登場後の広告配信

アドネットワークは、広告主と媒体社の間に入ることで、両者の抱えていた課題を解決する役割を担うようになります。どのような変化をもたらしたのか、広告主と媒体社の視点で見ていきましょう。

 
図3:アドネットワーク登場後の広告主と媒体社の関係
図3:アドネットワーク登場後の広告主と媒体社の関係

アドネットワーク登場後の特徴は以下の通り。
 

特徴 ~広告主~

アドネットワークを用いることで、複数の媒体(Webサイト、SNS、ブログなど)にまとめて広告を配信できるようになります。これにより従来のインターネット広告と比べて膨大なトラフィック量を確保できるようになりました。また、入稿規定が統一されたため、バナー制作や入稿など広告配信までの準備が簡略化されました。

アドネットワークの強みは豊富なターゲティング機能にあります。例えば、カテゴリーターゲティングという配信方法では、アドネットワークが提携している媒体の中から、指定したカテゴリー(ニュース系、美容系、ファッション系など)を選び、掲載したい媒体を指定して広告配信を行うことが可能となりました。

 
図4:サイトカテゴリの例
図4:サイトカテゴリの例

その他にも、リターゲティング配信時間帯配信ジオグラフィック配信などの配信機能が実装されています。これらの豊富な機能を用いることで、きめ細かい広告運用を可能にし、広告効果の最適化を図れるようになりました。

広告配信データは、アドネットワーク事業者が計測します。配信先媒体のデータを同一基準でまとめてくれるため、複数の媒体を跨いだレポートの一元管理が可能となりました。レポートの一元管理により、広告掲載後の効果分析が簡略化され、分析精度も向上しました。

優れた機能を持つアドネットワークですが、複数の媒体に広告を配信できる強みを持つ反面、全ての配信媒体を把握することが難しいという課題を抱えています。

また配信先媒体の開示は義務化されていないため、配信先媒体を詳細に把握することができない場合もあります。これらの要因により、意図しない媒体に広告が配信される可能性があるため、ブランディングを重要視する広告主にはリスクとなりました。

ブランディングとは
ブランドや企業、サービスのイメージ向上、認知拡大を目的としたマーケティング戦略のこと。具体的には、ブランドや企業、商品についてユーザーに共通認識を持たせる企業戦略を指します。ブランディングを推進することで、市場におけるポジショニングを確立することができ、ユーザーの獲得に繋がります。

なお、課金形態やターゲティングなどの配信機能は統一されておらず、アドネットワークごとに合わせた運用が必要です。また、アドネットワークごとに提携媒体が異なる場合もあるため、希望の媒体へ広告を配信するためには複数のアドネットワークを運用しなくてはならないこともあります。

 

特徴 ~媒体社~

アドネットワークと連携することにより、アドネットワーク事業者が媒体の広告枠を代理販売するようになります。媒体社は広告枠を販売する必要がなくなるため、営業コストの削減につながりました。加えて、1つの広告枠に複数の広告が掲載されることで、広告枠の販売機会が増加し、広告インベントリが売れ残るリスクが低減され、広告収益の向上・効率化が実現できるようになります。

アドネットワーク提携による最大の強みは、収益が拡大する点だけではありません。広告枠販売や広告効果測定などに割かれていた膨大なリソースが削減され、媒体の運営・改善に多くのリソースを割けるようになりました。結果として、媒体社は媒体品質の向上に注力することができるようになります。

 

広告主のメリット

  • 複数媒体へ広告を配信することで、膨大なトラフィック量を確保できる
  • 入稿規定が統一することで、入稿・配信に関わる作業工数が大幅に削減できる
  • 豊富なターゲティング機能を使うことで、届けたいユーザーに広告を届けられる

 

媒体社のメリット

  • 1つの広告枠に複数の広告を掲載することで、収益拡大・効率化ができる
  • 広告枠の販売が不要となることで、営業コストが削減される
  • 販売・レポートなどの工数削減により、媒体品質の向上に注力できる

 

ジオグラフィック

2018年10月13日

リターゲティング

2018年10月16日

時間帯別配信

2018年10月13日

 

まとめ

アドネットワークは広告効果を最適化するための様々な機能を持つ、優れた広告配信手法です。豊富な機能を使いこなすためには、専門的なマーケティングノウハウと運用戦略が必要となります。その際、豊富なノウハウを持つ広告代理店へ相談してみるのも良いかもしれません。

次回は、アドネットワークとは【配信手法】に続きます。
こちらも是非併せてお読みください。




ABOUTこの記事をかいた人

Ryu

syncADの編集担当。インターネット総合広告代理店、株式会社アドスタイルにて営業・人事を経験。現在は、メディア担当として社内研修やsyncADの運営を行っています。心理学や哲学が好きなことから、消費者マーケ記事や哲学的考察記事に飛びつきます。投稿する内容には、心理学的見地からの解説もしてみたいと思っております。